スモークの紹介:1995年アメリカ,日本映画。アメリカの作家ポール・オースターの短編「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」を基に作られた映画です。小さな煙草屋を取り巻くそれぞれの人間に焦点をあてながら、第一章から第五章で構成された作品。1995年ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員特別賞)受賞した不朽の名作です。
監督:ウェイン・ワン 出演:ハーヴェイ・カイテル(オーギー・レン)、ウィリアム・ハート(ポール・ベンジャミン)、ハロルド・ペリノー(ラシード・コール)、フォレスト・ウィテカー(サイラス・コール)、ストッカード・チャニング(ルビー・マクナット)ほか
映画「スモーク」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スモーク」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
スモークの予告編 動画
映画「スモーク」解説
この解説記事には映画「スモーク」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スモークのネタバレあらすじ:起
ブルックリンにある小さな煙草屋で店主をしているオーギー・レンは、10年間同じ時間・場所で写真を撮り続けています。その店の常連であるポール・ベンジャミンは有名な作家です。しかし、妻を亡くして以来、執筆が出来なくなってしまいました。ある時、ポールが交通事故にあいそうなところをラシード・コールという黒人の少年に助けてもらいました。ポールはどうしてもお礼がしたいと頼みます。数日後、ポールの家に命の恩人ラシードがやってきました。ポールはこの前のお礼にと快く家に泊めてあげます。しかし、ポールはラシードがいることにより、ただでさえ進まない執筆がさらに進まなくなり、イライラがとまりません。ラシードに謝り出てってもらうことにしました。泊まっている間にラシードは、母親とは死別して、父親は蒸発してしまったことを告げます。そして、ある不良から盗んだ大金をこっそりポールの家の本棚に隠しました。その不良はラシードを探しに、ポールの家を訪ねてきます。そして、ポールは不良たちに暴力をされて大怪我をします。しかし、不良たちは大金に気づくことなく立ち去っていきました。
スモークのネタバレあらすじ:承
その頃、ラシードはしょぼくれた車の修理屋の前で、そこで働いている右腕が義手の黒人の男を観察していました。その男は「なぜ俺をみているのか」とラシードに尋ねます。実はその黒人の男の名前はサイラス・コールといい、ラシードの実の父でした。ラシードはここで働かせてほしいと頼みます。そして、ラシードは実の父親に自分の本当の存在を隠すために、作家のポール・ベンジャミンの名前を借りて、ここで働くことになりました。その時サイラスには新しい家族がいました。
ラシードはその他に、オーギーの店でも働いていました。ある日、ラシードのミスで、オーギーが貯めていた貯金を無駄にしてしまいました。オーギーはとても怒ってしまいました。そこで、ラシードは自分が不良から盗んだ大金をオーギーに渡し、許してもらうことにしました。なぜこんな大金をもっているのか疑問に思いつつも、オーギーはラシードからその大金を受け取り、この問題は解決しました。
スモークのネタバレあらすじ:転
場面は変わって、オーギーの元に昔の彼女のルビー・マクナットが現れます。彼女は18年前にオーギーとの子供を内密に出産していたのこと。その子供、フェシリティが麻薬中毒で子供を妊娠したため、オーギーに金銭的援助を求めました。しかし、そんな簡単にオーギーはそのことを受け入れることができませんでした。数日たって、またルビーが彼の店に現れます。そして無理やり、フェシリティに会わせようとしました。ルビーは、フェシリティが実の父親をみて、彼女とお腹の子のためにも生活を改めてくれないかと考えたのでした。しかし、そんな希望は夢に終わり、中絶したことを告げられて、罵声を浴びせられ、悲しみのどん底へと突き落とされたのでした。その帰り、オーギーはラシードからもらった大金をルビーに渡します。ルビーは涙を流しながら喜びました。
スモークの結末
ポールはニューヨークタイムズでクリスマスをテーマに執筆する仕事に息詰まっていました。そこで、オーギーにランチをおごって助けてもらうことにしました。オーギーはあるクリスマスにこんな経験をしたと言います。
当時働いていた店で万引きがあり、その犯人は財布を落として逃げていきました。財布の中には母親の写真があり、オーギーは自然と万引きに対する怒りは消えていきました。そして、あるクリスマスの夜、万引き犯の財布にあった免許証の住所にいくことを考えます、そこには盲目のおばあさんがいました。彼女はオーギーを息子と勘違いしたために、おばあさんとクリスマスを祝うことになりました。あばあさんはいつもよりワインをたくさん飲んだので、ぐっすりと眠ってしまいました。オーギーはトイレに行くと、新品のカメラがあることに気づきました。そして、無意識にそのカメラを盗み、その場を立ち去りました。オーギーはそれまで一度も盗みをしたことはありません。それから、彼は使命感のように毎日同じ時間・場所で写真を撮り続けているのです。
「スモーク」感想・レビュー
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世界観も素敵だし、出てくる俳優の人たちの演技もぴか一だし、ストーリーも脚本もすばらしい、個人的には完璧な映画です。世の中が本当にこんな人たちであふれていたら、もっといい世界になるんじゃないかなと思います。絶妙の良いポイントでトムウェイツの曲がかかるので、そこで泣いちゃうんだよな。
もう何回見たかわからないくらい、繰り返し見ています。
いわゆる感動の名作!とキャッチコピーがつけられてる映画では泣くことはありませんが、この映画のオーギー・レンのクリスマスストーリーの場面では、必ずうるっときてしまいます。
各々の事件の話も面白いですが、オーギーと煙草屋の客の何気ないやり取り、日常のシーンが1番好きです。この映画を見て、ハーヴェイ・カイテルのファンになりました。
ブルックリンの街並みもとても素敵です。
姉妹作に、「ブルー・イン・ザ・フェイス」がありますが、あちらはどちらかというとコメディよりです。