スティング/ブリムストン&トリークルの紹介:1982年イギリス映画。知り合いと偽って他人の生活に入り込む奇妙な男のドラマ&サスペンス作品。マーティンは赤の他人に「久しぶり」と声をかけ、知人を装って近付く詐欺師だった。押しの弱い中年男性トムに目をつけたマーティンは、彼の家に押しかけ居座ろうとする。寝たきりの一人娘パトリシアとその看護に疲れた母ノーマを観察したマーティンは、追い出そうとするトムを巧みな話術で追い詰めていく。
監督:リチャード・ロンクレイン 出演者:スティング(マーティン)、デンホルム・エリオット(トム・ベイツ)、ジョーン・プロウライト(ノーマ・ベイツ)、スザンナ・ハミルトン(パトリシア・ベイツ)ほか
映画「スティング/ブリムストン&トリークル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スティング/ブリムストン&トリークル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「スティング/ブリムストン&トリークル」解説
この解説記事には映画「スティング/ブリムストン&トリークル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スティング/ブリムストン&トリークルのネタバレあらすじ:奇妙な男と疲弊した家族
舞台はイギリス、ロンドン。行き交う人々を1人の青年が熱心に観察しています。彼の名前はマーティン。赤の他人に知人を装って近付き、何かしらの利益を得ている詐欺師です。この日、運悪くマーティンに目をつけられたのは押しの弱そうな中年男性トム・ベイツでした。わざとトムにぶつかったマーティンは、驚いた顔を作って久しぶりだと声を掛けました。当然トムに心当たりはありませんが、思わず適当に話を合わせてしまいます。
会話の流れでトムにパトリシアという娘がいること、彼女が交通事故で脳に損傷を負い寝たきりであることを知り、その友人という設定を作り上げたマーティン。そしてずっとアメリカにいたもののパトリシアの事故を知って慌てて帰国したと嘘をつきました。マーティンは大げさによろめいてトムにもたれかかります。困り果てたトムは車を取ってくると嘘を言い、マーティンを放置して郊外の自宅に帰りました。
置いて行かれたと気付いたマーティンは腹を立てますが、盗んでおいたトムの財布を調べて家を割り出します。帰宅したトムは味気ない夕食に不満を漏らしていました。パトリシアが事故に遭ってから4年、看護と家事に忙しい妻のノーマは疲れきって料理の手を抜いています。パトリシアは意味を成さない声を発し、頻りにベッドの上で体を動かしていました。意思の疎通は出来ません。それでもノーマはパトリシアの回復を信じています。しかしトムは神も奇跡も希望も無いと吐き捨てました。
その時、思わぬ客がやって来ます。マーティンです。彼は財布を届けに来たと嘘をつきました。ノーマは感謝しますが、トムは後ろめたさと気味悪さを感じます。
スティング/ブリムストン&トリークルのネタバレあらすじ:マーティンの企み
パトリシアを見舞ったマーティンは、彼女と自分は恋人同士だったと言い出しました。一度はプロポーズしたものの断られてしまい、考えたいと言ったパトリシアの答えをずっと待っていたのだと。次から次と嘘を並べるマーティンは、パトリシアの力になりたいので少し泊めてくれないかと頼みます。看護の疲れを労わるマーティンに、ノーマはすっかり気を良くして騙されてしまいました。トムは何とか家から追い出そうとしますが結局失敗に終わります。
深夜、眠れないトムはパトリシアが事故に遭った日のことを考えていました。事故当日、トムは会社で不倫関係にある秘書とセックスに耽っていました。パトリシアはそれを目撃してしまい、ショックのあまり不潔だと叫んで道路に飛び出してしまったのです。娘の人生を狂わせた元凶が自分であることに、トムはずっと苦しんできました。
翌朝。トムはマーティンを気にしながら家を後にします。マーティンは言葉巧みにノーマを美容院へ行かせ、自分はパトリシアと2人きりになりました。彼女に食事を与えながら、服を脱がせて体を触りニヤニヤと笑います。しばらくして帰宅したノーマは、マーティンが家事を終わらせていたことに感激しました。マーティンは愛の素晴らしさを説き、パトリシアのために神に祈りを捧げます。ノーマは感動して涙を流しますが、パトリシアはどこか怯えている様子でした。
スティング/ブリムストン&トリークルのネタバレあらすじ:形勢逆転
仕事から帰ったトムは、ノーマがパトリシアをマーティンに任せて外出したと聞き怒りを滲ませます。パトリシアの体を不純な目的で見たり触ったりしていないかと疑うトムに、マーティンは愛をもって行っていることだと怒って部屋を出ていきました。すっかりマーティンの味方になったノーマは、彼に同情してトムの発想に嫌悪感を示します。マーティンは神妙な顔を作り、疑われているならこの家を出て行くと言い出しました。
ノーマは、トムはいつも厳格にチェックしないと気が済まないのだと話します。パトリシアの下着までチェックしていたと暴露され、動揺したトムはついノーマを怒鳴りつけてしまいました。マーティンは、辛い時こそ家族は助け合わなければならないと語りかけます。今パトリシアに必要なことは話しかけること、愛すること。そして力強く自由に愛してくれる男性なのだと。ついにトムもマーティンを認め、彼を受け入れてしまいます。
スティング/ブリムストン&トリークルのネタバレあらすじ:暴かれた嘘
翌日。マーティンは上機嫌で家の仕事とパトリシアの世話をこなします。マーティンは料理の腕が素晴らしく、トムもすっかり骨抜きにされてしまいました。ベイツ夫妻とマーティンは久しぶりの酒を楽しみ、希望が見つかった記念に賛美歌を歌います。
その日の深夜、マーティンは足音を忍ばせパトリシアに近付きました。彼女の口を塞ぎ、服を剥いで襲いかかろうとします。すると突然パトリシアが絶叫し、思い切り暴れ出しました。騒ぎに気付いたトムが慌てて駆けつけると、マーティンは窓ガラスを破って逃走します。
困惑しながらもトムがパトリシアの衣服を直してやると、彼女は突然明瞭な発音で「パパ」と言いました。驚いているとノーマが遅れて駆けつけ、パトリシアを抱きしめます。パトリシアは「何て事を!」と叫び、母の腕の中で父の不倫を糾弾しました。ノーマは声もなくトムを見つめます。
スティング/ブリムストン&トリークルの結末:見知らぬ男
マーティンは怪我をした体で、次のターゲットを捜していました。トムと同じ手口で男性に近付くと、相手は急に笑顔になります。そして2、3年ぶりだと肩を組む男性に、マーティンは訳が分からずぎこちない笑顔を浮かべました。彼に連れられたマーティンが夜の街に消えて行き、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画「スティング/ブリムストン&トリークル」のあらすじと結末でした。
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