今さら言えない小さな秘密の紹介:2018年フランス映画。 仏プロヴァンヌ地方のとある村に伝説の男タビュランがいた。彼は少年の頃に自転車で空中回転を成し遂げ、曲乗りの天才と称えられた村のヒーロー。しかし両親を自転車事故で亡くしたマドレーヌと結婚をしたことを機に自転車乗りを封印。今では自転車店を開業し、充実した日々を送っていた。ところがパリからやってきた著名な写真家に自転車で疾走する姿を撮らせてほしいと頼まれたことから、タビュランの人生は窮地へ追い込まれることとなる。本当はタビュランは自転車に乗れない男だった!追い詰められたタビュランは意外な行動へ出る。原作はフランスの国民的作家にして漫画家でもあるジャン=ジャック・サンペの絵本。サンペ自らが共同脚本に参加、監督を名プロデューサー、フィリップ・ゴドーを父に持つ新鋭ピエール・ゴドーがつとめ人間関係の尽きない悩みを題材に生きるためのヒントが詰まった物語。
監督:ピエール・ゴドー 出演:ブノワ・ポールヴールド(ラウル・タビュラン)、エドゥアール・ベール(エルヴェ・フィグーニュ)、スザンヌ・クレマン(マドレーヌ)、ヴィクター・アッシェ(20歳のタビュラン)、グレゴリー・カドボワ(タビュランの父)、イローナ・バシェリナ(20歳のマドレーヌ)、ティミ・ジョイ・マーボ(11歳のタビュラン)、テオ・ガレット(6歳のタビュラン)ほか
映画「今さら言えない小さな秘密」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「今さら言えない小さな秘密」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
今さら言えない小さな秘密の予告編 動画
映画「今さら言えない小さな秘密」解説
この解説記事には映画「今さら言えない小さな秘密」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
今さら言えない小さな秘密のネタバレあらすじ:起
南フランスのサン・セロン村。ここでラウル・タビュランは小さな自転車店を営んでいました。彼はボールペアリングや変速機にとても詳しく好評で、村では自転車のことを“タビュラン”と呼ぶほどでした。
彼は美しい妻マドレーヌと2人の子供たちと一緒に幸せな生活を送っていました。
ところが、タビュランには誰にも言えない秘密がありました。実は補助輪なしでは自転車に乗ることができません。彼は6歳の頃からこの秘密をずっと隠し続け、やがて自転車修理の名士となりました。
今さら言えない小さな秘密のネタバレあらすじ:承
そんな中、パリで活躍している著名な写真家エルヴェ・フィグーニュが村に引っ越してきました。タビュランはフィグーニュとすぐに意気投合。これまでに友達がいなかったタビュランの大親友となりました。
時はさかのぼり、タビュラン6歳。郵便配達人をしていた父親はタビュランに後を継がせるために、補助輪を付けた自転車で配達に同行させていました。やがて補助輪が外されると、乗れないことを隠すために勉強を言い訳に配達から逃げるようになっていったタビュラン。自転車で迎えに来る友達とも遊べずやがて引きこもりになっていったのでした。
しかし避けられない出来事が起こります。先生引率のもとクラスメイトで行くサイクリングにタビュランも参加することになりました。みんなが待つ湖のほとりにむかって自転車を勢い任せに走らせ坂道をおもいっきり下っていきます。そのまま自転車は止めることができず、回転しながら湖へとまっさかさま。まるで曲芸のようなパフォーマンスにクラスメイトたちはびっくり。それ以来、村の人々はタビュランを自転車乗りの名人とヒーロー扱いしたのでした。
今さら言えない小さな秘密のネタバレあらすじ:転
タビュラン20歳。父親は誕生日プレゼントに自転車をプレゼントしました。さすがに心苦しくなったタビュランはついに父親に告白することを決意します。
大雨の日、配達に出かけようとする父親にタビュランは言います。「本当は自転車に乗ることができない。配達人として後を継ぐことができない」と。しかしその直後です。雷が父親めがけて落ち、そのまま帰らぬ人となってしまいました。秘密はまた守られることとなります。
その後、タビュランは両親を自転車事故で亡くしたマドレーヌを妻として迎えます。それを機に自転車を封印。自転車屋を開き、穏やかな日が送れるはずでした。
時は流れ、ある日のこと。パリで写真家として活躍しているエルヴェ・フィグーニュが村へ引っ越してきました。フィグーニュはすぐにタビュランと打ち解け親友となりましたが、タビュランが自転車で走っているところを撮りたいと申し出てきたことでタビュランは心乱されてしまいます。タビュランは撮影の機会をなくそうとありとあらゆる手段を使って阻止することを試みますが、ことごとくうまくいきません。
しかしついに諦めました。笑い者になることを覚悟し、村で有名な急斜面の崖を背景に写真を撮ることを了承します。
今さら言えない小さな秘密の結末
自転車に乗ったタビュランは力任せに崖の坂道を下っていきました。しかし、そのまま崖から真っ逆さまに落下。体中を骨折し、入院することになりました。
その翌日。タビュランの華麗な曲芸はあっと言う間に村の人々に知れ渡り、拍手喝采で迎えられます。フィグーニュが収めた写真が新聞の一面に載せられたためでした。空を舞うタビュランの姿にみんなが感動しました。
しかし一方で秘密を隠すことに耐えられなくなっていたタビュラン。どうすることもできなくなり、ついにフィグーニュに告白します。
秘密を打ち明けられたフィグーニュは驚く様子もなく静かに口を開きます。「空を舞うタビュランを写真に収めたのは自分の力ではなく倒れたカメラが偶然に撮ったものだ」と。フィグーニュは動く被写体を写真に収めることができないという秘密を抱えていました。
笑われるどころか共感してくれたフィグーニュにタビュランはホっと胸をなでおろしました。
妻マドレーヌもこれまでのタビュランの言動をつなぎ合わせついに秘密に気付きました。タビュランが一番ばれたくなかった相手です。しかし、そんなタビュランをあたたかく見守りやさしく抱きしめたマドレーヌ。怒られるどころか優しく受け止めてもらい、これまで通り自転車屋として再出発したタビュランでした。
以上、映画「今さら言えない小さな秘密」のあらすじと結末でした。
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