君が生きた証の紹介:2014年アメリカ映画。大学の銃乱射事件で息子を失った父親が、息子の残した曲を演奏することで避け続けていた事件そのものと向き合っていく。序盤から中盤で観る人の目線が変わらざるを得ない描き方が秀逸。
監督:ウィリアム・H・メイシー 出演:ビリー・クラダップ(サム)、アントン・イェルチン(クエンティン)、フェリシティ・ハフマン(エミリー)、セレーナ・ゴメス(ケイト)、ローレンス・フィッシュバーン(デル)、ほか
映画「君が生きた証」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「君が生きた証」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
君が生きた証の予告編 動画
映画「君が生きた証」解説
この解説記事には映画「君が生きた証」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
君が生きた証のネタバレあらすじ:起・息子を亡くした父
広告会社のエリートサラリーマン、サムはある日突然に大学で起きた銃乱射事件で息子ジョシュを失う。マスコミは執拗に彼らを追い回し、サムの生活はすさんだものになっていった。
事件から2年後、会社も辞め、家を出たサムはヨットで寝起きするその日暮らしの生活をしていた。ある日、別れた妻エミリーがサムのもとを訪れ、ジョシュのギターや自作の曲を記したノート、CDなどの遺品を置いていく。捨てようとしたものの捨てきれず、思い直して息子が演奏し歌う曲を聴いたサムは、おもむろにギターを手にしてそれらの曲を自ら弾き始める。
君が生きた証のネタバレあらすじ:承・伝えたい曲
行きつけのライブハウス“トリル”で何杯か飲んだあと、サムは飛び入りでジョシュの曲を演奏すると、曲に感動したという1人の青年クエンティンが一緒にやらないか、と申し出る。最初は取り合わなかったサムだったが、彼とのセッションに失った息子との触れ合いにも似た感覚を覚え、彼の申し出をしぶしぶ受け入れる。
クエンティンの友達のベースとドラムが加わり、バンド「ラダーレス」としてジョシュの曲であることを伏せたまま彼の残した曲を演奏していたが、バンドはやがて人気が出始め、“トリル”で毎週末ライブすることになる。ところがある晩、演奏後にジョシュの恋人だったケイトが現れ、ジョシュの曲を平然と歌うサムに恥知らずと言い放つ。
君が生きた証のネタバレあらすじ:転・直視できなかった事実
ジョシュの誕生日、サムは初めて彼のお墓を訪れると、墓石には激しい非難の言葉が落書きされていた。そこへ掃除道具を持ったエミリーが現れ、いつもの事だと言って落書きを消し始める。ジョシュは乱射事件の加害者だったのだ。事件を前向きに乗り越えようとするエミリーに対し、サムは未だに事件と向き合おうとはしていなかった。
ある時、バンドに大きなイベントに参加するチャンスがやってくる。サムは迷った末、乗り気なメンバーに説得されてクエンティンの曲もやることを条件にOKするが、イベント当日、ケイトが現れてメンバーに真実が暴露される。彼女もまた事件後、加害者の恋人としてマスコミに追われ、名前を変えて生活せざるを得ないなど人生を台無しにされた被害者となっていた。クエンティンは弁解しようとするサムを殴りつけ、ジョシュの作った曲を演奏することはできない、といって去っていく。
君が生きた証の結末:受け入れて、生きていく
再び心の寄りどころを失い自暴自棄になったサムだったが、行き着けの楽器店の店主との会話で初めて回りの人のことを考えるようになる。大学を訪れ、乱射事件の被害者の名前が彫られた追悼の碑を見た彼は、初めて自分の息子が他人の命を奪った現実を受け入れ、その場で泣き崩れる。
サムは行きつけの楽器店でクエンティンがギターを手放したことを知り、そのギターを持って彼の元を訪れる。そして自分のせいで音楽をやめるなと言い、彼の欲しがっていたギターを置いていく。
そしてサムは1人、ステージにあがり、息子が6人の命を奪った乱射事件の加害者であり、その息子が作った曲だと初めて明らかにして歌い始める。クエンティンは新しいメンバーを加え、再びバンド活動を始めていた。
以上、映画「君が生きた証」のあらすじと結末でした。
ただの悲しみを抱えた男の映画では無く、中盤で分かる残酷な事実による複雑すぎる悲しみは今まで感じたことない気持ちになった。久しぶりに この映画の世界観にずっと浸ってたい と思える映画に出会えた。