ジョンQ-最後の決断-の紹介:2002年アメリカ映画。職場をリストラされ、経済的に困窮した父親が重病を患った息子を救うために止むを得ず病院を占拠する過程を通じて、アメリカの医療制度や保険制度、社会問題の問題点を炙り出すヒューマン・サスペンス作品です。
監督:ニック・カサヴェテス 出演者:デンゼル・ワシントン(ジョン・“Q”・クインシー・アーチボルド)、キンバリー・エリース(デニーズ・アーチボルド)、ダニエル・E・スミス(マイク・アーチボルド)、ロバート・デュヴァル(フランク・グライムズ警部補)、ジェームズ・ウッズ(レイモンド・ターナー医師)、アン・ヘッシュ(レベッカ・ペイン)、レイ・リオッタ(ガス・モンロー)ほか
映画「ジョンQ 最後の決断」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ジョンQ 最後の決断」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ジョンQ 最後の決断の予告編 動画
映画「ジョンQ 最後の決断」解説
この解説記事には映画「ジョンQ 最後の決断」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ジョンQ 最後の決断のネタバレあらすじ:起
シカゴ近郊に住むジョン・“Q”・クインシー・アーチボルド(デンゼル・ワシントン)はテレビの討論番組を見ていたところ、妻デニーズ(キンバリー・エリース)の車がローン滞納を理由に差押人によって没収されようとしていました。ジョンQは妻が仕事に行けなくなると頼み込むも、差押人は「それならローンを払え」と冷たく言い放ち、結局デニーズの車は没収されていきました。
ジョンQは息子のマイク(ダニエル・E・スミス)を学校へ、デニーズを職場へと送ったあと職場の工場へと向かいますが、職場のリストラで正社員からパートへと格下げされていたジョンQは半日で仕事が終わり、給料も下げられたので生活も困窮しているジョンQは副業しようと面接を受けますがことごとく不採用となってしまいました。
そんなある日、ジョンQはデニーズと共に少年野球チームに属するマイクの野球の試合を見に行きますが、マイクは走塁中に突然胸を押さえて倒れてしまい、ジョンQとデニーズは血相を変えてマイクを救急病院へと運びました。ジョンQの同僚で友人のジミー・パランボ(デヴィッド・ソーントン)と妻ジーナ(ローラ・ハリング)も駆けつけ、ジョンQとデニーズは院長のレベッカ・ペイン(アン・ヘッシュ)と心臓外科医レイモンド・ターナー(ジェームズ・ウッズ)からマイクは重度の心臓病を患っており、一刻も早い心臓移植手術が必要だと宣告されました。
ジョンQ 最後の決断のネタバレあらすじ:承
ジョンQとデニーズはショックを受けながらも手術に一縷の望みを託すことを決意、マイクを移植者登録のリストに載せるよう頼みますが、ペインが言うにはマイクの血液型は珍しい型である“Bポジティブ”であり、手術費用は高額となること、リストに載せるだけでも更に高額な前金が必要なこと、そしてジョンQの保険はこの手術には適用されないことを説明しました。
愕然となったジョンは保険が使えるはずだと言い張り、職場に保険の内容を確認してみるも、正社員からパートに格下げされた際に職場側から一方的に保険の内容を変更されてしまっており、しかもジョンQもデニーズも健在なことから国の援助も受けられないことを知ります。
ジョンQは家財道具や車を売り払い、結婚指輪を質に入れ、ジミーやテレビ局のリポーターのタック・ランプリー(ポール・ヨハンセン)らの協力を得てカンパも集めたのですが、病院側から支払いが足りないことを理由にマイクを強制退院させることを告げられてしまいます。遂に我慢の限界に達したジョンQはターナーに銃を向けてマイクの手術を要求、病院の医師や患者、警備員らを人質に取って立てこもりました。
ジョンQ 最後の決断のネタバレあらすじ:転
病院は警察に包囲され、フランク・グライムズ警部補(ロバート・デュヴァル)がジョンQとの交渉役にあたることになりました。ジョンQはグライムズに、不在のペインを見つけ出してマイクを移植者リストに載せるよう要求、その一方でターナーから保険会社が経費削減のため定期健診の項目を削除しており、そのせいでマイクの病状が見過ごされていた事実を知ります。ジョンQは1時間以内に要求が通らなければ人質を殺すと脅し、市警本部長のガス・モンロー(レイ・リオッタ)は事件解決のためなら強硬手段も辞さない構えを見せました。
ジョンQは人質の中で、婚約者のジュリー(ヘザー・ウォールクィスト)にDVを加えていたミッチ(ショーン・ハトシー)を叩きのめし、まず妊婦や子供連れの女性から解放していきました。一方でグライムズとペインはマイクに付き添うデニーズの元に向かい、ペインはマイクをリストに載せることを約束しましたが、グライムズはペインの言うことが嘘であることを見抜いていました。
ランプリーもクルーを引き連れて現場で取材を開始、インタビューに応じたジミーは今のアメリカ社会を批判すると共にジョンQを支え続けると発言しました。しかし、その一方でモンローはジョンQを狙って狙撃手を差し向ける方針を固め、異を唱えるグライムズを任務から外して自ら指揮を執ると言い出しました。
ジョンQ 最後の決断の結末
モンローが差し向けた狙撃手はジョンQに見つかって叩きのめされ、その事実はランプリーのクルーによって全国各地に配信されました。ジョンQは自分が狙われたことで、病院側がマイクを助ける気が全くないことを悟りました。
モンローはやむなくグライムズを再び現場指揮の任に就け、ジョンQはグライムズと直接交渉してマイクを救命室に移せば人質全員を解放して自らは投降すると告げ、ジョンQの意思に心を打たれたペインはようやくマイクを移植登録することに決めました。
病院前に駆け付けた民衆たちがジョンQに声援を送るなか、ジョンQはドナーが見つからないことから自分は自殺するので心臓を摘出してほしいとターナーに懇願しました。その時、たまたま交通事故死した女性の遺体が病院に運ばれ、ドナー登録していたため検査したところ、彼女の血液型が奇蹟的にもマイクと一致していることが判明しました。デニーズは自殺しようとしたジョンQを説得して思いとどまらせ、マイクはすぐさま手術を受けて無事成功しました。ジョンQは約束通りに人質全員を解放して投降、この事件をきっかけに様々な著名人がアメリカの医療制度や保険制度を批判することとなりました。
3ヶ月後、ジョンQは裁判にかけられ、人質監禁の罪で有罪判決を受けました。移送されるジョンQは回復したマイクから「さよなら」を告げられると、「“またね”だろ?」と返しました。
以上、映画「ジョンQ 最後の決断」のあらすじと結末でした。
温情的映画だから自分は好き