LBJ ケネディの意志を継いだ男の紹介:2016年アメリカ映画。ジョン・F・ケネディ大統領暗殺により大統領になったのはリンドン・ベインズ・ジョンソン副大統領(Lyndon Bainse Johnson、ニックネーム LBJ)でした。人を引きつけるスピーチと名セリフでカリスマ性のあったケネディに比べジョンソンは説得と交渉術で議会で成り上がった政治家でした。ケネディの最大の課題であった公民権法(黒人差別を撤廃し白人と同様の政治的権利を与える法)の成立をジョンソンは人種差別主義の議員たちを説得して実現していきます。『LBJ ケネディの意志を継いだ男 』はジョンソンを黒人差別撤廃のため努力した政治家として好意的に描いた映画です。
監督:ロブ・ライナー 出演:ウディ・ハレルソン(リンドン・B・ジョンソン)、マイケル・スタール=デヴィッド(ロバート・F・ケネディ)、リチャード・ジェンキンス(リチャード・ラッセル)、ビル・プルマン(ラルフ・ヤーボロー)、ジェフリー・ドノヴァン(ジョン・F・ケネディ)、ジェニファー・ジェイソン・リー(レディ・バード・ジョンソン)、ほか
映画「LBJ ケネディの意志を継いだ男」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「LBJ ケネディの意志を継いだ男」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
LBJ ケネディの意志を継いだ男の予告編 動画
映画「LBJ ケネディの意志を継いだ男」解説
この解説記事には映画「LBJ ケネディの意志を継いだ男」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
LBJ ケネディの意志を継いだ男のネタバレあらすじ:起・ジョンソンの副大統領就任
1963年11月22日、テキサス州ダラス、リンドン・B・ジョンソン副大統領(ウディ・ハレルソン)は、ジョン・F・ケネディ大統領(ジェフリー・ドノヴァン)とパレードに向かいます。大観衆に迎えられるケネディ大統領に対し、地元テキサスにも関わらず、ジョンソン副大統領には関心が集まりません。パレードではケネディ大統領に対し多くの黒人が歓迎します。ジョンソン副大統領はケネディ大統領が黒人に権利を与えることに好意的だからとつぶやきます。
(ジョンソンの回想シーン)1959年、アメリカ上院のリーダーで民主党のリンドン・B・ジョンソンは同僚の議員たちを汚い言葉で指示しそのパワーを見せます。ジョン・F・ケネディの弟のロバート・F・ケネディ(マイケル・スタール=ディヴィド)はジョンソンに会い「大統領になりたいのか?」と聞きますがジョンソンにはその意志はありません。ジョン・F・ケネディ民主党大統領候補は予備選(民主党の大統領候補を決める選挙)で勝ち進みますが、ジョンソンはプロテスタントが主流のアメリカでは、カトリックのケネディは大統領にはなれないと懐疑的です。1960年の民主党の党大会、ジョン・F・ケネディ候補が正式に大統領候補になります。ジョンソンは大統領になる意志はないと言っていたにもかかわらず、少し落胆した様子です。翌朝、ジョン・F・ケネディ候補から電話を受けるジョンソンは副大統領候補に指名されます。ロバート・F・ケネディは反対しますが、ジョン・F・ケネディ候補はジョンソンの上院での権力を期待します。側近に相談するジョンソンは指名を受けることにします。大統領選挙に勝利したジョン・F・ケネディの課題は黒人にも権利を与える公民権法の成立でした。副大統領になったジョンソンは、リチャード・ラッセル議員(リチャード・ジェキンス)ら人種差別の強い南部の議員たちを説得します。
LBJ ケネディの意志を継いだ男のネタバレあらすじ:承・ジョンソンの人種差別撤廃のための説得
