凶弾の紹介:1982年日本映画。1970年5月12日から13日にかけ実際に起った『瀬戸内シージャック事件』を題材にした、19歳の少年が起こしたシージャック事件に至るまでの経緯と、射殺されるまでを描いた作品です。豪華俳優陣が起用された大作ながら、興業的には失敗に終わった映画です。
監督:村川透 出演者:石原良純(荒木英夫)、古尾谷雅人(沼田昭彦)、秋吉久美子(荒木知子)、高樹澪(水谷宏美)、勝野洋(東山信吾)、山田辰夫(内山正一)、古谷一行(福本刑事部長)、神山繁(森下周造)、高橋悦史(井口本部長)、田中邦衛(岩井部長刑事)、若山富三郎(矢吹船長)ほか
映画「凶弾」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「凶弾」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「凶弾」解説
この解説記事には映画「凶弾」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
凶弾のネタバレあらすじ:起
荒木は父の形見の猟銃を持って、沼田、内山と森の中へ猟銃をぶっぱなしに行きました。その後、内山の車で暴走を繰り返しながらあてもなく走っていました。夜になると大雨になり、雨に濡れながら裸足で歩く若い女を見つけて車に乗せ、国道を走っていました。追い越し禁止の道路で、前を走るトラックを追い越すと、パトカーが隠れていて、車を停車させられました。車内でビールを飲んでいたため飲酒運転を疑われました。そして車検証の提示を求められ、車は内山が盗んだことが見つかりました。内山はパトカーに乗せられ署まで連行されました。
残った警官が荒木の持っている銃を見つけ、許可書を見せろと言いますが、荒木は持っていませんでした。すると警官は警棒で荒木を殴りはじめました。沼田が止めに入るも、今度は沼田に殴りかかり、怒った沼田が猟銃で警官の頭をかち割ってしまいました。パニックになった荒木は逃げようと言い、車を走らせました。
凶弾のネタバレあらすじ:承
県警は福本刑事部長が指揮をとり緊急配備を始めました。岩井部長刑事らが、内山の取り調べを始めますが、内山は二人の名前をしゃべりませんでした。三人は車を乗り捨てました。警察は乗り捨てられた車から荒木と沼田を割りだし、未成年の為、少年二人として指名手配しました。3人は少年院で知り合い、退所後よく遊んでいました。沼田がリーダー格で一番狂暴、内山は調子もの、荒木は真面目ですがいったんキレるとヤバイ性格でした。
軽自動車に乗り換えた3人は、近くの駅で女を降ろし、田舎を走っていました。しかし途中で警官らに見つかり、二人は車を乗り捨て、3人の保護士の森下の家に行きました。森下は事件の事を知っていましたが、知らぬふりをして出迎えました。そして沼田に服を取ってこいと言いました。しかし事前に刑事が張っていて、森下は暴行を振るった沼田を逮捕させようとしたのでした。手錠をかけられた沼田を見て、怒った荒木が発砲しながら沼田を助け逃走しました。
凶弾のネタバレあらすじ:転
沼田の手錠の鎖だけを切り、荒木は銀行強盗をやろうと言い出しました。大それたことが出来ない沼田でしたが、わかったと言い二人は列車に乗り込みました。列車の中にはあの女が乗っていました。3人で行動するのはヤバいと言って、沼田は明日、熱海の銀行の前の喫茶店で落ちあおうと言い、列車を降りました。荒木は女の友人の家に二人で行きました。女は水谷宏美という名前でした。妻子ある男と不倫を続け、子供を身ごもると男に捨てられ自殺しようか、子供を降ろそうかと迷い、彷徨っていたと言いました。荒木は自分の姉も同じような仕打ちを受け、その男を木刀で殴り殺し、少年院に送られた過去を持っていました。
宏美に同情しつつも二人はその夜、愛し合いました。翌朝、待ち合わせの喫茶店で沼田と合流しました。沼田は銀行の女に店内の見取り図をもらうと、出て行きました。しかし警察が張り込んでいて沼田は遂に逮捕されました。荒木は一人で逃げました。途中、銃砲店に押し入り、猟銃2丁と弾を強奪し、タクシーを奪って逃走を続け、港に停泊中の定期客船『イレ・ド・バカンス号』に乗り込みました。
凶弾の結末
乗客を人質にし、船長の矢吹に船を出せと命じました。船の周りを巡視船に乗った警官らが追いますが、荒木は警官に向け発砲を続けました。矢吹は燃料が足りないと嘘を言って港に立ち寄ると荒木に言いました。そして警官にしか発砲しない荒木を見て、オレが人質になるから乗客を解放しろと言いました。荒木は交換条件に沼田と内山をここに連れて来てくれと言いました。
その頃、長官と話をした井口本部長は、狙撃の決断をし、東山を中心とする狙撃班を配備させました。港に着き、矢吹は井口と話し、交換条件を述べました。井口は条件を飲み、乗客は解放されました。約束の時間になっても、二人が釈放されない事でいら立った荒木は、取り囲む警官らに発砲を続けました。岩井部長刑事が、荒木の姉と祖父を連れてきて説得させますが無駄でした。矢吹が再び井口に会い、約束が違うと言いますが、井口は射殺をにおわせました。船に戻った矢吹は、荒木に『もう撃つな!』と力ずくでやめさせようとしますが、荒木は発砲を続け、東山の銃弾に倒れました。犯人を射殺したことで、井口はマスコミの批判を受け続けました。誰もいなくなった岸壁には宏美がずっと立っていました。
以上、映画「凶弾」のあらすじと結末でした。
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