エレジーの紹介:2008年アメリカ映画。教え子である女子大生コンスエラに恋をした大学教授デヴィッド。二人の関係はやがて恋愛に発展していきますが、コンスエラを愛すれば愛するほどデヴィッドは深い不安に苛まれていきます。30歳ほども年の離れた男女の恋愛模様を官能的に綴ったラブストーリーです。
監督:イザベル・コイシェ 出演者:ペネロペ・クルス(コンスエラ・カスティーリョ)、ベン・キングズレー(デヴィッド・ケペシュ)、デニス・ホッパー(ジョージ・オハーン)、パトリシア・クラークソン(キャロライン)、ピーター・サースガード(ケニー・ケペシュ医師)、ほか
映画「エレジー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エレジー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
エレジーの予告編 動画
映画「エレジー」解説
この解説記事には映画「エレジー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エレジーのネタバレあらすじ:起
大学教授のデヴィッドは地位も名声も手に入れ、自由気ままに恋愛を楽しんできた初老の独身男性です。窮屈な結婚生活に耐えられなかったデヴィットは妻と息子のケニーを捨て、今は20年来のガールフレンド、キャロラインと身体だけの関係を続けています。ある日デヴィッドは講義をするクラスで女子学生のコンスエラと出会い、完璧な美貌を持つ彼女に心を奪われてしまいます。そしてテスト採点後に開かれた大学のパーティでさりげなくコンスエラに近づきます。デヴィットはコンスエラがオペラが好きだと知り、演劇を一緒に見に行かないかと誘います。デヴィットはすぐにでも彼女と寝たいと考えていましたが、厳格な家庭で育ったコンスエラを落とすにはまずロマンティックな演出が必要であると思ったのです。デヴィットを教師として崇拝するコンスエラはデートの誘いに喜んで応じます。そして演劇を見に行った帰り、デヴィットはコンスエラを自宅に招き入れます。ピアノ演奏を披露し、芸術について語りあい、いいムードになった二人はその夜ベッドを共にします。
エレジーのネタバレあらすじ:承
デヴィットからコンスエラの話を聞かされていた友人のジョージは二人の関係がすぐ終わると思っていました。二人は年が離れすぎており、若いコンスエラは初老の男では満足できなくなるはずだと。しかしジョージの予想に反して二人の関係は続いていきます。デヴィットはコンスエラの身体を芸術品のようだとほめたたえ、コンスエラもまた大人の知性と魅力を兼ね揃えたデヴィットに強く惹かれていきます。ジョージからは彼女に棄てられる前に自分から振るべきだと忠告されますが、デヴィットは別れを告げる勇気さえなく、身も心もコンスエラに溺れていきます。昔寝た男の話を聞けば嫉妬心が燃え上がり、逢わない日も始終彼女のことを考えずにはいられなくなっていきます。ある日コンスエラをディナーに誘いますが、弟とクラブに遊びに行く約束をしていると断られてしまいます。コンスエラの浮気を疑うデヴィットは偶然を装ってクラブまで様子を見に行きますが、コンスエラはなぜ信用してくれないのかと憤りを見せます。デヴィットは今度こそ彼女に愛想をつかれたと落ち込みます。そして次の日別れを告げられる覚悟で彼女に会いに行きますが、コンスエラは自分を大切に思うならば、独占欲で縛り付けるのではなく、未来をきちんと考えて欲しいと告げるのでした。
エレジーのネタバレあらすじ:転
デヴィットはコンスエラを深く愛する一方でキャロラインとの関係も断つことはできません。ある日部屋にやってきたキャロラインはコンスエラの忘れ物を発見し、他にも寝ている女がいるのかとデヴィットに詰め寄ります。キャロラインを失いたくないデヴィッドはついその場しのぎの嘘をついてしまうのでした。コンスエラと出会って二年近くが経とうとしていました。デヴィッドとの将来を真剣に考えているコンスエラは何とかして彼を両親に紹介したいと思っていますが、デヴィッドの態度は煮え切りません。コンスエラに押し切られる形で彼女の両親も参加する卒業パーティーに出席する約束をしますが、デヴィッドは直前になって尻込みしてしまいます。デヴィッドの到着を心待ちにするコンスエラに電話で車が故障してしまったとまたしてもその場しのぎの嘘をついてしまいます。彼の嘘をすぐに見抜いたコンスエラはデヴィッドに心底絶望し、ついに別れる決意をするのでした。そんな中家庭生活に悩む息子ケニーがデヴィッドを頼って訪ねてきますが、今まで息子との接触を避けてきたデヴィットは父親らしいアドバイスをすることさえできません。コンスエラから別れを告げられたデヴィッドはすっかり元気をなくし、塞ぎこむ生活が続きます。ジョージはそんな彼を励まし、詩の朗読会の紹介役を務めてもらいないかと頼みます。デヴィットはジョージの詩人としての功績を讃える紹介文を考え、朗読会で素晴らしいスピーチをします。しかし朗読会の主役であるジョージは舞台上で倒れ、突如帰らぬ人となってしまうのでした。
エレジーの結末
親友を失ったデヴィッドはこれまでの身勝手な生き方を省みるようになります。息子ケニーとも恐れず向き合うようになり、キャロラインにはコンスエラという愛する女性がいたことを告白します。さらに快楽だけを追い求めてきた人生を後悔していると打ち明けられたキャロラインは初めてデヴィッドの心の内を見た気がしたのでした。それから二年が経ちました。デヴィッドはコンスエラへの未練を断ち切ろうと仕事に打ち込む日々が続いていました。大晦日の夜帰宅すると電話にコンスエラからの伝言が残されていました。彼女の声を久しぶりに聞いたデヴィッドは歓喜しますが、一方で結婚の報告ではないかという不安もよぎり始めます。勇気を出して電話したところ彼女は車でニューヨークを彷徨っていたところだと言います。コンスエラの様子がどこかおかしいと感じたデヴィッドは彼女を自宅へと呼び寄せます。部屋にやってきたコンスエラは乳がんを患っていて、手術をする予定であることを告白します。デヴィッドは困惑し、どうしてすぐに教えてくれなかったのかと泣き出してしまいます。コンスエラはメスが入れられる前の身体を撮ってほしいと頼み、デヴィッドは彼女の美しい裸体を被写体に収めます。二人は新年を一緒に迎えます。医師であるケニーにコンスエラの病状を調べてもらったところ極めて深刻な状況であることが分かりました。デヴィットは手術を終えた彼女を見舞います。ベッドに横たわるコンスエラは乳房を全部摘出されてしまったことを告白し、美しさを失ってしまったとつぶやきます。彼女は死が迫っていることを予感していました。デヴィットは絶望するコンスエラを優しく抱き寄せるのでした。
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