シークレット・ルーム(別題:アイ’ム ホーム 覗く男)の紹介:2016年アメリカ映画。大ヒット海外ドラマ「ブレイキング・バッド」や、「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」(2015)などで知られるベテラン俳優、ブライアン・クランストンが主演。ひょんなことから家に帰れなくなった男。もしもこのまま自分が姿を消したら家族は一体どうするだろうと、屋根裏に身をひそめて監視を始めるが…。原作となったのは、小説家E・L・ドクトロウの短編「Wakefield」。夫不在の妻がとる行動に、怒り、戸惑い、嫉妬を感じながらも、自分の存在に疑問を抱き始める男の一風変わった人間ドラマ。
監督:ロビン・スウィコード 出演者:ブライアン・クランストン(ハワード・ウェイクフィールド)、ジェニファー・ガーナー(ダイアナ)、ジェイソン・オマラ(ダーク・モリソン)、ピッパ・ベネット・ワーナー(エミリー)、ベヴァリー・ダンジェロ(ダイアナの母)、エレリー・スブレイベリー(ジゼル)、ビクトリア・ブルーノ(タイラー)ほか
映画「シークレットルーム/アイムホーム 覗く男」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シークレットルーム/アイムホーム 覗く男」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
シークレット・ルーム/アイ'ム ホーム 覗く男の予告編 動画
映画「シークレットルーム/アイムホーム 覗く男」解説
この解説記事には映画「シークレットルーム/アイムホーム 覗く男」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シークレット・ルーム/アイ’ム ホーム 覗く男のネタバレあらすじ:起
一流の訴訟弁護士を自負するハワード・クランストン。ある日のこと、仕事を終えて家路につく途中、突然の停電で電車がストップ。郊外の自宅へ到着したのは、いつもより大幅に遅い時間でした。たまたま家の外でアライグマを見つけ、追い払ううちにうっかり自宅ガレージの屋根裏部屋に入りこんだハワード。窓から覗くと、自宅のダイニングルームが丸見えです。家の中では、妻のダイアナと双子の娘ジゼルとタイラーが自分の帰りを待っているはず。しばらくすると、ダイアナがいらいらした様子で携帯をかけている様子が見えました。連絡のつかない夫に腹を立てたのか、ダイアナは用意していた夕食をゴミ箱に捨ててしまいます。ハワードは妻の苛立ちに驚きます。今さら帰ったところで、妻は自分の浮気を疑うかもしれない。そう考えたハワードは、家族が寝静まってからこっそり家に入ることにして、屋根裏部屋の椅子に腰をかけます。ところがそのまま寝入ってしまい、目覚めるとすっかり朝になっていました。
シークレット・ルーム/アイ’ム ホーム 覗く男のネタバレあらすじ:承
慌てたハワードが窓から外を見ると、ダイアナは携帯電話をかけたり、外に出てガレージの車を確認したりと、明らかに取り乱しています。そんな妻の姿を面白がっていましたが、警官が訪ねて来たのを見るとうろたえます。ダイアナは警察に連絡していたのです。ダイアナの泣く姿に罪悪感を抱くハワードですが、ダイアナの母親が訪ねて来たのを見てムッとします。ハワードはダイアナの母親を嫌っていました。次第に監視することが楽しくなってきたハワードは、屋根裏部屋に簡易トイレを作ってしばらくこの生活を続けることにします。手持ちの現金はわずかな上に、足がつくのでカードも使えません。買い物すらできないハワードは、まるで放浪者のような姿です。家族が寝静まった真夜中、屋根裏部屋を抜け出し、近所のゴミ箱から食べ残しを漁る日々。ハワードは、ダイアナとの出会いから結婚までを回想します。もともとダイアナは、ハワードの親友ダーク・モリソンの恋人でした。ハワードは真面目なダークを裏切り、ダイアナに嘘を吹き込んで彼女を自分のものにしたのです。過去を反芻するハワードは、ダイアナが親友の恋人でなければ、果たして自分は彼女を求めただろうかと自問します。数カ月経ったある日、ダイアナと娘達は夏のバカンスへと出掛けて行きます。自分が行方不明の状況で、嬉しそうに車に乗り込む3人を腹立たしく思うハワード。家族が街を離れている間、ホームレスそのものの格好で近所をうろつきます。ゴミ箱で拾ったビジネス誌を見ると、なんと表紙はダーク・モリソン。成功したダークは今や“ウォール街の寵児”と呼ばれ、雑誌で特集を組まれるほどの存在でした。ハワードはせせら笑います。
シークレット・ルーム/アイ’ム ホーム 覗く男のネタバレあらすじ:転
ある晩、いつものようにゴミ漁りをしていたハワードは、同じくゴミ漁りに来ていたロシア人達とトラブルになります。血の気の多いロシア人の男に追われて逃げ込んだ民家には、障害者の少女エミリーとダウン症の少年ハーバードがいました。2人はハワードの隣人であるソンダーヴァン医師の患者でした。翌日、エミリーとハーバードがいきなりハワードの屋根裏部屋に遊びに来ます。人との交流に飢えていたハワードは、無邪気な2人と穏やかな時間を過ごします。しかし、その後も監視を続けるハワードは、次第に惨めな気分に陥っていきます。ダイアナは若い頃にやめたはずのダンスレッスンを再び始め、娘達にはボーイフレンドができたようです。自分がいないほうが3人は幸せなのだと考えたハワードは、かつてないほど妻を愛していることを実感するのでした。季節は過ぎ、寒い雪の日。屋根裏部屋で凍えそうになっているハワードを、エイミーとハーバードが看病します。体調を取り戻したハワードは、たまたま家から出てきたダイアナの目の前に衝動的に立ちふさがります。ところがダイアナはハワードに一瞥をくれただけでドアを閉めます。彼女には夫の姿がわからなかったのです。
シークレット・ルーム/アイ’ム ホーム 覗く男の結末
もはや父親でも弁護士でも夫でもなくなった自分。打ちひしがれるハワードは、ダイアナが誰かをディナーに招待したことを知ります。相手はダーク・モリソンでした。ダイアナも娘達も、ダークを囲んでとても楽しげに過ごしています。ハワードは思います。昔、ダークとダイアナについた自分の汚い嘘がきっとばれたに違いない。今度こそ、ダイアナがダークのもとへ走ったとしても仕方のないことだ…。翌日、ハワードは古着屋でコートを買い、散髪屋で髪を整え、こぎれいな姿になって車でニューヨークへと向かいます。久しぶりに見るオフィス街の中、高級服の店でスーツを購入し、本来の自分の姿に戻ります。夜が来て、家に戻って庭から中を覗くと、ダイアナと娘達が賑やかにクリスマスの準備をしているのが見えました。果たして家族は笑顔で迎えてくれるのか、それとも驚き、冷たい視線を投げ返すのか…。そのどちらもあり得ると覚悟したハワードが、思い切ってドアを開けます。「ただいま」と言ったハワードの声に、ダイアナと娘達が振り返りました。
以上、映画「シークレット・ルーム/アイ’ム ホーム 覗く男」のあらすじと結末でした。
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