オペラ座/血の喝采 完全版の紹介:1988年イタリア映画。若く美しい新人オペラ歌手が、大抜擢されて大きなステージに立つ。その夜から、彼女の周囲で不気味な殺人が次々と発生。犯人は意外な人物だった…。「サスペリア」で知られるイタリアン・ホラーの巨匠、ダリオ・アルジェントが80年代に制作したグロテスクな惨劇ホラー。ゴージャスで華やかなオペラ界の陰でうごめく、恐ろしい悪夢が描かれる。日本公開当時にはカットされていた、約12分のシーンを追加した完全版。
監督:ダリオ・アルジェント 出演者:クリスティナ・マルシラック(ベティ)、ウルバノ・バルベリーニ(アラン)、イアン・チャールソン(マーク)、ダリア・ニコロディ(ミラ)、ウィリアム・マクナマラ(ステファノ)、コラリーナ・カタルディ・タッソーニ(ギルダ)、フランチェスカ・カッソーラ(アルマ)ほか
映画「オペラ座/血の喝采 完全版」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「オペラ座/血の喝采 完全版」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
オペラ座/血の喝采 完全版の予告編 動画
映画「オペラ座/血の喝采 完全版」解説
この解説記事には映画「オペラ座/血の喝采 完全版」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
オペラ座/血の喝采 完全版のネタバレあらすじ:起
イタリアのミラノ。オペラ劇場のスカラ座で、ヴェルディ作曲「マクベス」のリハーサルが行われています。舞台監督のマークは、何羽ものカラスをステージに放つという斬新な演出を考えていました。しかし主演のオペラ歌手マーラは、マークの演出に真っ向から異議を唱えます。舞台で本物のカラスを使うなんてとんでもないとわめき散らすと、劇場を飛び出してしまいます。報道陣に追われて道路に出たマーラは、そこに来た車にはねられ病院に運び込まれます。入院を余儀なくされたマーラは、舞台を降板。マーラの代役に選ばれたのは、新人のソプラノ歌手ベティでした。突然の大抜擢に、喜びよりも戸惑いのほうが大きなベティ。「マクベスのオペラは不幸をもたらす」というジンクスを信じていた彼女は、マクベス以外のオペラでデビューしたいと主張します。しかし、女友達のミラは「あなたのお母さまもきっと喜ぶはず」と強く背中を押します。今は亡きベティの母親もまた、有名なオペラ歌手だったのです。
オペラ座/血の喝采 完全版のネタバレあらすじ:承
マクベスの初日。緊張いっぱいのベティが、大勢の観客を前に歌い出しました。その途端、上から大きな照明器具が落下。客席は騒然となり、演奏が中断されます。何者かが上部にいたスタッフを殺害し、照明が落ちてきたのです。混乱がおさまると舞台は再開。ベティの歌声は大絶賛を浴びました。楽屋に戻ったベティに、アランという男がサインを求めてきます、自分のファンだと感激するベティですが、実はアランは照明の事故を調査に来た警官でした。その夜、照明スタッフを襲ったあの謎の男が劇場に現れます。フードをかぶって顔を隠した男は、ガラスケースに仕舞われていたベティの舞台衣装を手にとりナイフで切り刻みます。そして籠に入れられていたカラスにも刃物をつきたて、何羽も殺していきます。真夜中、打ち上げパーティを終えたベティは、助監督の青年ステファノに誘われ、ステファノの伯父が所有する豪邸でベッドを共にします。そこにまたあの男が現れます。ベティを柱に縛ると、彼女の目の下にテープで針をとめます。まばたきすると、針がまぶたを貫くよう細工をしたのです。男はステファノを殺害。それを見たベティは必死で屋敷を逃げ出します。ベティは、ステファノが殺されたことをマークに話します。奇妙なことにベティは子供の頃、あのフードをかぶった男を夢で見たことがあったのです。事件を知ったアランは、ステファノ殺害の調査を開始します。マクベスの公演は続行されることになり、衣裳係のジュリアがズタズタになったベティの衣裳を直すことになります。衣装室にいたベティとジュリアに、再びあのフードの男が襲いかかります。ジュリアはハサミで惨殺されますが、男はベティを殺さずに姿を消します。
オペラ座/血の喝采 完全版のネタバレあらすじ:転
ベティの身を案じるアランは、ベティのアパートに部下のソアベを送りこみます。ところが、ベティがソアベだと思って部屋へ入れたのはフードの男でした。ベティに会いに来ていたミラが、男に拳銃で撃ち殺されます。逃げ回る部屋の中で、ベティは本物のソアベの死体を発見して混乱に陥ります。その時、壁の通気口から知らない少女が顔を出します。少女の名はアルマといい、同じアパートの住民でした。ベティの歌声が好きだったアルマは、しょっちゅう通気口に忍び込んでベティのことを見ていたのです。通気口からアルマの部屋へ避難したベティは、アパートを出て劇場へと向かいます。劇場にいたマークは、犯人は明日の公演に来るはずだから捕まえてみせるとベティを力づけます。翌日、ベティは動揺を隠せない様子で舞台に立ちます。歌の途中、何羽ものカラスが入った大きな檻がステージに落ちてきます。檻から出たカラスは客席を狂ったように飛び回り、1人の観客に襲いかかります。それは警官のアランでした。錯乱したアランは拳銃を発砲し、混乱に紛れてベティを捕まえ楽屋の一室に閉じこもります。実はアランはベティの母親の恋人でした。ベティの母親を深く愛していたアランは、その残酷な愛情に応えるため、自ら奴隷となって殺人を犯してきたのでした。
オペラ座/血の喝采 完全版の結末
アランの望みは、ベティの手によって死ぬことでした。アランはベティを椅子に縛り、拳銃を握らせると部屋にガソリンを撒きます。マッチの火で部屋が燃え出し、ベティは恐怖に震えあがります。アランは「私が君の母親を殺した」と告白し、自分の命も奪ってほしいと懇願します。やがてアランは炎に包まれ、ベティは必死で燃え盛る部屋から脱出します。事件は解決したかに思われました。ベティはマークと共にマクベスのパリ公演も大成功させます。ようやく穏やかな日々が戻ってきたと思った矢先、マークはテレビのニュースを見て愕然とします。オペラ座殺人事件で新たな真実が見つかる。焼死体で見つかったのはアランではなく、マネキンだった―――。その直後、ベティとマークが過ごしている自然の中のコテージで、メイドの女性が殺害されます。マークはベティに、アランがここに来ていること、早くここから逃げ出すことを伝えます。マークの予想通り、いきなり現れたアランはマークをナイフでめった刺しにして殺します。その光景を目の当たりにしたベティは、アランにすりより「一緒に逃げましょう」とつぶやきます。予想外のベティの言葉にアランは喜び、ベティに導かれるまま走って行きます。アランの隙を見たベティは、その後頭部を石で殴り転倒させます。そこには警察犬と大勢の警官が待っていました。アランは取り押さえられ、絶望の表情でベティを見つめます。ベティはとっさに嘘をつき、アランをだましたのでした。悲劇が終わりベティは1人、草花と戯れます。小さなトカゲを見つけると、「さあ行きなさい。これで自由よ」と微笑みかけます。
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