ラスト・キリング 狼たちの銃弾の紹介:2012年アメリカ映画。刑務所を出所する男に、恩師だった人物からある暗殺依頼が届く。過去に大きな心の傷を負った男にとって、それは過酷すぎる任務だった。スティーヴン・ドーフ、ミッシェル・モナハン、ウィレム・デフォーという、3大ハリウッド・スターが共演を果たしたバイオレンス・アクション。シュールで幻想的な映像があとを引く異色作。さらにミッシェル・モナハン演じる、少女の面影を残すファム・ファタール的美女が強烈な印象を残す。
監督:デヴィッド・ジェイコブソン 出演者:スティーヴン・ドーフ(チャーリー・ランキン)、ミシェル・モナハン(フローレンス)、ウィレム・デフォー(ブッダ)、タラ・バック(標的の愛人)、ロバート・ラサード(オーネイ・コラル)、ケリー・ロッサル(暗殺ターゲット)、サミー・ジャック(チャーリーの少年時代)ほか
映画「ラストキリング 狼たちの銃弾」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラストキリング 狼たちの銃弾」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ラスト・キリング 狼たちの銃弾の予告編 動画
映画「ラストキリング 狼たちの銃弾」解説
この解説記事には映画「ラストキリング 狼たちの銃弾」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラスト・キリング 狼たちの銃弾のネタバレあらすじ:起
刑務所で4年間を過ごし、出所日が近づいたチャーリー(スティーヴン・ドーフ)。ある日、ブッダ(ウィレム・デフォー)と言う昔の恩人から一通の手紙を受け取ります。暗号化された文面を解読すると、ある男を暗殺してほしいという内容。ブッダは「出所したら俺を頼れ」と結んでいました。刑務所を出たチャーリーは、ブッダに指定された“モーの店”というバーに向かいます。ブッダの名前を出すと、店主のオーネイ(ロバート・ラサード)が二階に部屋を用意してくれます。部屋に落ち着き、バスタブに浸かっていたチャーリーですが、薄い壁の向こうから漏れ聞こえる男女の怒鳴り声にイライラし始めます。目と閉じて耐えるチャーリーの脳裏に、隣部屋の男女か、はたまた父親に殴られている子供時代の自分か、現実とも幻ともつかない映像がちらつきます。ふと気づくと、目の前にいつの間にかブッダが立っています。ブッダはチャーリーに鍵を渡して去って行きます。翌日、チャーリーはその鍵を使って駅構内のロッカーを開け、バッグを取り出します。バッグの中には札束と拳銃が入っていました。
ラスト・キリング 狼たちの銃弾のネタバレあらすじ:承
暗殺用の服と靴を買い、バスに乗り込んだチャーリーに1人の女性(ミッシェル・モナハン)が話しかけてきました。女性の名はフローレンスといい、名前を聞かれたチャーリーはサムだと嘘をつきます。謎めいた微笑を浮かべるフローレンスは、初対面のチャーリーを自分の家に誘います。別れた夫がくれた家に1人で暮らしていると言うフローレンス。侵入者が来ることを恐れたチャーリーは、バッグの中の札束をトイレの通気口に隠しておきます。フローレンスの職業はポルノ女優で、自分の出ている映画をチャーリーに見せます。あからさまにアプローチを仕掛けてくる彼女を、チャーリーはぎこちなく拒みます。その後フローレンスの家を出て車を走らせ、暗殺対象の住む豪邸に到着します。目出し帽を被って室内に侵入し、ターゲットの男(ケリー・ロッサル)を射殺します。男と一緒だった愛人(タラ・バック)は悲鳴を上げて二階へ駆け上がり、チャーリーは必死で後を追います。夜が明け、仕事を終えたチャーリーはフローレンスの部屋へと戻ります。フローレンスは、チャーリーが戻ってくると確信していたようです。2人は町へくり出し、チャーリーはフローレンスに高級車を買ってやります。車を飛ばし、町はずれの教会に辿りついた2人は中へ入ります。しかしチャーリーは「神は無能だ」と言って心を閉ざします。
ラスト・キリング 狼たちの銃弾のネタバレあらすじ:転
モーの店に車をとめたチャーリーは、フローレンスを車内に待たせて部屋に戻ります。チャーリーの部屋は誰かに荒らされていました。そこに現れたブッダが言います。「昨日はしくじったな」。チャーリーは愛人の殺害を躊躇してしまい、縛って部屋に放置して来たのです。ブッダは最後までやり遂げろと命じて去っていきます。チャーリーは落ち込み、フローレンスと入ったバーで酔っぱらいます。バーを出て、再びあの屋敷を目指して運転するチャーリーの様子を、フローレンスが心配そうに見ています。チャーリーはぽつぽつと自分の過去の断片を語り、フローレンスはサムではなくチャーリーが本当の名前なのだと気づきます。チャーリーの精神状態はどんどんおかしくなり、さまざまな幻想が目の前に浮かびます。混乱するチャーリーをフローレンスが抱きしめ、2人はそのまま愛し合います。その後、車はあの屋敷に到着します。チャーリーはフローレンスの両手両足を縛り、車内に残して行きます。室内に侵入してバスルームに入ると、チャーリーが殺害した状態のままで男が倒れています。チャーリーは、血が飛び散った階段をゆっくり上がって行きます。部屋に入ると、後ろ手に縛られたままの愛人の女が床に倒れていました。
ラスト・キリング 狼たちの銃弾の結末
チャーリーは女に近づき、両手の紐を解いてやります。意識が朦朧としている女は、チャーリーを警官だと思ったようです。チャーリーは水の入ったコップを渡し、鎮痛剤を与えます。しかし女は、チャーリーの手の傷を見て顔色を変えます。自分を襲った男だと気づいたのです。チャーリーはうろたえて階段を降ります。そこへ近づいて来たのはブッダでした。ブッダは「慈悲の心は悲劇につながる」とつぶやき、チャーリーにとどめを刺すよう促しますが、チャーリーは断ります。ブッダはためらうことなくチャーリーに向かって引き金を引きます。チャーリーはよろめき、そのまま持っていたナイフでブッダの体を刺しました。ブッダはその場に崩れ落ちます。車の中で待っていたフローレンスは、屋敷から出てきたチャーリーの姿にホッとします。しかしチャーリーは死にかけていました。倒れたまま空を見たチャーリーの顔は穏やかです。「静寂に満ちてる」。そう言って彼は死んでいきます。涙を浮かべたフローレンスが言います。「愛してる、チャーリー」。
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