RAW 少女のめざめの紹介:2016年フランス,ベルギー映画。ジュリア・デュクルノー監督の長編デビュー作にして、第69回カンヌ国際映画祭批評家週間で国際批評家連盟賞を受賞した作品。主人公の少女が大人へと目覚めていく様子と、人の肉を食べたいという欲望「カニバリズム」に目覚めていく様子が色彩豊かに描かれています。十六歳の少女・ジュスティーヌは家庭での教育によりベジタリアンとして育ちます。両親の母校であり姉も在学している獣医科大学に進学したことで、初めて親元を離れ寮生活となります。しかしそこでは動物の血を浴びる、ウサギの腎臓を食べるなど想像を超えた洗礼儀式が待ち受けていました。ベジタリアンだからといって許される訳もなく、ジュスティーヌは初めて動物を口にします。それからというもの、彼女の体には異変が起き始めます。その原因を突き止めようとするうちに、彼女は自分自身のカニバリズムに気が付いてしまいます。カニバリズムと懸命に向き合おうとするジュスティーヌが知る驚愕の事実とは。
監督:ジュリア・デュクルノー 出演:ギャランス・マリリエ(ジュスティーヌ)、エラ・ルンプフ(アレックス)、ラバ・ナイト・ウフェラ(アドリアン)、ほか
映画「RAW 少女のめざめ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「RAW 少女のめざめ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
RAW 少女のめざめの予告編 動画
映画「RAW 少女のめざめ」解説
この解説記事には映画「RAW 少女のめざめ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
RAW 少女のめざめのネタバレあらすじ:起
十六歳の少女・ジュスティーヌは獣医科大学に進学し、寮生活を始めます。ルームメイトは女性と希望を出していたはずでしたが、同室となったのは男性のアドリアンでした。彼はゲイだからと伝えますが、ジュスティーヌの気持ちは晴れません。
入学を機に、先輩でもある姉のアレックスと再会しますが、彼女はクラブで遊び呆けていたのです。アレックスだけではなく、獣医科の生徒は常に扇情的な服を着ることを求められ、夜はクラブで遊ぶという毎日でした。さらに、一種の洗礼儀式とも呼べるような、しごきが始まります。
新入生は動物の血を浴びせられ、ウサギの腎臓を食べさせられるのです。ジュスティーヌはベジタリアンだからと断ろうとしますが、受け入れてもらえません。仕方なく口にするのですが、痒みを伴う発疹と、ひどい空腹に悩まされるようになります。それが原因で勉強にも身が入らず、彼女は精神を病み始めます。そしてカフェテリアで無意識下にハンバーグを盗むなど、不可解な行動をとるようになるのです
RAW 少女のめざめのネタバレあらすじ:承
日に日に病んでいくルームメイトを見かねたアドリアンは、息抜きにと彼女をバス旅行に連れ出します。そこでジュスティーヌは自らケバブを食べます。初めて自発的に食べた肉の美味しさにめざめ、空腹時に生肉を口にするまでになります。
そんな彼女に追い打ちをかけるように、教授は彼女をカンニングしたのではないかと疑います。ジュスティーヌが見たのか、アドリアンが見たのか問い詰めますが、秀才である彼女は身に覚えがありません。ついには「神童は他の生徒を委縮させるから嫌いだ」と言われてしまいます。ストレスで髪の毛を食べてしまい、トイレで嘔吐するなど精神的に追い込まれていくのです。
そんな中、ジュスティーヌは姉であるアレックスと話すことで気持ちが楽になることに気が付きます。ストレスが強まる一方で、離れて暮らしていた姉との仲は徐々に深まっていきました。
RAW 少女のめざめのネタバレあらすじ:転
アレックスとの仲が深まったジュスティーヌはブラジリアンワックス(脱毛)を勧められます。渋々引き受けますが、あまりの痛みに彼女を突き飛ばしてしまいます。その拍子に、アレックスの左中指が切断されてしまいます。慌てて救急車を呼びますが、ジュスティーヌは欲望が抑えられず、中指を食べてしまいました。
姉は彼女のカニバリズムに気が付き、両親には犬が食いちぎったと嘘をつきます。そしてジュスティーヌを連れ出し、身を挺して交通事故を引き起こします。車に乗っていた男性は即死、アレックスは彼を食べ始めます。アレックスはジュスティーヌより先にカニバリズムに目覚めており、こうして交通事故で人を殺めては食べていたのです。
自分はそうなりたくないと、ジュスティーヌは夜な夜な衝動を抑えるようになります。落ち着いてきた頃、ずっと親身になってくれていたアドリアンと良い雰囲気になります。いざ行為に移ると、彼女の欲望が再び牙を剥きますが、自身の腕を噛んで耐え切ります。
RAW 少女のめざめの結末
ある日、学校へ行くと皆がよそよそしく、ジュスティーヌは不審に思います。アドリアンが見せてくれた動画には、検死体の腕を振るアレックスと、犬のようにじゃれるジュスティーヌが収められていました。彼女は怒り狂い、アレックスと互いの肉をちぎり合うほどの喧嘩をします。
理性を取り戻して仲直りをした二人ですが、朝、目覚めるとジュスティーヌは血まみれになっています。隣に寝ているアドリアンは、足を中心に肉を食べられていたのです。ジュスティーヌは自責の念に駆られますが、部屋には自分以上に血に塗られたアレックスがいたことで、彼女が犯人だと分かります。
アレックスは警察に収容され、両親とジュスティーヌは面会に行きます。その帰り、ジュスティーヌは父親から話をされます。実は彼女たちの母親もカニバリズムに目覚めており、性的興奮により、それが促進されるという性質があるのです。そうして見せられた父親の体は、傷だらけだったのです。先天的なものだと知ったジュスティーヌは絶望します。
以上、映画「RAW 少女のめざめ」のあらすじと結末でした。
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