映画「さすらいの一匹狼」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
さすらいの一匹狼の紹介：1966年イタリア,スペイン映画。『怒りの荒野』『ミスター・ノーボディ』などを手掛けたマカロニ・ウェスタンの名匠のひとりトニーノ・ヴァレリの監督デビュー作となる西部劇です。金塊の護衛を任された凄腕のガンマンが兄弟を殺した強盗団に復讐すべく戦いを挑んでいきます。
監督：トニーノ・ヴァレリ 出演者：クレイグ・ヒル（ハンク・フェロー）、ジョージ・マーティン（ガス・ケネベック）、フェルナンド・サンチョ（サンチェス）、マルセル・ボジョフィ（アーロン）、ダイアナ・マーティン（ペギー）、フランク・レセル（コリンズ）、ラーダ・ラシモフ（イザベル）ほか
この解説記事には映画「さすらいの一匹狼」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
西部開拓時代。さすらいの賞金稼ぎハンク・フェロー（クレイグ・ヒル）は主に銀行から銀行へ移送される金塊の護衛を生業としており、愛用の望遠スコープ付きライフルで金塊を狙う強盗団を確実に始末していく凄腕のガンマンです。
ある日、テキサス州とメキシコの国境に近いオマハの町で、銀行家アーロン（マルセル・ボジョフィ）の銀行がメキシコ人山賊サンチェス（フェルナンド・サンチョ）率いる強盗団に10万ドルを奪われました。アーロンから依頼されたフェローはライフルで強盗たちを片付け、金を無事に取り戻して報酬1万ドルを受け取りました。
金鉱山の主で実業家のコリンズ（フランク・レセル）はフェローの腕に惚れ込み、鉱山から採掘した金塊をテキサス州に売り渡すまでの間護衛する仕事を依頼してきました。フェローはこの仕事を引き受けることにしました。
フェローの脳裏には、必ずこの金塊を狙ってくるであろう強盗団のボス、ガス・ケネベック（ジョージ・マーティン）の存在が浮かんでいました。このケネベックこそがフェローの弟を殺した張本人であり、フェローは長年の宿敵への復讐の機会を待ち続けてきたのです。
宿に行ったフェローの前に、かつてフェローが捕まえた賞金首であるひとりのガンマンが勝負を挑んできました。ガンマンは保安官に引き渡される直前に逃走、フェローへの復讐の機会を狙っていたのですが、フェローはあっさりとガンマンを射殺して賞金8千ドルを手にしました。
それから程なくして、フェローは鉱山から銀行に搬送される金塊の荷馬車の護衛に就きました。途中の岩山にケネベックの強盗団を発見したフェローはライフルで強盗たちを一人ずつ始末していき、無事に金塊を銀行へ運び込みました。フェローが金塊を護衛していることを知ったケネベックは一時撤退することにしましたが、手下の中にはいずれケネベックとフェローの対決の時は近いと読む者もいました。
翌朝、銀行に運び入れたはずの金塊が全て消えていました。驚くコリンズに、フェローは金塊を誰にもわからない秘密の場所に隠したことを明かし、必ず金塊を守り抜くと約束しました。その後、フェローは町をうろついていたケネベックの手下マチェーテ（ジョージ・ワン）を捕らえて尋問、マチェーテの目的がこのオマハに棲むケネベックの愛人イザベル（ラーダ・ラシモフ）とその息子に町から離れるよう伝言を伝えることであることを聞き出しました。
ケネベック一味はコリンズの部下ジョン（ジョセ・マルコ）の娘ペギー（ダイアナ・マーティン）も人質にしており、マチェーテは隠れ家の場所もフェローに白状しました。早速イザベルの家に向かったジョンは、ただ一人留守を守っていたイザベルの息子をさらっていきました。
その夜、フェローはコリンズの部下たちと共に徹夜で銀行の護衛にあたりましたが、マチェーテが行方をくらましたことを不自然に思ったケネベック一味はこの日の襲撃を見送りました。
翌朝、フェローは自宅に戻ってきたイザベルを拘束しましたが、時を同じくしてケネベックはマチェーテが捕らえられている牢屋を爆破して彼を救出していました。その後、イザベルから息子がいなくなったことを知ったケネベックは仕事から一時撤退、手下たちはオマハの町になだれ込むと銃撃戦でフェローの協力者たちを倒していき、銀行を襲撃しました。しかし、フェローはあらかじめ銀行の金庫に爆弾を仕掛けており、罠にかかった手下たちは爆発に巻き込まれて全員死亡しました。
ケネベックはフェローと決着をつけるべくオマハに舞い戻りましたが、イザベルは息子と再会できたもののほとんどの手下を失ったうえ、切り札の人質ペギーにも逃げられていました。フェローのライフルに望遠スコープが付いているのを見たケネベックはフェローの腕が照準器頼りだとからかってきたので、フェローは互いの銃を交換して決闘することを持ち掛けました。
これに応じたケネベックでしたが、いざ決闘の時にマチェーテがその場に乱入しようとしました。フェローの協力者がすぐにマチェーテを撃ち、ケネベックはフェローの銃を拾い上げましたが、その扱いにくさに躊躇した一瞬の隙を突いてフェローはケネベックを射殺しました。
それから程なくして、テキサス州から金塊の護衛隊が引き取りに現れ、フェローは金塊の隠し場所を教えました。金塊は階段のところに灰色に塗られて置かれていました。こうして任務を全うし、弟の仇も取ったフェローは報酬を受け取ってオマハを後にしました。
旅の途中、フェローは先程の金塊の護衛隊が強盗団と銃撃戦になっている様を目撃しました。その様子を見たフェローはニヤリと笑うと馬を走らせていずこへと去っていきました。
以上、映画「さすらいの一匹狼」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する