渦(官能の悪夢)の紹介:2000年カナダ映画。冒頭に突如現れたグロテスクな魚がストーリーテラーとなり、潮流に翻弄される孤独なヒロインの物語を語り始めます。この奇抜で不思議な映画を手掛けたのは、「メッセージ(2016)」「ブレードランナー 2049」など、ハリウッドの大作を次々と手掛けているヴィルヌーヴ監督です。カナダの栄誉ある映画賞、第21回ジニー賞で、主要5部門を制覇した本作は同監督の出世作となります。
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ 出演者:マリ=ジョゼ・クローズ(ビビアン)、ジャン=ニコラ・ヴェロー(エヴィアン)、ステファニー・モーゲンスターン(クレール)、ボビー・ベシュロ(フィリップ)、ヴィルジニー・デュボワ(サラ)ほか
映画「渦(2000年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「渦(2000年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「渦(2000年)」解説
この解説記事には映画「渦(2000年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
渦のネタバレあらすじ:起
鮮魚店主らしい男に、解体されている深海魚のようなグロテスクな魚が、ある若い女性の物語を語り始めます。大女優の母を持つビビアンは、25歳の若さでブティックオーナーを勤めています。中絶手術から仕事に復帰したビビアンに、ブティックの経営難という現実がのしかかってきます。投資家の兄から援助を打ち切られ、ビビアンは行き詰ってしまいます。親友クレールの慰めも空しく、ビビアンはクラブに繰り出し酒をあおります。そして深夜、自暴自棄となったビビアンは、ある男をひき逃げしてしまいます。ビビアンの車にはねられた初老の男は、頭から血を流しながらも自宅に帰り、台所のイスに座りそのまま息絶えます。
渦のネタバレあらすじ:承
ひき逃げ事故に恐れおののくビビアンは現場に戻りますが、人をはねた痕跡もなく警察への通報もなかったようです。車に魚の臭いが染みついるとクレールから指摘され、ビビアンは慌てて車を洗車します。不安に苛まれ続けるビビアンは、行きずりの男との刹那的な関係で気を紛らわそうとします。自分が殺したと思われる男の死亡記事を目にしたビビアンは思わず、地下鉄で見知らぬ男に人を殺したと告白します。男は、「なんの問題があるのか」「人は誰でもいつか死ぬ」「自分が犯人なら誰にも言わない」と告げ去っていきます。証拠となる車を海に処分するのに失敗したビビアンは、自らの生死をかけて車に乗り込み海へ突っ込みます。
渦のネタバレあらすじ:転
奇跡的に海から生還したビビアンは、新聞の会葬案内から自身がひき逃げした男の遺体がある安置所を訪れます。そこで男の息子エヴィアンと出会ったビビアンは男の隣人だと偽り、なりゆきで彼と共に男の職場である鮮魚店に向かいます。皆から慕われていた男の死を悼む同僚たちは、男を殺した犯人を許さないと怒りをあらわにします。良心の呵責に陥るビビアンは、エヴィアンの父の遺品整理を手伝います。真実を隠すビビアンと、何も知らないエヴィアンが互いに好意を持ち始めます。父の遺灰と共に飛行機で帰路に着くエヴィアンに、ビビアンは自分の想いを伝えます。想いが通じ合った2人は、身も心も一つとなります。
渦の結末
翌日エヴィアンは、自分の乗るはずだった飛行機が墜落し、全員死亡という新聞記事を目にします。ビビアンとの運命の出会いに感謝するエヴィアンに、彼女はとうとう真実を告白します。愕然とするエヴィアンは、バーで酒を飲みながら見知らぬ男に「父を殺した女に恋をした。どうしたらいい。女は俺に殺されたがってる」と訊ねます。男は、「なんの問題があるのか」「女は死にたいんだ。結婚をして後は口を閉ざせ、特にバーでは」と告げ去っていきます。その男は以前ビビアンが地下鉄で、殺人を告白した男と同一人物だったのです。悩みながらも運命共にすることとなった2人は、ノルウェーの海にエヴィアンの父の遺灰を撒きます。
以上、映画 渦 官能の悪夢のあらすじと結末でした。
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