ザ・バニシング-消失-の紹介:1988年オランダ,フランス映画。ある日、旅行中に突然姿を消したサスキア。恋人のレックスは彼女を捜すうちに執念の虜になり次第に精神を追い詰められていく。一方、レイモンは自分の異常性と正常性を立証するために、ある「実験」を行う。2人の男が対峙し運命は絶望と恐怖へと導かれる。1993年には監督自身の手によりジェフ・ブリッジス、キーファー・サザーランド、サンドラ・ブロック主演でハリウッド・リメイクされている作品。日本ではこれまで劇場未公開だったが、2019年4月12日から劇場公開が実現した。
監督:ジョルジュ・シュルイツァー 出演:ベルナール・ピエール・ドナデュー(レイモン・ルモン)、ジーン・ベルヴォーツ(レックス・ホフマン)、ヨハンナ・テア・ステーゲ(サスキア・ワグター)ほか
映画「ザ・バニシング 消失」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・バニシング 消失」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ザ・バニシング 消失の予告編 動画
映画「ザ・バニシング 消失」解説
この解説記事には映画「ザ・バニシング 消失」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザ・バニシング 消失のネタバレあらすじ:起
真面目な青年レックス・ホフマンと明るく可愛らしい彼女サスキア・ワグターは屋根に自転車を乗せた車で高速道路を走っていました。季節はツールドフランスが開催される7月。2人はフランスの別荘を目指してオランダを出発しました。
車中、サスキアは昨夜の奇妙な夢の話をします。金の卵に閉じ込められて、気が狂いそうなほどの孤独を感じながら宇宙をさまよい続けるといった内容。レックスは夢の話と軽く受け流します。
その直後、暗いトンネル内でガス欠になってしまい、口論になってしまいました。ヒステリックになるサスキアに耐えられずレックスは彼女を置いて1人歩き出してしまいました。しばらくするとガソリンを手にしたレックスが戻ってきました。サスキアは拗ねたまま運転は再開しました。
ザ・バニシング 消失のネタバレあらすじ:承
その頃、高速道路のサービスエリアに車を停め、何事もない腕に簡易ギブスを装着している男がいました。この男の名はレイモン。分厚いレンズのメガネで不気味な雰囲気を醸し出しています。
ほどなくこのサービスエリアにレックスとサスキアの車も入ってきました。すっかり仲直りした2人は広場で休憩をとり、出発前にサスキアは売店に飲み物を買いに行きました。ところがいつまで経っても彼女は戻ってきません。必死で名前を呼びながら探すレックス。しかし「自動販売機の前で男と話していた」という目撃情報以外に手がかりはありませんでした。忽然と姿を消してしまったサスキア。レックスもなす術がありませんでした。
ある日のこと、レイモン・ルモンは手に入れたばかりの郊外の別荘に愛する妻と2人の娘とともに団らんを過ごしていました。大学教授であるレイモンの家庭は幸せに包まれていて、一見いい夫、いい父のように見えます。しかし家族のいないところで、睡眠薬の効き目を試したり、女性を車に誘い込むシミュレーションをしたり、何やら恐ろしい計画のために準備を進めている様子でした。
ザ・バニシング 消失のネタバレあらすじ:転
サスキアが行方不明なってから3年が経ちました。知人と街を歩くレイモンは木に貼られたばかりのサスキア捜索のポスターを目にします。レックスは諦めずにずっと捜索を継続していたのでした。
レックスのもとに何度も犯人と思わしき人物から手紙が届きます。新しい恋人リーネケとともに手紙に書かれたカフェへ向かいますが、やはり時間になっても犯人は現れません。しかし、確かに感じる犯人の視線。レックスの精神は追い詰められ限界に達していきました。何度も失踪したあの日を思い出しては半狂乱となるレックス。そんな彼の望みはただひとつ。「真実が知りたい」それだけです。TV番組に出演し、そう犯人へ呼びかけます。レックスはリーネケがいても常にサスキアへの強い執着心に支配され、片時も頭から離れずにいました。やがてリーネケも彼のもとを去っていきます。
そんな中、ついにレックスの前に自分が犯人だと名乗りレイモンが現れました。激昂したレックスは殴りかかりますが、彼女の身に何が起こったのかを知りたかったら、車でフランスまで行くことが条件と告げるレイモン。オランダとの国境を超えたら車中で秘密を教えるとのこと。レックスは従うしかありませんでした。
ザ・バニシング 消失の結末
国境を通過すると、レイモンは真相を語り始めます。それは国境がまるで、正常と異常、正気と狂気の境でもあるかのようでした。
26年前に思いついたある実験。それは自分が正しい人間であることを立証するというものでした。川で溺れる子供を助けても、自分の中に"悪"がないのか確かめる必要がありました。自らの潔白を見出すために残虐な行為を考え始めます。
ふとしたきっかけで腕の不自由な弱者のフリをして女性に近づくアイディアを思いつきました。そしてあの日のサービスエリア。女性に声をかけるが作戦は失敗。気を取り直して売店に向かった際にサスキアと遭遇。言葉巧みに車に乗せるとクロロホルムを嗅がせ眠らせたのでした。
ここで一旦話を止めるレイモン。「その後の出来事を知りたければ、これを飲め。同じ目に遭わせる」と睡眠薬入りのコーヒーを差し出しました。それはあまりにも馬鹿げた危険な提案。戸惑うレックスでしたが、サスキア失踪の真実を追い求める心が勝ります。死ぬまで謎が頭を離れないのなら、真実を知って死にたい。意を決してコーヒーを飲み干しました。
そして…目を覚ましたレックス。棺に入れられ埋められていることに気づきます。大声を出しても、力一杯もがいても微動だにしない棺。外の世界から断絶され、孤独の闇の世界が広がります。それは、まるでサスキアが見た金の卵の夢のようでした。
別荘で家族と過ごしているレイモン。ふと置かれた新聞には"失踪した彼女サスキアを捜索していたレックス行方不明"と見出しが書かれていました。
以上、ザ・バニシング-消失-のあらすじと結末でした。
「ザ・バニシング 消失」感想・レビュー
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ぶん殴って気絶させて警察につきだそうよ。
上手くいけば彼女検死してもらえて、より信憑性の高い真実にたどり着ける可能性が高いよ。
こんなの犯人が本当の事教えてくれる保証は無いのになぜついて行ってしまうのか…。
恋人を奪った犯人への恨みや、まして自分の命よりも、真実を知りたい欲求が勝るなんて事あり得るのでしょうか。計り知れないです。
DVDがレンタルされてたので観た。
このラスト、昔、ヒッチコック劇場で似たような話があった。
驚かなかったが、気持ち悪い。