バーバーの紹介:2001年アメリカ映画。無口な理髪師エド、妻の不倫にも素知らぬふりだった彼が、とある出資話に乗ろうとするところから彼の人生は目まぐるしく変わっていく。こちらの作品は、劇場公開のモノクロ版と、DVDでカラー版が出回っています。
監督ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン 出演:ビリー・ボブ・ソーントン(エド・クレイン)、フランシス・マクドーマンド(ドリス・クレイン)、ジェームズ・ガンドルフィーニ(ビッグ・デイヴ)、アダム・アレクシ=モール(カーカノグス)、マイケル・バダルコ(フランク)、キャサリン・ボロウィッツ(アン・ナードリンガー)、リチャード・ジェンキンス(ウォルター・アバンダス)、スカーレット・ヨハンソン(バーディ・アバンダス)、ほか
映画「バーバー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「バーバー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「バーバー」解説
この解説記事には映画「バーバー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
バーバーのネタバレあらすじ:起・床屋のエド
義弟の店で働く、無口な理髪師エド。彼は今日もしゃべり続ける義弟の横で淡々と仕事をこなしている。妻のドリスはデパートの帳簿係をしていて、デパートの商品でいつも身ぎれいにしている。たまに、そこの店長のデイヴとアン夫人を家に招き接待をする時があった。そこでエドはドリスとデイヴの浅からぬ仲に気づいていた。
ある日閉店後の店にお客がやって来た、エドが相手をすると言って、フランクは先に帰った彼は起業家でこの町まで出資者を募りに来たと言って、ドライクリーニングの説明を彼にした。
ドライクリーニングと言う新しい清潔産業に興味を持ったエドは、出資を申し出、必要な資金は、デイヴに不倫をばらされたくなければお金を出すようにと脅迫状を送った。エドはお金が支払われるのを待ったが、その前にデパートで行われたパーティーに妻と同席した際に、デイヴに脅迫状の事と彼がドリスを使って店の金を横領していた事を打ち明けた。
パーティー会場に戻りたくない彼は楽器売り場でピアノを弾く少女に出会った。彼女はお得意様の娘のレイチェルだった。
バーバーのネタバレあらすじ:承・思惑は思わぬ方向へ
デパートの支店を出す話は流れ、デイヴが指定の場所に置いて行ったお金を持って、エドは、トリヴァーとパートナー契約を結んだ。
翌日、気の進まないドリスを連れて、親戚の結婚式にいった。酒を飲まなければやっていられず、泥酔状態の妻をエドは連れ帰った。エドとドリスはダブルデートで出会い、二週間で結婚、そんな独白をしている最中に電話が鳴り、デイヴから急ぎでデパートの社長室へ呼び出された。
そこで、今回の脅迫の件について、トリヴァーの元を訪れ殴り倒したと言い、更にエドのサインを見つけ、不倫の内情を知っているだろうとエドを殴り首を絞めた。エドは咄嗟に持っていた小型のナイフでの首を刺した。
翌日、通常通りに営業していると、刑事がやって来て、ドリスが金の流用と殺人容疑で逮捕されたと刑事が告げに来た。
バーバーのネタバレあらすじ:転・ドリスを助けるために
エドはドリスを助けるために、高いけれど有能な弁護士を紹介してもらい、弟のフランクは店を抵当に入れ、弁護士代を工面した。
拘置所で面会しても、ドリスがわかるのは帳簿の事だけで、殺人についてはもちろんわからなかった。
ある夜、デイヴの妻アンがエドの元を訪ね、今回夫が殺されたのは、夫が宇宙船を見てしまい、それを政府が隠蔽するためだと突拍子もない事を言って帰って行った。もちろんエドはそれが違う事は百も承知している。
弁護士のリーデンシュナイダーは、調査の手がかりをくれと、公判前の準備に忙しかった。
調査の手がかりをくれ。そして、エドが殺したのは自分だと言っても、動機もはっきりしない、かばい合うのよせと取り合ってくれない。そして、唯一の手がかりになるはずだった起業家トリヴァーはホテルから消え、名刺のアパートからも消え、お金も消えていた。
お金も、妻も失いそうなエドは、ウォルターの家でレイチェルのピアノを聞くのが唯一の安らぎだった。そして、彼女をプロにする手助けをする第二の人生を思い描いた。
リーデンシュナイダーはデイヴの過去を洗い出し、真犯人がわかっていない今はドリスが犯人でない事を照明さえすればいいと公判での弁論の方針を決めた。
しかし、公判当日、ドリスは首を吊り、免訴となってしまった。
バーバーの結末:エドの知った真実と歪められた真実
義弟のフランクは店に来なくなり、エドが店主になった。
そんなある日、検死官がやって来て、ドリスは妊娠三ヶ月だったと告げた。何年も夫婦関係のない彼にとって、まぎれもない妻の不倫の証拠だった。
エドは、妻とのことから目を背けるようにレイチェルがプロになる手助けを始めようと、手始めに、名高い指導者の元へ彼女を連れて行った。しかし彼女の演奏はお行儀がいいだけで音楽としては最低だと言われてしまった。その帰り、車の中でレイチェルにキスをされたエドはハンドルを取られ事故を起こしてしまった。幸いレイチェルは軽いけがで済んだが、エドにはトリヴァー殺害容疑での逮捕が待っていた。川から殴り殺されたトリヴァーが見つかり、彼の契約書にエドのサインがあったからだった。
妻の時と同じ弁護士を雇うが、フランクの殴り込みで審議は停止。州の弁護士は役に立たず、エドは電気椅子への道が待っているだけだった。
彼はその半生と、事の真実を雑誌に書き綴っていた。
そして刑は執行された。
以上、映画「バーバー」のあらすじと結末でした。
バーバーのレビュー・考察:とある男の手記
独白と言う形式はめずらしくはない。特にエドのような無口な男の独白と言うのは、現実世界でしゃべっていない分、コントラストを持ってこちらに迫ってくる。そして、なぜ無口であるはずの彼がこんなに饒舌に、仔細を語るのか、という疑問は、この独白が実は電気椅子に掛けられる前の、彼の最後の手記だったと言う仕掛けが明かされ、その饒舌さにも納得がいく。
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