ブレス あの波の向こうへの紹介:2017年オーストラリア映画。オーストラリアの小さな街。初めてサーフィンの楽しさを知り、まるで広い世界の中心にいるような感覚になった多感な少年たち。これまでに体験したことのなかった仲間意識やライバル心などの新しい感情。物語は大人になった主人公パイクレットが過去を振り返る形で語られ、70年代に生きた少年がサーフィンを通じて恋の痛みやたくましさを身につけ大人へと成長していく姿を描く。原作は日本の直木賞にあたるオーストラリアで最も栄誉あるマイルズ・フランクリン文学賞を受賞したティム・ウィントンによる自伝的小説『ブレス』。本国では5週連続トップ10入りを果たし、2018年インディーズ映画で1位の大ヒットを記録した。
監督:サイモン・ベイカー 出演:サイモン・ベイカー(サンドー)、エリザベス・デビッキ(イーヴァ)、サムソン・コールター(パイクレット)、ベン・スペンス(ルーニー)、リチャード・ロクスバーグ(パイク氏/パイクレットの父)、レイチェル・ブレイク(パイク婦人/パイクレットの母)ほか
映画「ブレス あの波の向こうへ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ブレス あの波の向こうへ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
「ブレス あの波の向こうへ」の予告編 動画
映画「ブレス あの波の向こうへ」解説
この解説記事には映画「ブレス あの波の向こうへ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「ブレス あの波の向こうへ」のネタバレあらすじ:起
1970年代、オーストラリア南西部の小さな街。
高校生のパイクレット(サムソン・コールター)は読書好きで、少し内向的な少年でした。一緒に住んでいる両親は心配性で典型的な堅物ではありましたが、深い愛情で息子を育てていました。
パイクレットの親友ルーニー(ベン・スペンス)は、好奇心旺盛で負けず嫌い。暴力をふるう父親から逃げるようにパイクレットの家で過ごす日々も少なくありませんでした。
生活環境も性格も全く異なる2人でしたが、パイクレットは無鉄砲で向こう見ずなルーニーにどこか憧れを持ち、背中を追うようにして日々を過ごしていました。
ある日のこと、パイクレットとルーニーはこれまで行ったことがなかったソーヤー岬で、ミステリアスな男性サンドー(サイモン・ベイカー)と出会います。高々とうねる波に優雅に乗るサンドーの姿を見た2人はすっかり魅了され、サーフィンに憧れを持つようになりました。
「ブレス あの波の向こうへ」のネタバレあらすじ:承
早速発泡スチロールでお手製サーフボードを作り、サーフィンをはじめた2人。
いずれ本物のグラスファイバー製のボードを手に入れると決意し、巻き割りのバイトをしながらサーフィンを練習する毎日を送っていました。
数か月たち、2人はついに新しいボードを手に入れます。早速海へ向かうと2人はおおはしゃぎ。大興奮のまま家路につく2人に声をかけた者がいました。あのサンドーです。
パイクレットとルーニーはサンドーからサーフィンを教えてもらうことになり、いつしか人生の師となるほど影響を受けていきました。
毎日のようにサンドーとアメリカ人の妻イーヴァ(エリザベス・デビッキ)が暮らすログハウスへ通いつめるパイクレットとルーニー。特にパイクレットにとってはイーヴァの妖艶な雰囲気も刺激となっていました。
「ブレス あの波の向こうへ」のネタバレあらすじ:転
ある日、少年2人はガレージでサンドーがプロサーファーとして表紙を飾る数々の雑誌や新聞が入った段ボールを見つけます。のちにサンドーは元プロサーファー、イーヴァはスキーのフリースタイルで活躍した過去を持っていたことを知ります。夫婦は命の危険を冒すスポーツのスリルに魅せられ、結果イーヴァは膝を壊して静養のためにここオーストラリアへ来たことがわかりました。しかし夫婦は過去については多くを語りません。サンドーから伝えられるのは、さらに命の危険をも脅かす危険な波へと挑ませる言葉でした。
恐いもの知らずのルーニーはサンドーの挑発通り、巨大な波に果敢にチャレンジしていきますが、パイクレットはそこで怖気付き、ビビりの烙印を押されてしまいます。
そんなパイクレットを置いて、サンドーとルーニーは東南アジアへ波乗りツアーへ出て行ってしまいました。パイクレットにとって一番辛かったのは、それをイーヴァの口から聞かされたことでした。イーヴァはパイクレットを抱きよせ、互いの傷を舐め合うように身体を求め合いました。なし崩し的にこの関係が続いた挙句、パイクレットは同級生の彼女や両親から少しずつ距離を置いていくのでした。
「ブレス あの波の向こうへ」の結末
しかし、パイクレットとイーヴァの間柄にも陰りが出てきます。
孤独を埋めるための2人の関係から、より危険な情事へ。イーヴァは現役選手だったころに味わった危険を冒すスリルに代わるものとして窒息プレイを求めていくようになります。そんな彼女に少しずつ違和感と恐怖心を持ち始めるパイクレット。
そんなある日、パイクレットはイーヴァの腹が膨れていることに気が付きます。それを機に拒否する姿勢を決意。それまで受け身だったパイクレットがはじめて自分の意志を人へ突き付けた瞬間でした。
まもなくサンドーとルーニーが東南アジアから戻りました。2人は近日来るより高い波へパイクレットを誘いますが彼はこれを断ります。
「ビビっているわけでもなく、凡人なわけでもない。ただ好きではないだけだ」と。
時は経ち、パイクレットのナレーションは、その後にルーニーが頭を撃たれて亡くなったことを告げました。ルーニーと川で遊んでいた子供時代の日々を回想し、「驚きはしなかったけれど悲しかった」と静かな声で語られたのでした。
以上、映画「ブレス あの波の向こうへ」のあらすじと結末でした。
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