偽れる盛装の紹介:1951年日本映画。京都の花街をリアルに描く。溝口健二の弟子だった新藤兼人が師匠の「祇園の姉妹」にインスパイアされて書き下ろした脚本を、吉村公三郎が見事に演出。2人にとっての代表作のひとつとなった。主演の京マチ子は前年の「羅生門」に引き続き、そのキャリアの代表的演技を見せている。
監督:吉村公三郎 出演:京マチ子(君蝶)、藤田泰子(妙子)、村田知英子(千代)、小林桂樹(孝次)、河津清三郎(渡辺)、菅井一郎(山下)、ほか
映画「偽れる盛装」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「偽れる盛装」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「偽れる盛装」解説
この解説記事には映画「偽れる盛装」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
偽れる盛装のネタバレあらすじ:起
芸妓の君蝶は、パトロンであるブローカーの笠間と鴨川沿いの料亭で会い、別れを切り出します。彼の商売が左前になり、金払いが悪くなったためでした。笠間は「この後も会ってくれ」と懇願しますが、君蝶は聞く耳を持ちません。
彼女はその足で新しい旦那・山下の待つ料亭へ。彼は速神丸本舗の番頭ですが、もともと固い人物。しかし君蝶の色香に迷い、金を工面しながらパトロンになっているのです。
偽れる盛装のネタバレあらすじ:承
前から山下に頼んでいた5万円を受け取ったところへ、家の方から君蝶に電話がかかってきます。彼女の家は宮川町のお茶屋・静乃家でした。家に帰ってみると、母親のきくが訪ねてきた渡辺の対応をしています。彼の用事は金の無心でした。渡辺はきくの元旦那の息子。君蝶とは腹違いのきょうだいです。
渡辺を気の毒に思ったきくは静乃家を抵当に入れてでも金を用意しようとしますが、君蝶は猛反対。自分たちを玩具扱いしてきた旦那に義理立てする気持ちが分かりません。君蝶の妹の妙子もそんな芸妓家業を避け、市の観光課に勤めていました。
偽れる盛装のネタバレあらすじ:転
やがて、妙子には恋人ができます。同じ観光課に勤めている孝次という青年です。彼の実家はお茶屋。偶然、妙子と同じ境遇です。しかもその母親はきくの元朋輩である千代でした。きくと千代は渡辺の父親を取り合ったライバル。千代はその争いに負けたことできくを恨んでいました。
そのこともあって、孝次と妙子の結婚には賛成できません。わざわざ静乃家まで来て交際をやめるよう申し入れます。その際「同じお茶屋でも格式が違う」と口にしたことに君蝶が激怒。その復讐のために、千代のパトロンである料亭伊勢浜の主人を誘惑します。ちょうどそれまでの旦那・山下が金づまりになっていたのも幸いでした。
偽れる盛装の結末
伊勢浜は君蝶に夢中になり、千代には冷淡に。復讐はうまくいきました。しかし、会社をクビになり、金の無心にきた山下に素っ気ない態度をとったことで彼の恨みをかうことに。温習会の会場に君蝶を訪ねた山下は懐から庖丁を取り出し、彼女を殺そうと飛びかかります。必死に逃げ回る君蝶ですが、踏切のところで彼に追いつかれ包丁で刺されます。
命は取り留めましたが、長期入院する羽目に。ただ良かったのは、孝次が母親の元を去り、妙子と東京へ出る決心をしたことです。2人は病院に挨拶に来たあと、そのまま駅へ。病室の窓から君蝶ときくが彼らを見送るのです。
以上、映画「偽れる盛装」のあらすじと結末でした。
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