リュミエール!の紹介:2016年フランス映画。映画を発明したリュミエール兄弟と、監督たちの撮影した108本のフィルムが、当時のままに甦る。芸術作品へのオマージュから、貴重な映像資料まで多彩な作品を選定している。
監督:ティエリー・フレモー 出演者:ティエリー・フレモー(ナレーション)、ほか
映画「リュミエール!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「リュミエール!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
リュミエール!の予告編 動画
映画「リュミエール!」解説
この解説記事には映画「リュミエール!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
リュミエール!のネタバレあらすじ:起・動く写真
ルイとオーギュストのリュミエール兄弟は、動く写真を理想として、1859年にシュメナグラフを発明、同年『リュミエール工場の出口』という作品を撮影した。工場から工員が出てくる作品で、撮影の時間帯などの違いで、いくつものバージョンがあり、最初の映画出演者は群衆と庶民だった。そこに、演出が加わり、当時の絵画へのオマージュや、娯楽を求めた作品、逆回しなどのトリックを交えた作品などが加わっていく。
初期のパノラマ映像は、リュミエール兄弟の住むリヨンの警官や日常風景だった。街中で行われた撮影は、ニュース映像にもなった。初期のフィルムは50秒で、その中に動きや物語を詰め込んだ。
リュミエール!のネタバレあらすじ:承・19世紀のフランス
フランスの仕事をする人々なども被写体となり、当時の炭鉱や、洗濯をする女性たちなど、労働現場の撮影も行われた。
また、騎兵隊の様子や、スポーツ映像としての登山や自転車レースやペタンク(南仏の鉄球を投げて点数を競う競技)なども残されている。
有料の上映会は1900年に万博にあわせてパリで行われた。そして、公開の数日後、ルイはカメラマンを派遣して世界で撮影をしようと決心した。
リュミエール!のネタバレあらすじ:転・世界での撮影
カメラマンは、人や建物を撮影するという使命を負い、ビアリッツやバルセロナ、ヴェネチアをはじめ欧州から、イスタンブールやトルコ、エジプトなどで異国情緒あふれる風景の撮影も行った。
アメリカではブロードウェイを撮影し、上映会も行ったが、同時期にキネトスコープを作っていたエジソンの怒りを買う事になった。
撮影班は中国や日本などアジア諸国も回っており、ベトナムでは寺院で子供達に銭を投げる夫人たちの姿が写され、植民地時代を示す映像資料となっている。
リュミエール!の結末:歴史の転換点と映画
映画は公共授業に使われる新しい機材や、万博で展示された動く歩道、当時はまだ歩道橋、油田の火災、進水式などを知らせる役目も担った。
また、喜劇的な作品や、抽象的な作品は初期から作られ、20年~30年後には、実験映画や特殊効果、劇的な演出などが行われ、時間と運動を記録する芸術の方法として、今と変わらない水準に至る。操り人形や、手彩色のカラー作品も生まれた。
また、リュミエール兄弟のシネマトグラフと、エジソンのキネトスコープの両者の論争と裁判は絶えなかったが、それすら映画になった。
以上、映画「リュミエール!」のあらすじと結末でした。
リュミエール!のレビュー・考察:映画の黎明期
リュミエール兄弟がシネマトグラフと発明してから、映画の進歩は目覚ましい。それまでの舞台演劇と違い、媒体として残るという意味でも既存の演じ手や演出家に与えた影響は計り知れない。また黎明期にはいくつか画家へのオマージュ作品も見受けられた。これはシネマトグラフが写真の延長で、動く写真を作れないかと思考錯誤した結果だと思う。この技術が発明されてから、早いうちに現在でもつかわれるような演出方法や、ファインダーのない時から画面作りが行われていた事に驚く。そして、今や娯楽業の一角を担うまでになった。その発明から、まだ100年と少ししか経過していない。
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