卵の番人の紹介:1995年ノルウェー映画。老いた兄弟の淡々とした日常と変化を描くドラマ作品。ファーとモーは昔から一緒に暮らしている兄弟。代わり映えの無い日々を長年送っていたが、ファーの息子コンラードがやって来たことで生活は一変する。
監督:ベント・ハーメル 出演者:スヴェレ・ハンセン(モー)、ヒエル・ストルモーン(ファー)、レーフ・アンドレ(コンラード)、ユーニ・ダール・ブロンダルほか
映画「卵の番人」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「卵の番人」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「卵の番人」解説
この解説記事には映画「卵の番人」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
卵の番人のネタバレあらすじ:2人の兄弟
舞台は1994年12月、ノルウェーの雪深い森の中。ぽつんと建てられた一軒家には、老齢の兄弟が2人きりで暮らしていました。兄はファー、弟の名前はモー。2人は昔からずっと一緒に暮らしていて、同じような毎日を送っています。朝起きて、ラジオを聞きながら、小さなテーブルで向かい合って食事をします。家にテレビはありません。2人並んで窓の外を見ながら、パイプを吹かしてとりとめのない話をします。宝くじを小さな楽しみにしていますが、特に贅沢はしません。クリスマスにはツリーを飾り、少しだけ豪華な食事を楽しみました。年が明けたある夜、スウェーデンのスモーランドから電話がかかってきます。応対したファーは驚きの声を上げました。昔、彼がスウェーデン旅行中に作った息子コンラードがやって来ることになったのです。彼の母親が重病で、面倒を見られなくなったからでした。ファーとモーはコンラードを歓迎するため、部屋を用意して到着を待ちます。数日が過ぎて、ついにコンラードがやって来ました。
卵の番人のネタバレあらすじ:変化の始まり
コンラードは足が不自由なのか、常に車椅子に乗っていました。成人しているようですがコミュニケーションは取れず、いつも押し黙っています。時々鳥の鳴き声に似た奇声を発しました。鳥の卵をたくさんコレクションしており、大切そうに管理しています。コンラードが来てからというもの、ファーは落ち着かなくなり頻りに息子の世話を焼くようになりました。そんなある日、買い物を配達してくれているヴェルノンとブロムダルがやって来ます。兄弟が頼んだジューサーや、大量のバナナを持ってきてくれました。コンラードはバナナミルクセーキが大好物なのです。ヴェルノンは少し前に事故で大怪我を負っていました。モーとはしゃいだ彼は、治療用の器具が緩んでしまい痛みを訴えます。2人が帰ると、ファーはモーを注意しました。夜、寝静まった家にコンラードの声が響きます。目を覚ましたモーは、隣のベッドで寝ているファーを起こしました。ファーはミルクセーキを作り、コンラードの部屋へ持って行きます。
卵の番人のネタバレあらすじ:コンラードの言葉
兄弟はハウスキーパーのシュリンディアを心待ちにしていました。若く美しい彼女を見ては、ニヤニヤ笑っています。コンラードも心なしか楽しそうでした。そんなある日、ファーが郵便局まで外出することになります。家にはファーとコンラードの2人だけ。モーが居間にいると、コンラードの部屋から音が聞こえました。モーはミルクセーキを作り、部屋まで届けにいってやります。じっと見ているだけのコンラードに、言葉が通じているのか疑問に思うモー。世間話をしようとすると、コンラードは威嚇するような声を発します。機嫌を損ねたモーが「まったく雌鳥そっくりだ」と言うと、コンラードははっきりとした低い声で「ミルクセーキをよこせ モー」と言い放ちました。モーは顔をこわばらせ、そのまま部屋を出て行きます。
卵の番人のネタバレあらすじ:カッコウの卵
モーはコンラードが話せることについて、ファーには言いませんでした。夜、コンラードを入浴させたファーは、長く伸びた足の爪を切り始めます。その間にモーはこっそりコンラードの部屋へ入りました。卵を調べていると、カッコウの卵が目につきます。そして金と小さな写真を見つけました。写真には「父より」と書かれています。モーはコンラードが帰って来る前に部屋を後にしましたが、パイプの火で敷き藁を焦がしてしまったことには気付きませんでした。
卵の番人の結末:モーの決断
翌朝。ファーは「あの子の卵に何をした?」とモーを叱ります。夜、モーが隣で眠っているファーを見ていると電話が鳴り響きました。それはコンラードの母親が死亡したという電話でした。翌日、家にやって来た神父はモーを呼んで2人きりで話をします。数日後の夜、モーは眠っているファーを何も言えずに見つめていました。無言のまま立ち上がった彼は支度をして、玄関へ向かいます。そして振り返りながら家を出て行きました。まだ夜も明けきらない頃、モーは除雪車に拾って貰います。ファーはまだ眠っていました。コンラードは車椅子から立ち上がり、窓から外を見ています。夜明けが訪れ、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画卵の番人のあらすじと結末でした。
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