望郷の紹介:1937年フランス映画。1930年代のフランスの映画運動である詩的リアリズムの代表的な作品。アシェルベ探偵が書いた小説を基に、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督が共同で脚本を担当している。1939年のキネマ旬報ベストテンでは見事1位に輝いた。フランス領アルジェリアのカスバを舞台に、多くの犯罪を重ねているが魅力的な人柄の男が美しい女性と恋仲になる。しかしそれは、彼を逮捕すべく警察が仕組んだ罠だった…。
監督: ジュリアン・デュヴィヴィエ 出演者:ジャン・ギャバン(ペペ・ル・モコ)、ミレーユ・バラン(ギャビィ)、リュカ・グリドゥ (スリマン刑事)、リーヌ・ノロ (イネス)、ジルベール・ジル (ピエロ) ほか
映画「望郷(1937年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「望郷(1937年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
望郷(1937年)の予告編 動画
映画「望郷(1937年)」解説
この解説記事には映画「望郷(1937年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
望郷のネタバレあらすじ:起
ペペ・ル・モコ(ジャン・ギャバン)という名の犯罪者を逮捕するために、パリからアルジェリアへ刑事がやって来ます。ペペはフランスで銀行強盗をしたのち、アルジェリアのカスバに入ったのですが、カスバは迷路のように入り組んだ町で多様な人種がいるため、逮捕は困難を極めていました。
刑事たちは合同でチームを組み、ペペの逮捕に乗り出します。しかし、町の人々はペペの人柄に魅了されており、彼が逮捕されることのないよう警察を騙して惑わせます。夜間の警察とペペの手下たちの攻防が行われ、銃声が轟く中、高級なアクセサリーに身を包んだ美しい女性が迷い込んできます。
そこへ逃げたペペがやって来て、女性と運命的な出会いを果たします。結局、警察はこの日もペペを捕まえることは出来ませんでした。
望郷のネタバレあらすじ:承
そこで警察は、今度はペペが弟のように可愛がっている血気盛んな子分のピエロ(ジルベール・ジル)をおとりにして、街へ誘い出して捕まえる方法を思いつきます。ペペは昨日出会った女性のことが頭から離れません。ペペの手下の一人レジスは手紙を使ってピエロを問題なくおびき出します。レジスは警察と手を組んだのです。
その頃、スリマン刑事(リュカ・グリドゥ)はレストランで偶然昨日出会った女性ギャビィ(ミレーユ・バラン)を目にします。彼女は酒造会社のクリップの妻でした。ピエロが町から戻らないことを知ったペペは、レジスに事の真相を聞きに行きます。レジスは命が惜しくなり、取り乱します。そこへ、スリマン刑事とギャビィたちが訪ねてきました。
ペペとギャビィは楽しいときを過ごします。そこへピエロが鬼の形相をして戻って来ました。ペペは彼をレジスと会わせます。しかしピエロは腹部を警察に刺されており、レジスに復讐する前に亡くなってしまいます。代わりにペペの手下が銃でレジスを撃つのでした。
望郷のネタバレあらすじ:転
ペペはピエロが亡くなったことで、ひどくショックを受け、酒浸りになります。ペペは酔っぱらって手下に怒りをぶつけ、街へと走り出します。しかし愛人のイリス(リーヌ・ノロ)が決死の覚悟でペペを止めます。スリマン刑事はギャビィを利用してペペの逮捕に繋げるため、イネスやクリップに告げ口をします。
翌日、クリップはペペに会いに行こうとするギャビィを止めようとしますが、上手くいきません。しかし、その後スリマン刑事がやって来て、ペペが警察との撃ち合いになって死亡したと嘘の情報を伝えます。
ペペはギャビィに宛てて手紙を書き、街に出るという手下のカルロスに託しますが、カルロスが逮捕されたとの情報が入ります。
望郷の結末
しかしペペは、その情報を伝えてきた男の嘘を見破り、さらにギャビィがクリップと共に船で立つことを知ります。ギャビィに会うためカスバの地を離れたペペでしたが、イネスはこのことをスリマン刑事に伝えてしまいました。
ペペは船に乗り込みますが、スリマン刑事と警察がそのあとを追います。そして遂に、ペペは警察に捕まってしまいました。ペペは最後にスリマン刑事に船を見送らせて欲しいと頼みます。外に出てきたギャビィを見かけ彼女の名を叫びますが船の汽笛で聞こえず、結局2人の再会は叶いませんでした。
ペペは隠し持っていたナイフを自らの腹に刺し、亡くなってしまいます。
以上、映画「望郷(1937年)」のあらすじと結末でした。
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