パレードのジョン・F・ケネディとジョンソンに対して銃声が響きます。ジョンソンは車の中に伏せますがケネディ大統領は狙撃されたようです。ジョンソンは警護の者に脇を抱えられながら安全な場所に避難します。ケネディ大統領が死んだかもしれないという知らせを聞き、ジョンソンは神に祈ります。
(ジョンソンの回想シーン)ジョンソンは公民権法のため、政府担当者と会議を持ちますが、政府内のやる気の無さと反対派にイライラします。ジョン・F・ケネディ大統領とロバート・F・ケネディ司法長官と会議を持ったジョンソンは、ラッセルら南部の議員の公民権法への強い反対を説明しますが、ケネディ大統領兄弟から強い不満を言われます。ジョンソンは引き続き南部の議員の説得をしますが、うまくいきません。再びケネディ兄弟と会議を持ったジョンソンは、公民権法の成立は無理と正直に話します。ケネディ兄弟は、今後はジョンソンに頼らずに公民権法成立のため動き始めようとします。ジョンソンはラッセルを説得のために夕食に招待します。人種差別主義者のラッセルは黒人女性を料理人として家族同様に扱い、食事を作らせ客をもてなすジョンソンに唖然とします。ジョンソンはホワイトハウスにケネディ大統領を訪ねますが、そこにいたのは、ロバート・F・ケネディ司法長官でした。ジョンソンはロバート・F・ケネディに「なぜ、自分に冷たい態度をとるのか?」問いただしますが、ロバート・F・ケネディは単に見解の相違のためと答えます。
LBJ ケネディの意志を継いだ男のネタバレあらすじ:転・ケネディの暗殺とジョンソンの苦悩
ジョン・F・ケネディ大統領の死の知らせを受けるジョンソンは悲しみに打ちひしがれる間もなく副大統領から大統領に昇格します。ジョンソンは部下に指示を出しますが、対立するロバート・F・ケネディ司法長官に電話せざるをえず、大統領就任宣誓のアドバイスを求めます。ワシントンに帰るジョンソン大統領は、元大統領、政府高官に電話をかけまくりアドバイスを求めます。議会へ行くジョンソン大統領はラッセル議員と会いますが、ラッセルはジョン・F・ケネディの死を喜ぶかのようにジョンソン大統領を拍手で迎え、南部からの大統領誕生を喜びます。ジョンソン大統領はジョン・F・ケネディの葬儀と引継ぎの準備をしますが、ロバート・F・ケネディはジョンソンがジョン・F・ケネディの執務室の整理をすることに嫌悪感を感じます。ケネディ支持派の食事会では「果たしてジョンソンが大統領に適格なのか?ジョン・F・ケネディの意志を継ぎその政策を継続する気があるのか?」と議論になります。
LBJ ケネディの意志を継いだ男の結末:ケネディの意志を引き継ぐジョンソン
公民権法成立に努力するジョンソン大統領ですが、人々はジョンソンをカリスマ的なジョン・F・ケネディと比較し過小評価します。ジョンソンは寝室で妻レディ・バード・ジョンソン(ジェニファー・ジェイソン・リー)に泣き言を言いますが、妻はジョンソンを慰めジョン・F・ケネディの意志を引き継ぐ時だと励まします。政府関係者と会合を持つジョンソン大統領は自ら家族同様に扱う黒人料理人が受けた差別体験を話し、黒人差別はやめなければならないと主張します。ジョンソン大統領は議会での最初の重要な演説の準備を始めますが、それはジョン・F・ケネディへの弔辞、大統領就任演説、政策表明を兼ねるものでした。スピーチの準備をしながらジョンソン大統領は側近に激を飛ばし、ついにラッセル議員にも公民権法を絶対に実現するといいます。議会での演説、緊張しながら静かにジョン・F・ケネディの意志を継ぐごとを表明したジョンソン大統領に、議員たちは大きな拍手を送ります。
映画の最後、ジョンソンはその後も黒人差別撤廃と貧困者救済のための福祉に努力したこと、1964年の選挙に勝利したこと、ベトナム戦争による不人気により1968年の選挙には立候補しなかったことが字幕で流れます。
以上『LBJ ケネディの意志を継いだ男』のあらすじと結末でした。
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