スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火の紹介:1989年アメリカ映画。人体自然発火現象を扱うSFホラー作品。1955年、ひと組の夫婦が抗放射能薬の人体実験に参加した。実験は成功したかに見えたが、夫妻は息子サムが産まれた直後に突然発火し、死亡してしまう。何も知らされないまま成長したサムは、指先から炎が噴き出したのをきっかけに自分の過去を調べ始め、おぞましい真実を知ることになる。監督は「悪魔のいけにえ(1974年)」や「ポルターガイスト(1982年)」等で知られる鬼才トビー・フーパー。
監督:トビー・フーパー 出演者:ブラッド・ドゥーリフ(サム)、シンシア・ベイン(リサ・ウィルコックス)、ジョン・サイファー(ドクター・マーシュ)、メリンダ・ディロン(ニーナ)、ウィリアム・プリンス(ルー・オランダー)ほか
映画「スポンティニアス・コンバッション」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スポンティニアス・コンバッション」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火の予告編 動画
映画「スポンティニアス・コンバッション」解説
この解説記事には映画「スポンティニアス・コンバッション」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火のネタバレあらすじ:始まりの実験
舞台は1955年、ネバダ砂漠の水爆実験場。新しい放射能防御計画に、若い夫婦が挑もうとしていました。夫はブライアン・ベル、妻はペギー。2人は地下核シェルター内における、放射能に対する人体の耐性を高める実験の被験者でした。夫妻は数々のワクチンを投与され、シェルター内で爆発を体験しますが放射能は検出されませんでした。実験は成功し、ベル夫妻は一躍時の人となります。その後ペギーは男児を出産し、デーブと名付けました。デーブは体温が高いことと、手の甲に円形の腫瘍がある点を除いてはいたって普通の男の子です。ところが出産の後ベル夫妻は肉体の内側から発火し焼死してしまいました。実験に携わった軍部と科学者チームは、遺体と部屋の状況から人体自然発火(SHC)と判断。夫妻に与えた数々のワクチンが放射能と結合し、予期せぬ力が働いて発火したのだと考えました。
スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火のネタバレあらすじ:異変
孤児となったデーブはサムと名前を変えられ、両親のことを何も知らずに育ちます。30数年後、サムはカリフォルニア州で教師の職に就いていました。トリニダード・ビーチ原子力発電所が深夜0時に稼働する予定で、町は原発賛成派と反対派に二分されています。学校を出たサムは、自分の車に焦げた箱が置いてあるのを見つけました。中には懐中時計と、「私の息子へ」と書かれた古い手紙が入っています。サムは不思議に思いながらも、2年前に離婚した前妻レイチェルが待つカフェへ向かいました。彼女との仲はすっかり冷め切っていましたが、彼女の祖父であるルー・オランダーはサムの面倒を見てくれた恩人です。彼は原発の経営幹部でもある富豪でした。レイチェルとの会話で、知人女性が昨夜焼死したことを知りショックを受けるサム。レイチェルはお構いなしに店を後にし、サムは店員から支払いを迫られます。サムが苛立っていると、突如信じられないことが起こりました。指先から炎が噴き出したのです。サムは動揺しながら火傷した指を見つめました。校医のシンプソンに相談しますが仮病を疑われる始末で、サムはますます苛立ちます。
スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火のネタバレあらすじ:両親の幻影
帰宅したサムは、超心理学者パーソンズ博士のラジオ番組に耳を傾けます。話題は人体の自然発火現象についてでした。ラジオを聞きながら暖炉に火をつけると、揺れる炎の向こうに両親の姿が浮かびます。困惑するサムは恋人リサ・ウィルコックスのアパートを訪ねました。リサからシンプソンが焼死したことを知らされたサムは、「人間の自然発火だ」と呟きます。立て続けに知人が焼死し、自分の手からも炎が噴き出したことに不安を覚えるサム。リサの勧めで、ラジオ放送中のパーソンズ博士に相談してみることにします。サムは暖炉で見た両親の幻について話します。名前を聞かれたサムは「デーブ・ベル」と答えていました。すると突然痛みがサムを襲い、手の腫瘍が大きくなります。もっとパーソンズ博士に話を聞こうと思いラジオ局に電話をかけましたが、取り次ぎの技師は横柄な態度で相手にしてくれません。サムが激怒すると、炎が電話線を伝って技師を焼き殺しました。サム自身も腕から炎が噴き出し、体を焼いていきます。どうやら怒りがスイッチとなり発火するようです。リサは急いでサムを病院へ連れていきました。
スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火のネタバレあらすじ:実験の黒幕
車で移動中、リサはルーと知り合いだったことを打ち明けます。ずっと世話になっていた恩人で、サムと出会うようお膳立てしてくれたのもルーだと話すリサ。しかし何故か口止めされていて言い出せなかったそうです。サム達が病院に到着すると、駆けつけたのは知人でレイチェルの恋人でもある医師マーシュでした。診察室へ運ばれたサムは、どこかに電話をかけたマーシュが「これは“SHC”です」と言っているのを聞きます。そこにサムの古い友人でもある医師キャグニーが現れ、担当を代わりました。リサとマーシュが退室し、キャグニーも別室へ消えたため1人になったサムは、ラジオ局の技師が焼死したニュースを目にします。サムは急いでパーソンズに連絡を取り、ある女性の連絡先を聞き出しました。彼女は「デーブ・ベル」と名乗ったサムの放送を聞き、博士に連絡を入れてきたそうです。電話を切ったサムは、机の上にあった書類に目を通しますます混乱します。そこにはサムとリサの資料が集められていました。現れたキャグニーはサムの疑問には答えず、薬物を投与してサムを殺害しようとします。サムがキャグニーを押さえつけると炎が噴き出し、キャグニーは焼死しました。サムは火傷を負った体で病院を逃げ出します。パーソンズ博士から教わった女性の家を訪ねたサム。歓迎してくれた女性はニーナといい、サムの両親の親友でした。彼女は両親が被検体となった実験について話します。実験に携わった軍部や科学者チームは、シェルターでは放射能を防げないと分かっていました。彼らの本当の目的は、抗放射能薬の人体実験だったのです。そして実験にルーが大きく関わっていたと知り、サムはショックを受けました。入手した懐中時計がブライアンの遺品だと聞かされ、サムは能力を使って両親の復讐を果たそうとニーナの家を出ていきます。
スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火の結末:おぞましい企み
公衆電話でリサに連絡を取ったサムは、彼女も共犯者ではないかと疑っていました。リサは否定しますが、サムは感情を抑えられません。彼の怒りが炎となって電話線を伝わり、リサは手に火傷を負ってしまいました。サムは体のあちこちに火傷を負いながらルーの屋敷に踏み込みます。現れたルーは、平然とベル夫妻の実験は成功だったと話しました。そして更に衝撃的な事実を明かします。ルーはブライアンを買収し、実験中にペギーを妊娠させるよう命令していたというのです。目的は自然発火能力を有し、自在に核エネルギーをコントロールする人間兵器を生み出すこと。リサも同じく計画の産物で、彼女も発火能力を秘めているそうです。強力な人間兵器を望むルーは、サムにリサと子どもを作って欲しいとまで言い出しました。熱に浮かされたように「世界で最も洗練された核兵器だ」と話すルー。彼への怒りに満ちたサムは能力を使い、稼働直後の原子力発電所を攻撃します。サムの全身から凄まじい炎が噴き出し、ルーも飲み込んで燃え盛りました。一方、リサはアパートに侵入したマーシュに襲われていました。彼は自然発火能力を嫌悪し、リサを殺害しようとしているのです。その時リサも能力に目覚めてしまい、腕から噴き出した炎がマーシュを焼き殺しました。駐車場で待ち構えていたレイチェルにも殺されそうになりますが、そこにサムが現れます。彼は全身を重度の火傷に冒され、もはや顔の判別も出来ません。サムはレイチェルを焼き殺し、リサに「君の火を受け取るよ」と言いました。サムはリサの力を奪うことで彼女を助け、その代償として人の形を失い消えてしまいます。SHCから解放されたリサが天を仰ぎ、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火のあらすじと結末でした。
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