マイ・フレンド・メモリーの紹介:1998年アメリカ映画。大きな体に似合わず内気な少年と、不治の病を患う利発な少年との友情を描くヒューマン・ドラマ。マックスは恵まれた体格を持ちながらも学習障害があり、父親が犯罪者ということもあって不良グループからいじめを受けていた。ある日隣家にケビンという少年が越してくる。賢く前向きな彼と一緒に過ごす内に、次第に友情と勇気を育んでいくマックス。しかしケビンは不治の病を患い、余命いくばくもない体だった。
監督:ピーター・チェルソム 出演者:エルデン・ヘンソン(マクスウェル・ケイン)、キーラン・カルキン(ケビン・ディロン)、シャロン・ストーン(グエン・ディロン)、ハリー・ディーン・スタントン(グリム)、ジーナ・ローランズ(グラム)ほか
映画「マイ・フレンド・メモリー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マイ・フレンド・メモリー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マイフレンドメモリーの予告編 動画
映画「マイ・フレンド・メモリー」解説
この解説記事には映画「マイ・フレンド・メモリー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マイフレンドメモリーのネタバレあらすじ:正反対の2人
舞台はアメリカ、シンシナティ。中学校に通うマクスウェル・ケイン(愛称マックス)は、恵まれた体格ながら内気でいつも下を向いている少年でした。学習障害があり、父親ケニーが州立刑務所に服役中ということも自信の無さに拍車をかけています。そんなマックスは格好のいじめの的で、特にブレイドという少年が率いる不良グループからはいつも頭が空っぽだと笑われていました。母方の祖父母の家で暮らすマックスは、地下の自室に引きこもってばかりいます。
そんなある日、隣家にディロン親子が引っ越して来ました。シングルマザーのグエンと、マックスと同じ年頃の息子ケビンです。ケビンは生まれつき難病モルキオ症候群を患っており、腰が曲がった小さな体をしていました。マックスは週末になると、学習が遅れている生徒のための読書クラスに参加しなければなりません。席に着いて待っていると、現れたのは松葉杖をついたケビンでした。
彼は非常に物知りで物怖じしない性格のため、マックスに読書の仕方を教えることになったのです。本を持っていないと言うマックスに、ケビンが差し出したのはアーサー王の物語でした。マックスに目を瞑らせたケビンは静かに読み聞かせを始めます。言葉のイメージを繋ぎ合わせれば場面が見えてくると話すケビン。「君に想像力があればね」と言う彼は、マックスの読書に辛抱強く付き合ってくれました。
マイフレンドメモリーのネタバレあらすじ:騎士ごっこ
ある日、ケビンは川辺で行われる花火大会に連れて行って欲しいとマックスに頼みます。恵まれた体格を活かし、用心棒をしてくれと5ドルを差し出しました。花火大会当日、小さなケビンは人ごみの中打ち上がる花火を見ることが出来ません。するとマックスの体が自然に動き、ケビンを肩車していました。2人は最高の気分で花火を楽しみます。その帰り道、ブレイド達に遭遇したマックスとケビン。マックスは怯えますがケビンは怯みません。マックスが足、ケビンが頭となって見事不良グループを撃退し、警察にまで感謝されてしまいました。
そして次の日から、マックスはケビンを肩車して色々なところへ出かけました。2人はアーサー王の円卓の騎士になったつもりで、勇気ある行動を重ねていきます。ある日、ケビンはブレイド達が盗んだバッグを持ち主に返すためマックスに声をかけました。持ち主の名前はロレッタ・リー。古いアパートに住んでいます。ロレッタと彼女のパートナーであるイギーは、マックスを見てケニーにそっくりだと驚きました。イギーは以前、刑務所でケニーと一緒だったそうです。嫌な記憶を掘り起こされたマックスは部屋を飛び出しました。
