鉄輪(かなわ)の紹介:1972年日本映画。能の演目「鉄輪」を題材に中年男と若い愛人、夫を奪われた妻の三角関係をスリリングに描いた作品。嫉妬から鬼と化した中年女の呪いと男女のエロスをテーマにした新藤兼人監督による実験的な作品であり、カルト色の強い作品として有名です。
監督:新藤兼人 出演者:乙羽信子(中年の女)、観世栄夫(中年の男)、フラワー・メグ(若い女)、殿山泰司(人相見)、戸浦六宏(警部)、ほか
映画「鉄輪(かなわ)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「鉄輪(かなわ)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
鉄輪(かなわ)の予告編 動画
映画「鉄輪(かなわ)」解説
この解説記事には映画「鉄輪(かなわ)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
鉄輪(かなわ)のネタバレあらすじ:起
平安の世。中年の女が蝋燭を突き立てた鉄輪を被り、神社に丑の刻参りをしています。この女は前夫を若い後妻に奪われ、復讐心に燃えています。女は呪いを込めて、五寸釘で藁人形に釘を打ち込みます。時代は変わって、現代のとあるマンションの一室。情事を終えたカップルがベッドに横になっています。電話が鳴り、中年の男が受話器を取りますが、相手は名乗りません。男はこの無言電話に悩まされており、電話の相手が妻なのではないかと戦々恐々としています。男は若い女に入れあげ、ここのところ全く自宅に帰っていませんでした。平安の世、女が五寸釘を藁人形の股に打ち込み続けます。すると若い女が局部を押さえて苦しみ悶えます。
鉄輪(かなわ)のネタバレあらすじ:承
自宅に戻った中年男は離婚して欲しいと妻に懇願しますが、妻は何があっても別れないと聞く耳を持ちません。中年男が無言電話をやめてくれと訴えれば、妻はそんなものどこへかけるのですかなどととぼける始末。夫への恨みつらみを綴った三メートルに及ぶ妻の投書が警察に届き、呼び出された中年男は十五年も連れ添った妻を捨てるのかと警部からなじられます。恐れをなした中年男は若い女と二人で手相占いに行きます。手相占いからは怪しげな妖気が立ち上っている、女の執念を感じると告げられました。平安の世、悪夢に悩まされている前夫は陰陽師安倍晴明に相談へ行きます。清明はこのままでは前夫と後妻は前妻に呪い殺されることになるだろうと忠告します。
鉄輪(かなわ)のネタバレあらすじ:転
無言電話は鳴り止まず、若い女は次第にヒステリーを起こすようになります。中年男と若い女は気分を変えるため蓼科へと旅行へ出かけます。そしてホテルで二人が身体を重ねているとベッド脇の電話が鳴り始めます。そして二人は再び無言電話に悩まされます。若い女は男の妻がこのホテルに泊まっていて、自分達を監視しているのではないかと疑い始めます。二人が部屋の外を監視していると隣の部屋から和装の女が出てきました。妻に違いないと思い込んだ二人はホテルを出て、和装の女の後をつけます。しかし顔を正面から覗いてみればまったくの別人でした。拍子抜けした二人がぼんやりと湖を覗き込んでいると、若い女が何者かに背中を押されて水の中に落下し、危うく溺れかけます。
鉄輪(かなわ)の結末
二人がホテルの部屋に戻ってくると再び無言電話が鳴り始めます。若い女は電話に向かって人殺しと叫び、二人は恐怖に震え上がります。平安の世、清明の祈祷により、前夫と後妻の枕元に鬼と化した女の生霊が現れます。女は前夫と後妻に襲い掛かろうとしますが、神の力により鎮められ、時機を待つと言い残して消滅しました。現代、中年の女が田舎道で衝突を繰り返しながら車を走らせています。中年の女は夫と若い女へ復讐を遂げる機会を虎視眈々と狙っているのでした。
以上、映画「鉄輪(かなわ)」のあらすじと結末でした。
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