ベロニカとの記憶の紹介:2017年イギリス映画。学生時代に自殺した親友の日記をめぐり、書き換えられた若き日の記憶の真相に直面した初老の男の姿を描く。原作はジュリアン・バーンズのブッカー賞作品「終わりの感覚」。
監督:リテーシュ・バトラ 出演:ジム・ブロードベント(トニー・ウェブスター)、ハリエット・ウォルター(マーガレット・ウェブスター)、ミシェル・ドッカリー(スージー・ウェブスター)、エミリー・モーティマー(セーラ・フォード)、ビリー・ハウル(若き日のトニー)、ジョー・アルウィン(エイドリアン・フィン)、フレイア・メイヴァー(若き日のベロニカ)、エドワード・ホルクロフト(ジャック・フォード)、マシュー・グード(ミスター・ハント)、シャーロット・ランプリング(ベロニカ・フォード)、ほか
映画「ベロニカとの記憶」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ベロニカとの記憶」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ベロニカとの記憶の予告編 動画
映画「ベロニカとの記憶」解説
この解説記事には映画「ベロニカとの記憶」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ベロニカとの記憶のネタバレあらすじ:起・不可思議な遺産
カメラ店を営みながら穏やかな老後を送っていたトニー(ジム・ブロードベント)は、ある日弁護士から手紙を受け取る。そこには大学時代の恋人ベロニカの母セーラがトニーにあてた遺品がある、というものだった。
トニーは受け取りの手続きをするが、渡すとされた日記はベロニカが引き渡しを拒否していて、しかもその日記は彼の高校時代の親友エイドリアン(ジョー・アルウィン)のものだと弁護士から聞かされる。
元妻マーガレット(ハリエット・ウォルター)に相談を持ちかけたトニーは学生時代の記憶を呼び覚ます。
ベロニカとの記憶のネタバレあらすじ:承・トニーの記憶
転校生だったエイドリアンは独自の考えで教師と議論をかわし、そんな彼にトニー(ビリー・ハウル)は惹かれ、すぐに親しくなり、高校卒業後もエイドリアンとは連絡を取り合う仲で、彼の影響を多大に受けたトニーはその後大学でも英文学を専攻した。
大学に入りカメラ好きの謎めいた女性ベロニカ(フレイア・メイヴァー)に出会ったトニーは、誘われて彼女の実家を訪れる。そこでベロニカの両親、兄を紹介されるが、家族がどことなくぎこちない中、トニーは自分に好意的に接する母セーラ(エミリー・モーティマー)を意識する。
その後トニーとベロニカは付き合い始めるが、しばらくしてエイドリアンから「ベロニカと付き合うことになった」という手紙を受け取る。それを見たトニーは「気にするな」と返事を出すが、その後エイドリアンは手首を切って自殺するのだった。
ベロニカとの記憶のネタバレあらすじ:転・塗り替えられた記憶
友人の協力でベロニカの所在を突き止めたトニーは彼女と再会し日記のことを尋ねるが燃やしたと言われる。思わず権利の侵害をなじると、彼女は1通の手紙を残して立ち去り、その手紙を見たトニーは塗り替えられた自分の記憶を呼び覚ます。
それはトニーがエイドリアンとベロニカに宛てた真の手紙で、深い恨みと2人の間にできる子を呪い、母セーラに会うことをすすめる内容だった。
そもそも2人が知り合ったのも、トニーはベロニカの兄が仲介したものと思い込んでいたが、実際にはトニーがエイドリアンにベロニカを紹介したのが発端だった。
ベロニカとの記憶の結末:過去に直面して
その後ベロニカの自宅を突き止めたトニーは若い青年と手を繋ぐ彼女を目撃、知的障害を持つその青年の名が“エイドリアン”だと知った彼は、その青年がベロニカとエイドリアンの間に生まれた子だと悟る。
トニーはベロニカに手紙の件を謝罪して、日記は“エイドリアン”の母であるベロニカのものだと告げるが、それを聞いたベロニカは再び憤慨した様子で去っていく。
“エイドリアン”が施設の仲間たちと訪れるパブで彼の様子を見ていたトニーは、そこで施設の担当者から“エイドリアン”の母親はベロニカではなくセーラだと聞かされ、エイドリアンの自殺の本当の原因を知る。
娘スージーの出産に立ち会ったトニーは、自分の愚かさと鈍感さを元妻マーガレットに詫び、ベロニカにも改めて謝罪の手紙を送る。
周囲に対し思いやる心を持ち始めたトニーは、家族の絆の大切さを痛感しながら生まれたばかりの孫を慈しむのだった。
以上、映画「ベロニカとの記憶」のあらすじと結末でした。
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