宴の紹介:1967年日本映画。二.二六事件を題材に、クーデターに参加した青年将校と、料亭の娘の実らぬ恋を描いた物語です。藤岡弘、田村高廣、岡田英次、菅原文太、江守徹らがわきを固める豪華キャストの松竹映画です。
監督:五所平之助 出演者:岩下志麻(観世鈴子)、川辺久造(観世扇之丞)、中山仁(舘隆一郎)、高橋昌也(白坂世紀)ほか
映画「宴」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「宴」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「宴」解説
この解説記事には映画「宴」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
宴のネタバレあらすじ:起
白坂鈴子(岩下志麻)は士官学校へ通う兄の世紀(高橋昌也)がいました。世紀は体を悪くして入院した時、世紀の同期の舘隆一郎(中山仁)が見舞いに来ました。世紀は舘に士官学校を辞めると言い、舘が止めますが世紀の意思は固く、舘は鈴子と話を交わして帰りました。鈴子は舘に恋しており、舘も好意を寄せていましたがは決して自分からはそういうそぶりを見せませんでした。
兄の退院後、自宅に刑事たちがきました。世紀が共産主義の思想で活動をしているための家宅捜索でした。父親は、息子の赤の思想に困惑し、親子の縁を切るとまで言いました。料亭では舘ら青年将校たちが宴席をもうけていました。その店は鈴子の両親が経営する店でした。鈴子は舘の様子を覗き、二人で隠れて話し込みました。その時、舘は自分は軍人として一人で生き、死んでいくと自分の考えを話しました。その言葉を聞いて鈴子は舘に告白しますが、舘は自分の好きだが、一生独り者でいるつもりだと言いました。
宴のネタバレあらすじ:承
鈴子に縁談話が持ち上がりました。相手は観世流謡曲の家元の次男・観世扇之丞(川辺久造)でした。母親は、息子の世紀が共産主義に走ったことから、この縁談は無理だろうといい、さらにしきたりの厳しい世界に飛び込むのは苦労が多いと乗り気ではありませんでした。鈴子は舘に会いに行きました。そして観世扇之丞と結婚することになったと話し、舘が止めて、自分と一緒になろうという言葉を待ちました。しかし舘は、しばらく無言の後、鈴子に別れを告げました。
そして鈴子は観世扇之丞の元に嫁ぎました。扇之丞に尽くし、良き妻になるよう努めましたが、夜の営みだけはその気になれず、終わった後はいつも口を洗っていましたが、遂に扇之丞に洗っているところを見られ、扇之丞は鈴子に冷たい態度をとりはじめました。
宴のネタバレあらすじ:転
兄の世紀から電話が入りました。舘の満州行きが決まったという知らせでした。そして満州へ行ったら生きて帰れないから一度会っておけと言いました。鈴子は夫の演じる歌舞伎の公演の招待状を達に送りました。公演前日具合が悪くなり倒れた鈴子に対し、扇之丞は明日の公演へ行くのはやめた方がいいと言いますが、鈴子は大事なお客様なので行くと言いました。
そして公演の当日、座って見ている鈴子の元へ舘が来ました。公演を二人で見終わった後、終電の時間がせまっていました。鈴子は乗らないと言って、終電をやり過ごしました。舘は二人で歩こうと言って雪の降る路地を歩きました。鈴子はあまりの寒さに歩けなくなりました。鈴子の手足は冷え切っていたため、舘が自分の吐息で手を温め、足の指は自分の口に入れて温めました。鈴子は官能の世界に陥りました。
宴の結末
舘のぬくもりが忘れられない鈴子は、気持ちを切り替える為に扇之丞に夜の営みを求めますが断られました。そのころ、舘ら青年将校たちは、新しい政権を作るためのクーデター計画に参加していました。舘ら青年将校らは、磯部らの部隊の洗脳にあい、遂に安藤大尉が参加を決めました。
そして2月26日、舘ら青年将校たちは斉藤大臣の自宅を襲撃し、占拠しました。二.二六事件の勃発でした。しかし、裏で手引きをした人たちは、騒動が大きくなりすぎて、青年将校らを見捨てました。やがて舘らは逮捕され収監されました。
死刑判決を受けた舘に、世紀と鈴子が面会に行きました。最後の別れを告げ、やがて舘らは銃殺刑に処されました。一方、鈴子は、舘の実家のある場所に行き、二人で歩いた断崖から海に身を投げました。
以上、映画「宴」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する