追いかけたケビンは、自分の父は難病のことを知って逃げ出したのだと明かします。しかし父親が何をしていようと、自分自身とは何の関係も無いと言い切りました。2人は自分達を怪物の勇者フリークと名付け、以降父親の話はしませんでした。
マイフレンドメモリーのネタバレあらすじ:トラウマとの対峙
マックスはケビンと一緒に順調に学校生活を送っていました。ところがそんな折、ケニーが仮釈放されたと知らせが入ります。強烈なトラウマを持つマックスは酷く怯えました。更に学校でケビンが倒れ入院することになります。医師がグエンに宣告したケビンの余命は、長くても1年。ショックで泣き叫ぶグエンをマックスは必死に慰めます。
2週間後、ケビンは退院しましたが学校には戻れませんでした。ケビンはマックスを秘密の場所へ連れて行きます。そこはケビンに新しい体を提供するための研究所で、今は生体移植の準備をしていました。世界初のバイオ人間になるのだと笑うケビン。ところが思いがけない事件がマックスを襲います。深夜、接近禁止令を破って家に侵入したケニーに誘拐されてしまったのです。パトカーの到着で騒ぎを知ったケビンは、マックスを助けるためロレッタを訪ねることにしました。
ちょうどケニーもイギーに頼み、アパートの一室に身を潜めたところでした。そこに食事を届けに来たロレッタは、何とかしてマックスを逃がそうとします。しかし失敗に終わり、ケニーに殺されそうになってしまいました。怒りを爆発させたマックスは、ケニーが自分の母を殺害したのだと叫びます。それはマックスがケニーに怯えるあまり、ずっと誰にも言えなかった真実でした。更に部屋にケビンが飛び込んで来ます。不自由な体で悪戦苦闘しながらたどり着いたケビンは、アパートの住人に警察へ通報するよう頼んでいました。ケニーは警察に捕まり、刑務所へ逆戻りとなります。
マイフレンドメモリーのネタバレあらすじ:最後の贈り物
ケニーの件が落ち着いた頃、マックスとケビンの家は1週間遅れのクリスマスを一緒に祝いました。ケビンはマックスに「勇者フリーク」と書かれた本をプレゼントします。しかし中には何も書かれていません。戸惑うマックスに、ケビンは目を瞑るよう言いました。イメージを膨らませ、文章を繋ぎ合わせるのだと。「君に想像力があればね」と言って笑うケビン。それが最後の会話になりました。
その夜、ケビンは眠ったままこの世を去ります。祖母からケビンの死を聞かされたマックスは信じられず、裸足のまま外に飛び出しました。ケビンを乗せた救急車に追いつくとグエンが姿を見せます。彼女は、ケビンは長く生きられないと分かっていても精一杯生きたと話しマックスを抱きしめました。救急車が去った後、ケビンは秘密の研究所へ走ります。勝手に中に入ってみると、そこは研究室ではなく病院のランドリーでした。全てを理解したマックスはその場に泣き崩れます。
マイフレンドメモリーの結末:ケビンが遺したもの
マックスはケビンの死から立ち直れず、何日も地下の部屋に引きこもっていました。ケビンの葬儀にも出ず、グエンが引っ越したことも知らないまま塞ぎ込んでしまいます。ある日、町で偶然で会ったロレッタに最近の調子を聞かれ、何もしていないと答えました。するとロレッタは「何もないって退屈よ 考えてみて」と笑います。そう言われ、マックスは少しずつ色々なことを考えるようになりました。そして学校でも自分の意見をしっかり伝えられるようになります。
マックスは考えたことを繋ぎ合わせ、本を書くことにしました。ケビンがくれた本に一心不乱に文章を綴り、やがて春がやって来る頃最後のページに到達します。マックスは「偉大な人生を歩んだ者は 永遠のヒーローとして生き続けるだろう」と考え、アーサー王の墓の絵を描きました。勇者フリークの物語が完成し、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画「マイ・フレンド・メモリー」のあらすじと結末でした。
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