そして、ひと粒のひかりの紹介:2004年アメリカ,コロンビア映画。17歳の少女が一家の大黒柱として働いていましたが仕事を辞めてしまい、ある仕事にたどり着きます。それは麻薬を胃の中に入れて密輸するというものでした。2004年のサンダンス国際映画祭で観客賞を受賞した問題作。
監督:ジョシュア・マーストン 出演:カタリーナ・サンディノ・モレノ(マリア)、イェニー・パオラ・ベガ(ブランカ)、ギリエド・ロペス(ルーシー)、ホン・アレックス・トロ(フランクリン)、パトリシア・ラエ(カルラ)、ほか
映画「そして、ひと粒のひかり」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「そして、ひと粒のひかり」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
そして、ひと粒のひかりの予告編 動画
映画「そして、ひと粒のひかり」解説
この解説記事には映画「そして、ひと粒のひかり」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
そして、ひと粒のひかりのネタバレあらすじ:起
コロンビアの田舎町で17歳のマリアは、厳しい環境であるバラ園で働きながら祖母と母と未婚である姉とその子を養っていました。ある日体調を崩し職場で嘔吐してしまい、それがきっかけで仕事を辞めることになり家族に責められました。それは妊娠でしたがボーイフレンドは結婚しようと言ってくれましたが、マリアが彼をそこまで愛していなかったので別れました。
そして、ひと粒のひかりのネタバレあらすじ:承
そして遊びにでかけたマリアは親友のブランカに気のある同僚の友人であるフランクリンに会い、彼から運び屋の仕事があると持ち掛けられました。断りましたが、稼げると聞き話を聞きに行くことになりました。なんと手取りは700万ペソ、しかしそれはフィルムに包まれた麻薬を飲み密輸するというものでした。しかもそのフィルムが胃で破けたら死ぬ可能性もあるとのことでした。ブランカも家欲しさにこの仕事をすると言い、マリアも決心しました。一緒に移動するのはマリア、ブランカ、ルーシーともう一人の共犯者でした。麻薬62粒を飲み込みひと粒でも足りなければ家族に危害が及ぶと忠告されました。
そして、ひと粒のひかりのネタバレあらすじ:転
そして空港では税関で止められかけましたが尿検査で妊娠だと分かったのですぐ解放されました。もう一人の共犯者は連れていかれていました。悪そうな男らに迎えられホテルで軟禁され麻薬を取り出していきましたが、ルーシーは麻薬がまわってしまい徐々に衰弱していきました。気付くとルーシーは血まみれで男に運ばれていき、危機を感じたマリアはブランカを説得しホテルから逃げ出しました。そしてルーシーの姉の家にルーシーは元気だと言い泊めさせてもらいました。
そして、ひと粒のひかりの結末
しかし麻薬を返さなければ自分の家族が危ないので男らに会おうか迷いつつ、マリアはフェルナンドにルーシーを探してほしいと言いましたが情報を漏らしたことに対しブランカが怒りブランカとも別れました。マリアは産婦人科に行きエコーで胎児の心音を聞き思わず笑顔がこぼれました。しかし次の予約を入れられ複雑な思いになりました。そんな中胃を切り裂かれたルーシーの遺体が発見されたことを知ります。そしてルーシーの姉からも追い出されました。そしてブランカとマリアは覚悟して麻薬を返しにいくとひどく扱われながらも報酬を受け取ることはできました。しかしルーシーに対して責任を取ってほしいと言っても聞き入れてはくれませんでした。マリアは報酬をルーシーの遺体を国に返す資金にしました。ブランカはコロンビアに帰ろうと空港に行き搭乗ゲートをくぐりましたが、マリアはアメリカで一人残ったのでした。
恥ずかしながら事前にこの映画の背景を調べてから観た訳ではなかったので、中盤以降の仲間の女性の殺され方とその理由には衝撃を覚えました。
同じノンフィクション映画といってもこの映画には希望を過度に抱かせる演出が少ないように見受けられ、だからこそ『望みが見いだせそうもない様な淡々と続く暗さの中に見え隠れするかすかな救い』が、とてもリアルに感じられました。
最後に静かに流れ始めるエンディングLo que venga despuésは、スペイン語話者でなくても耳に残るであろう素晴らしい曲と使われ方で、上映が終わってもしばらく余韻が残り、席を立つことができませんでした。
主人公の続編があればいいのに、と思わせる数少ない名作だと思います。