刑事マディガンの紹介:1967年アメリカ映画。リチャード・ドハティの小説『The Commissioner』を映画化したポリスアクション・サスペンス映画です。ギャングに拳銃を奪われるという失態を犯したニューヨーク市警の刑事が、自身や警視総監の身内のトラブルに悩まされながらも犯人を追うのですが・・・。
監督:ドン・シーゲル 出演者:リチャード・ウィドマーク(ダニエル・マディガン)、ヘンリー・フォンダ(アンソニー・ラッセル)、インガー・スティーヴンス(ジュリア・マディガン)、ハリー・ガーディノ(ロッコ・ボナーロ)、ジェームズ・ホイットモア(チャールズ・ケイン)、スーザン・クラーク(トリシア・ベントレー)、ウッドロー・パーフリー(マーヴィン)、シェリー・ノース(ジョーンジー)、スティーヴ・イーナット(バーニー・ベネシュ)、ウォーレン・スティーヴンス(ベン・ウィリアムズ)、ドン・ストラウド(ヒューイ)ほか
映画「刑事マディガン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「刑事マディガン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
刑事マディガンの予告編 動画
映画「刑事マディガン」解説
この解説記事には映画「刑事マディガン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
刑事マディガンのネタバレあらすじ:起
ニューヨーク市警スパニッシュ・ハーレム地区第23分署の刑事ダニエル・マディガン(リチャード・ウィドマーク)は、相棒の刑事ロッコ・ボナーロ(ハリー・ガーディノ)と共にブルックリンで暗躍するギャングのバーニー・ベネシュ(スティーヴ・イーナット)を逮捕しようとアパートに押し入りました。ところが、マディガンとボナーロはベネシュの愛人に気を取られている間に拳銃を奪われ、取り逃がしてしまいました。
本部長チャールズ・ケイン(ジェームズ・ホイットモア)からマディガンとボナーロの失態を知らされた警視総監のアンソニー・ラッセル(ヘンリー・フォンダ)は、二人に72時間以内に拳銃を取り戻すよう厳命しました。
ベネシュが殺人事件の容疑者だと知らされたマディガンとボナーロは焦り、奪われた拳銃を使っての新たな犯罪が起こる前に、何としても奪還しようと誓いました。しかしその一方で、ラッセルは長年の親友であるケインが汚職に手を染めているという事実を掴んでいました。
刑事マディガンのネタバレあらすじ:承
マディガンには妻ジュリア(インガー・スティーヴンス)がいるのですが、ジュリアは仕事熱心で家庭を顧みない夫に不満を抱いていました。マディガンとボナーロは、ベネシュに何度か金を奪われている不動産屋のミジェット・カスティグリオーネ(マイケル・ダン)から情報を得ようとしましたが、あいにく不在であり、一旦自宅に戻ったマディガンはジュリアから普通の暮らしがしたいと責められました。
一方、ケインの動向を探ろうとするラッセルでしたが、ラッセルは愛人である既婚者のトリシア・ベントレー(スーザン・クラーク)から今の関係に疲れたと別れ話を切り出されていました。署に戻ったラッセルは、息子が警官から差別的な暴力を受けたという黒人牧師の訴えを聞き、真実ならば処分すると約束しました。
その頃、マディガンとボナーロはベネシュを恐れて潜伏していたミジェットの居場所を突き止めて尋問、その後マディガンは一人で馴染みのクラブに向かい、疲れ切っていたことから歌手のジョーンジー(シェリー・ノース)の家で一夜を過ごしました。
一方、トリシアとの関係を続けたいラッセルも彼女と一夜を共にしていました。
刑事マディガンのネタバレあらすじ:転
翌日、マディガンとボナーロはベネシュに関連する情報を入手しましたが、結局は人違いでした。その頃、ケインはラッセルに自ら汚職に手を染めたことを認め、ケインの息子が悪事に手を染めていたために、やむを得なかったと白状しました。そしてケインは自分を責めるラッセルに「息子に対する親の気持ちがわかるか?」と問い、辞職すると告げてバッジを返却しました。しかし、ラッセルはケインの退職を認めず、バッジを渡すと共にベネシュ捜査に乗り出しました。
その頃、マディガンはジュリアと口論となり、勤務中にも関わらず仕方なく彼女をパーティーに連れて行きました。マディガンは同僚のベン・ウィリアムズ(ウォーレン・スティーヴンス)にジュリアを任せて捜査に戻り、ジュリアは危うくベンといい雰囲気になりかけましたが持ち直しました。
一方、ベネシュはマディガンから奪った拳銃で二人の警官を襲い、一人を射殺、もう一人に重傷を負わせました。現場からは凶器となったマディガンの拳銃が発見されました。
刑事マディガンの結末
ベッセルに女を提供した男の供述により、ベネシュの居場所が特定されました。マディガンとボナーロは現場に向かい、警官隊が周囲を包囲、ラッセルとケインも駆けつけました。ベネシュは女を人質に取っており、マディガンとボナーロは建物に突入しましたが、マディガンはベネシュの凶弾に倒れてしまいました。
ボナーロはベネシュを射殺し、瀕死のマディガンはボナーロに付き添われながら病院に搬送されましたが、間もなく息を引き取ってしまいました。
病院に駆け付けたジュリアは話しかけてきたラッセルを人殺しだと言って罵倒、ボナーロに支えられながら、その場を去りました。
以上、映画「刑事マディガン」のあらすじと結末でした。
不敵な面構えがニヒルな魅力を生むリチャード・ウィドマークが演じる、ニューヨーク23分署の刑事マディガンは、ある男を不審尋問している最中に、拳銃を盗まれてしまう。
周囲の風当たりは強く、新聞も盛んに彼の不祥事を書き立てた。
必死で拳銃の行方を追うマディガン。
遂に、彼の拳銃で犠牲者が出てしまう。
犯人の居所を突き止めたマディガンは、その部屋に踏み込むのだった——–。
ドン・シーゲル監督の「刑事マディガン」は、刑事もののハードボイルドの傑作だ。
拳銃を奪われた刑事マディガンは、72時間以内に犯人を逮捕しなければならない。
その時間の制約が、この映画に緊張感を与えている。
マディガンを悩ますのは、犯人の逮捕ばかりではない。
仕事一途の彼に、妻は欲求不満なのだ。
警視総監との間もうまくいっていない。
人間ドラマと犯人追跡のサスペンスが、相乗効果をあげて実に見事だ。
死を覚悟で犯人におとしまえをつけるマディガンの行動美学が、実に渋い。