ピータールー マンチェスターの悲劇の紹介:2018年イギリス映画。1819年にイギリス・マンチェスターで発生した歴史的事件“ピータールーの虐殺”を『ネイキッド』『秘密と嘘』『ヴェラ・ドレイク』などで知られるイギリス映画界の巨匠マイク・リー監督が映画化した歴史ドラマです。ナポレオンとの戦争が終結したイングランドでは失業者が溢れ、民衆たちの不満が爆発しようとしていました。民主主義を勝ち取ろうとする活動家らは政府への大規模な抗議集会を計画しましたが、政府は武力をもって握り潰そうとしていました・・・。
監督:マイク・リー 出演者:ロリー・キニア(ヘンリー・ハント)、マキシン・ピーク(ネリー)、デヴィッド・ムースト (ジョセフ)、ピアース・クイグリー(ジョシュア)、ティム・マッキナリー(摂政王太子)、ニール・ベル(サミュエル・バムフォード)、フィリップ・ジャクソン(ジョン・ナイト)、レオ・ビル(ジョン・ティアス)ほか
映画「ピータールー マンチェスターの悲劇」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ピータールー マンチェスターの悲劇」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ピータールー マンチェスターの悲劇の予告編 動画
映画「ピータールー マンチェスターの悲劇」解説
この解説記事には映画「ピータールー マンチェスターの悲劇」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ピータールー マンチェスターの悲劇のネタバレあらすじ:起
1815年。一人の若きイギリス兵ジョゼフ(デヴィッド・ムースト)は、ナポレオン率いるフランスとの「ワーテルローの戦い」を生き残り、故郷マンチェスターへと帰還してきました。しかし、故郷は重税と不作、「穀物法」による海外からの輸入制限策などにより、すっかり疲弊しきっており、母ネリー(マキシン・ピーク)は手作りのパイを売り、父や兄弟姉妹は綿花工場での重労働を強いられていました。
ジョセフは戦争で負った傷が元で労働不適格者とみなされ、数年経ってもいまだに定職にありつけずにいました。
マンチェスターやランカシャー周辺では、貴族主導による圧政に不満を募らせていた失業者や帰還兵、運動家、多くの民衆による抗議運動や政治集会が活発化していました。やがてジョセフも仲間たちと共に抗議活動に加わるようになっていきました。
この地を支配する支配者層や治安判事らは民衆の動きを警戒、集会にスパイを送り込んで、情報の収集にあたらせていました。
ピータールー マンチェスターの悲劇のネタバレあらすじ:承
マンチェスターの運動家は穀物法を撤廃すべきだと主張して庶民院へ嘆願書を出そうとしましたが、治安判事により握り潰されてしまいました。多くの運動家が投獄され弾圧されている現状を憂いる運動家のジョン・ナイト(フィリップ・ジャクソン)は、これまで選挙権が認められてこなかった国民たちにも選挙権を与えるべきだと主張しましたが、過激な運動家の中にはフランス革命に倣って王族や貴族たちを投獄すべきだと主張する者もいました。
これらの動きを快く思わない支配者層や貴族たちは議会を招集、国王の代理を務める摂政王太子(ティム・マッキナリー)も貴族院の動きを指示していた。
そんな中、摂政王太子の馬車に怒れる民衆からジャガイモが投げつけられ、貴族院はこの事件を口実として、告訴なしで国民を逮捕できるようにしてしまいました。危機感を募らせたマンチェスターの運動家は議論を交し、聖ピーターズ広場で開く予定の大規模集会に急進派の運動家ヘンリー・ハント(ロリー・キニア)を招いて演説してもらうことで一致しました。
しかし、運動家たちがハントに送った手紙は内務省により差し押さえられてしまい、治安判事や支配者層は治安部隊を編成して民衆をいつでも弾圧できるよう体勢を整えていきました。
ピータールー マンチェスターの悲劇のネタバレあらすじ:転
一部の過激派運動家たちが集会を開き、国王一族の処刑および武力闘争を扇動しましたが、突入した治安部隊によって逮捕されてしまいました。マンチェスター入りしたハントもホテルに滞在すれば逮捕されるリスクが高まることから、協力者のジョンソン(トム・ギル)の家に滞在することにしました。
やがてハントの元に、ロンドンでの演説に共感したというサミュエル・バムフォード(ニール・ベル)が訪れ、集会会場周辺の警護を申し出ましたが、集会を成功させるためには暴力を避けたいハントは申し出を断りました。ハントの友人たちは集会で暴動がおこる可能性を危惧しましたが、ハントは話を聞き入れませんでした。
そして集会当日。民衆は続々と広場に向かい、その中にはジョセフの姿もありました。バムフォードは人々に会場内への武器の持ち込みをしないよう呼びかけ、ジョセフたちはこの集会が平和の元に終わるであろうと信じていました。
一方、支配者層や治安判事たちは会場周辺に治安部隊や国王に忠誠を誓う地元の義勇農騎兵団らを集結させていました。
ピータールー マンチェスターの悲劇の結末
いよいよ集会が始まり、地元の運動家や新聞記者らと共に壇上に上がったハントは民衆たちを前に演説を始めました。判事たちは演説を妨害しようとしましたが民衆の熱狂の前にかき消され、判事たちは即時にハントや運動家たちの逮捕状を発行しました。
治安部隊や義勇農騎兵団は逮捕状を手に広場へとなだれ込み、ハントは壇上から引きずり降ろされて逮捕されてしまいました。軍隊は混乱に陥った民衆たちに次々と襲い掛かり、広場はあっという間に軍の大量虐殺による血の海と化しました。
そして家族と離れ離れになってしまったジョゼフは、かつて自分が嫌というほど味わった戦場の光景と現状を照らし合わせていたところを、軍隊に斬り殺されてしまいました。虐殺の嵐が過ぎ去り、その凄惨な光景を目の当たりにした記者たちは、この事件を「ピータールーの虐殺」と名付けて国民に広く報道しなければならないと強く心に誓いました。
一方、この事件の報告を受けた摂政王太子は、判事たちにマンチェスターの治安を維持したとして労いの言葉を送っていました。
以上、映画「ピータールー マンチェスターの悲劇」のあらすじと結末でした。
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