ベニーズ・ビデオの紹介:1992年オーストリア映画。ミヒャエル・ハネケ監督の長編第2作目となるのが本作。感情の氷河化と評する通り少年ベニーがビデオカメラを通して映し出される物が何とも冷たく映ります。それは人の死であっても同様でした。子供なのに落ち着き払ったベニーがとても印象的です。
監督:ミヒャエル・ハネケ 出演:アルノ・フリッシュ(ベニー)、アンゲラ・ヴィンクラー(アンナ)、ウルリッヒ・ミューエ(ゲルログ)、ほか
映画「ベニーズ・ビデオ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ベニーズ・ビデオ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ベニーズ・ビデオの予告編 動画
映画「ベニーズ・ビデオ」解説
この解説記事には映画「ベニーズ・ビデオ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ベニーズ・ビデオのネタバレあらすじ:起
少年ベニー(アルノ・フリッシュ)の趣味はビデオ撮影とビデオショップに通うこと。人が血を流す映画を見ても何も感じなくなった彼が魅了されていたのは、自らが撮影した豚の虐殺ビデオでした。
ある日、ベニーは偶然街で知り合った少女を家に誘いだし、お気に入りの豚の虐殺ビデオを見せます。そして彼女が退屈になり帰ろうとすると、父親から盗んだ豚の虐殺用の銃を見せびらかして気を引こうとするのでした。
ベニーズ・ビデオのネタバレあらすじ:承
彼女に銃を持たせ「撃てよ」と挑発、挑発に乗らなかった彼女に逆に挑発されてしまい、彼女に銃を向けたベニーは挑発されカッとしたのか、思わず引金を引いてしまうのです。腹部を撃たれて悶絶している彼女を助けようとするベニーでしたが拒絶されてしまいます。
するとベニーは豚を虐殺するかの如く、一発二発と彼女に銃を撃ち込んでいくのです。一連の流れはしっかりビデオに録画されていました。
ベニーズ・ビデオのネタバレあらすじ:転
殺人を犯したベニーは特に悪びれる様子もなく、いつも通りの日常を過ごします。死体は適当に後始末し、そのまま友達の家に遊びに行きます。その帰り道に床屋に行き、頭を丸坊主にしてもらったりします。ベニーの心境は人を殺したあともいつもと変わらず平常心のままです。帰宅すると、父親のゲルログ(ウルリッヒ・ミューエ)から説教されたベニーはまさかの行動に出ます。自らが殺人を犯したビデオを両親に見せたのです。
息子ベニーのまさかの真実を見せられた父ゲルログと母アンナ(アンゲラ・ヴィンクラー)は、大きな衝撃を受けてしまいます。ベニーを問い詰めても、ベニーは「どうかな、って思って」と答えるだけでした。
ベニーズ・ビデオの結末
大事な息子の将来、そして自らの生活を守りたい二人は、ある衝撃の行動に出ます。二人で話し合った結果、死体を処分することにしたのです。遺体を細かくバラバラにして流してしまうという事を考えます。ゲルログがそれを実行している間、アンナとベニーは旅行に行き、全てを忘れるかのように一時のバカンスを楽しみます。時折ゲルログに連絡をとり、不安そうに状況を確認するアンナの様子を見て、ベニーも初めて不安を口にします。
二人が帰国してゲルログが迎えに来ました。まるで何もなかったかのような、さばさばした表情で何も心配いらないとベニーに告げます。アンナもようやく肩の荷が下りたかのような表情です。またいつもの生活に戻れる、そう思っていました。
数日後、ベニーは男にビデオを見せます。それはあの殺人ビデオでした。警察に呼び出される両親、先に来ていたベニーは「ごめん」と二人に謝ります。呆然と立ち尽くすゲルログとアンナ。最後に平然とベニーは「もう帰っていいですか?」と尋ねるのでした。
以上、映画「ベニーズ・ビデオ」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する