ビヨンドの紹介:1981年イタリア映画。さびれたホテルの地下は地獄への入り口。鎖にえぐられる肉、硫酸で溶ける顔、飛び出す眼球。イタリアを代表するホラー映画の巨匠の一人であるルチオ・フルチ監督による名作の一つ。ルイジアナ州とローマで撮影される。本作と同じく地獄への入り口をモチーフとした『地獄の門』に続き、カトリオーナ・マッコールが主演。
監督:ルチオ・フルチ 出演者:カトリオーナ・マッコール(ライザ・メリル)、デヴィッド・ウォーベック(ジョン・マッケイブ)、サラ・ケラー[シンツィア・モンレアーレ](エミリー)、アントニー・セイント=ジョン(シュワイク)その他
映画「ビヨンド」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ビヨンド」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ビヨンドの予告編 動画
映画「ビヨンド」解説
この解説記事には映画「ビヨンド」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ビヨンドのネタバレあらすじ:起.壁に埋められた男
1927年のある夜、ルイジアナ州にあるセブン・ドアーズ・ホテルにたいまつを掲げた男たちが舟や自動車で押し寄せる。彼らは滞在客の画家シュワイクを、凄惨なリンチを加えた上で地下室の壁の中に埋め込んだ。
1981年。ニューヨークに住んでいたライザが叔父の遺産として、閉鎖されていたセブン・ドアーズ・ホテルを相続した。営業再開に向けて改修工事を進めるが塗装工が謎の転落事故で病院送りになる。続いて配管工のジョーが地下室で死ぬ。ジョーの死体と共にシュワイクの死体も54年ぶりに発見される。一方、ライザは盲導犬を連れた若い女性、エミリーに橋の上で自動車を停められる。彼女の家に導かれたライザは、ホテルを手放してこの土地を去るように言われる。
ビヨンドのネタバレあらすじ:承.生き返る死体
病院の死体安置室でジョーの妻が悲鳴を上げる。それを聞いてその部屋に入った娘のジルが見たのは、床に倒れて硫酸に顔を溶かされつつある母親だった。さらにジルは生き返った死体に襲われる。
両親の葬儀で目をつむっているジル。エミリーと同じ濁った白い眼になっていた。
エミリーは、今度はホテルに現れてライザに全てを語る。60年前このホテルから人がシュワイクを残して皆消えてしまった。シュワイクはここで地獄の門の鍵を発見した。このホテルは七つある地獄の門の一つの上に立てられていた。だが、エミリーはシュワイクが帰ってきたことを感じて逃げ去る。
ビヨンドのネタバレあらすじ:転.エイボンの書
エミリーの警告にもかかわらず、シュワイクが住んでいたという、封鎖されていた36号室にライザは入ってしまう。そこで彼女は『エイボンの書』という本を見出す。そして磔にされたシュワイクの姿を見て悲鳴を上げる。ちょうどホテルを訪れた、塗装工の事故で知り合って仲良くなったジョン・マッケイブ医師と共に36号室に入り直した時、シュワイクはもちろん、『エイボンの書』も消えていた。
ライザが訪れたエミリーの家――実は50年人の住んでいない廃屋――を調べに行ったマッケイブは『エイボンの書』を発見する。その本では「呪われた7つの土地に隠された7つの恐るべき門」のことが書かれていた。「地獄の門が開くとき死者が地上を歩く」。マッケイブは死体安置所のシュワイクの死体に本にあるのと同じ記号を見出す。
ビヨンドの結末:地獄の門が開くとき死者が地上を歩く
エミリーは家にシュワイクが来たのを感じる。私は戻りたくない、私は言われたことはしたと叫ぶエミリー。盲導犬にゾンビたちを襲わせて彼らを追い払ったと思ったが、盲導犬が彼女の喉や耳にかみつき肉を食いちぎる。
この間、ライザの下で働くマーサとアーサーの姉弟は既にホテル内で神出鬼没のゾンビたちに襲われて命を落としていた。ライザはホテルの地下室でゾンビと化したアーサーに足をつかまれる。上の階に逃げた時はマッケイブが来ていた。二人は嵐の中を自動車で病院へ逃げる。なぜか街にはひと気が全くなくなっていた。そして、病院でもゾンビたちに襲われる。ここにはハリス医師とジルをのぞいてゾンビしかいないようだった。そのハリスも間もなくガラスの破片を浴びて死に、ジルもライザの顔をつかんで邪悪な本性を見せたためにマッケイブの銃で頭を撃ちぬかれる。
ライザとマッケイブは病院の階段を下りて逃げるが、なぜかホテルの地下室に出てしまう。二人は歩きつづける。いつしか二人はシュワイクが描いた地獄図の世界にいた。エミリーやジルと同じ濁った白い眼をして。
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