ギャングスター・ナンバー1の紹介:2000年イギリス,ドイツ映画。30年の刑を終えフレディが出所した。人づてに知ったギャングスターは、フレディに出会った日から今までの記憶に思いを馳せる。
監督:ポール・マクギガン 出演:ポール・ベタニー(若きギャングスター)、マルコム・マクダウェル(55才のギャングスター)、デヴィッド・シューリス(フレディ・メイズ)、サフロン・バロウズ(フレディの婚約者カレン)、ほか
映画「ギャングスター・ナンバー1」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ギャングスター・ナンバー1」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ギャングスター・ナンバー1の予告編 動画
映画「ギャングスター・ナンバー1」解説
この解説記事には映画「ギャングスター・ナンバー1」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ギャングスター・ナンバー1のネタバレあらすじ:起・フレディの出所
ボクシング会場に集まるギャングたちたちの中で、かつての大物フレディ・メイズが出所したと言う噂が流れた。それを聞いた主人公は30年前を思い出した。
1969年、ビリヤード場にいた彼は、フレディに会えと言われてアジトのマンションへ行った。警察から惨殺者としてマークされているフレディは、リッチで上品な男で、野心のある主人公はフレディの手下になった。フレディに身なりを整えるようにお金を渡され、髪を切りスーツに身を包み、いわゆる掃除屋、取り立て屋として働き始めた。しかし、行き過ぎた取り立てをしたため、対立しているレニー・テイラーの関係者に怪我を負わせてしまい、レニーの手下によってフレディの店は放火されてしまった。
フレディはレニーとの抗争は避けたかったが、フレディに憧れ心酔する主人公は隠れてレニーの手下へ報復をした。
ギャングスター・ナンバー1のネタバレあらすじ:承・フレディとカレン
ナイトクラブで働いているカレンの楽屋でも、フレディの紳士ぶりは噂になっていた。ある夜、主人公を連れ食事に来たフレディの席で同僚のメルと相手をするように言われたカレンは、あくまで紳士的に接してくれるフレディに好感を抱き、本業が歌手だと打ち明けると、『フレディ』と言うタイトルの歌を歌ってくれるように乞われステージに立った。そしてそれまで浮名を流したフレディはカレンと恋に落ち、彼女はアジトのマンションに出入りし、結婚の話まで出た。主人公それが気に入らなかった。
そんな折、仲間のエディがレニーと一緒にいるのを見かけた主人公、仲間のローランドとエディを問い詰めレニーがフレディを殺す気でいる事を知った。そしてフレディ殺害計画を一緒に聞いたローランドを殺し首なし死体で打ち捨て、計画の情報を独り占めした。
ギャングスター・ナンバー1のネタバレあらすじ:転・フレディの座を狙って
ローランドがアジトに来ずに心配する面々は、黒人の首なし死体がローランドで、レニーたちが報復でやったのではと疑い出した。それでも抗争を避けたいフレディは、後二日待つと言って聞かなかった。
しかしその二日のうちに、フレディはカレンといる所をレニーの手下たちに襲われ、カレンは首を掻き切られ、フレディは腹を撃たれた。計画を事前に知り、その一部始終を見ていた主人公は、レニーの家に乗り込み、斧と肉切り包丁で彼を惨殺した。
仲間のトミーに呼ばれ病院へ行くと、フレディが襲われ、一命はとりとめたものの重体、さらに警察がレニー殺しの容疑かけ彼を逮捕し、30年の刑を下した。
そして、計画通りに空いたフレディの座に、主人公は収まり新しい王になった。
ギャングスター・ナンバー1の結末:成功と名声の果てに
その後、蛮行の限りを尽くし、稼ぎ、フレディの嫌ったカジノを作り、瞬く間に主人公の配下は広がった。そして、コカインの売買でまた荒稼ぎをしているうちに99年になり、30年の刑期を終えたフレディが出所したことを人づてに知った。
主人公はエディを呼びつけ、フレディが刑務所の中で学位を取った事や、奇跡的に生き延びたカレンと結婚していたことを知った。それらを隠したエディに、自分かフレディのどちらかを殺さなければならなかったらどうするるか聞くと、エディは主人公を殺すと言った。
アジトにフレディを呼び出すと、以前と変わらない紳士なフレディがやって来た。結婚祝いに大金を渡そうとすると断り、主人公を拒絶した。そこで、主人公は、自分がフレディの襲撃計画を知っており、レニーを殺し陥れたことを明かし、自分を殺すように懇願したが、自分はただの老いた男だと言って去った。残された主人公は、その夜、お金を燃やし、「ナンバーワン」と叫びながらマンションの屋上から飛び降りた。
以上、映画「ギャングスター・ナンバー1」のあらすじと結末でした。
ギャングスター・ナンバー1のレビュー・考察:主人公は何者なのか
主人公には名前が無い。周りの誰も彼の名前を呼ぶことがなく、その名前は最後まで明かされない。作中で自問自答しているが、彼が何者なのか、誰なのか、見ている側も分からない。彼を彼たらしめているのは、ギャングとしてトップに立つ野心と、フレディに憧れ、彼のようになりたいという思い。しかし、その憧れは、カレンの登場によってひびが入り始めしまいには自ら壊してしまう。憧れていたからこそ、裏切られたと思った時に感じる憎しみは人一倍だったかもれない。ギャングからすっかり足を洗って出所しつつも昔と同じ紳士的な身なりで現れたフレディに、すべてを明かし殺してくれるように頼んだのも、それが叶わず自滅の道を辿ってしまったもの、何者であるか判然としない自身のアイデンティティがフレディへの憧れで出来ていたのだと考えると、彼の選んだ結末に納得がいく。
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