殺人の疑惑の紹介:2013年韓国映画。父と二人暮らしをする女子大生のダウンは、幼い頃から男手ひとつで育ててくれた父を愛し、父もまたダウンを溺愛しています。そのころ15年前に発生したハン・チェジン誘拐事件が時効を迎えようとしていました。事件に興味を持ったダウンは、犯人の脅迫電話の肉声を聞いて愕然とします。それは父の口癖や喋り方とそっくりだったのです。友人のジェギョンと調べるうち、父への疑惑がどんどん深まっていき…という内容の韓国のサスペンス映画です。
監督:クク・ドンソク 出演者:ソン・イェジン(チョン・ダウン)、キム・ガプス(チョン・スンマン)、カン・シニル(ハン・サンス)、イム・ヒョンジュン(シム・ジュニョン)、イ・ギュハン(キム・ジェギョン)ほか
映画「殺人の疑惑」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「殺人の疑惑」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
殺人の疑惑の予告編 動画
映画「殺人の疑惑」解説
この解説記事には映画「殺人の疑惑」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
殺人の疑惑のネタバレあらすじ:起
1986年、スンマンはよちよち歩きの赤ちゃんを、余りあるほど可愛がっています。成長した娘のダウンが学校へ行き出すといつも車で迎えに行って、自宅では夜、勉強や書き物を一緒にやっています。ある夜、ソンマンはダウンに、「今からいう事を書いてみなさい」と言って、地図に沿った場所を書かせていました。
2013年になり『ハン・チェジン誘拐事件』が時効を迎えようとしています。大学に通うダウンは、友人のジェギョンとボラといつも一緒に行動しています。3人でレストランで楽しんでいると、宅配便で働く父のスンマンが荷物を持って来ます。隠れて納品する父を見つけたダウンは、ジェギョンとボラに父を紹介します。
その後ダウンらは『ハン・チェジン誘拐事件』を再現した映画を見ます。息子を誘拐され殺された両親の悲痛な叫びを、涙を流して見ていた3人でしたが、映画のラストに実際の事件で録音された誘拐殺人犯の脅迫電話の声が流されます。犯人は最後に『最後まで絶対にあきらめるな!』と話しました。
この時ダウンは、いつも口癖で言っている父の言葉と全く同じで、声や口調までそっくりな事に気づきます。映画が終わると、ボラも「お父さんの声に似ていないか?」と言います。気が動転したダウンは、怒って家に帰りました。そしてWEB上にアップされている犯人の声を聞きなおします。聞けば聞くほど父が犯人に思えてきました。
殺人の疑惑のネタバレあらすじ:承
時効まで10日と迫った日、ボラは自分の父が浮気をしているらしいことから、父の携帯やPCを調べた話をします。ダウンはもしやと思って、父の携帯とPCを調べます。すると風俗やエロ動画が見つかっただけで、ボラに話をすると「普通の男だ!」と笑われます。
休日になると釣りに出かける父ですが、いつも魚を釣って帰らないため、後を付けると、駐車場でアルバイトをしていました。頑張る父をを見ていたダウンは、酔っぱらった女の客に絡まれる父を見て、思わず駆けつけ女に暴行を与えます。
ある日、ダウンの前に、シム・ジュニョンという男が現れます。一方的に話をして帰りましたが、家で父に聞くと「知らない」と言います。実はシム・ジュニョンはダウンの死んだ母の弟でおじさんでした。そしてジュニョンに金をたかられていたのが父でした。
母の命日の法要を二人でやっていると、ジュニョンが家にやって来て、祭壇をひっくり返し、「金を早くよこさないと、全部ばらすぞ!」と暴れ始めます。怒った父はジュニョンを殴り倒し、今度来たら殺すと脅しました。
父の変貌ぶりに、再び疑いを持ったダウンは、母の母子手帳を見つけ、警察学校に通うジェギョンに父と母の過去を洗い出してくれと頼みます。ジェギョンが、刑事になった先輩に調べてもらうと、母のミオクは生きていて、父のスンマンは窃盗や詐欺などで前科3犯であることがわかりました。さらに母の住んでいる住所までわかりました。
殺人の疑惑のネタバレあらすじ:転
ジェギョンの車で母の家にいったダウンでしたが、誰もいませんでした。待っているとジュニョンがバイクでやってきて、家に入ってすぐ出て行きます。二人はジュニョンを追います。しかし、尾行が見つかり、ダウンはジュニョンに「母に会わせて」と言います。ジュニョンはベッドで寝たきりの母に会わせました。そしてスンマンを呼び出します。
父のスンマンはダウンに「子供を捨てたこの女が悪いんだ」と、死んだことにした理由を話しました。しかし、しゃべり方で父が嘘をついているとダウンは見抜きます。ダウンは父に『ハン・チェジン誘拐事件』の犯人の声を聞かせ、口癖の『最後まで絶対にあきらめるな!』という言葉の事も言い、本当の事を言ってくれと迫ります。父はただ「やっていない」と繰り返すだけでした。
時効まで4日に迫った頃、ジェギョンがスンマンとミオクの事を調べたことが発端で、スンマンを警察が調べ始めます。ダウンは記者と称して母が通っていた産婦人科のハン・サンス院長に会います。サンスは『ハン・チェジン誘拐事件』で殺されたチェジンの父親でした。母が流産した話を聞いたのち、当時の脅迫状を渡されました。サンスは犯人が子供に書かせたものだと言います。
病院を出て脅迫状を見ると、小さい頃、父に書かされた地図に沿った場所を書いたもので、自分の字でした。警察は容疑が固まっとして、スンマンに任意同行を求めにやってきます。しかし、ダウンから情報を得たサンスもやってきて、スンマンに殴り掛かり、スンマンは頭を打って意識を失いました。そしてダウンを見つけ、「親子でオレの騙したのか!」と怒り狂います。
殺人の疑惑の結末
入院先で意識の戻らない父を見たダウンは、時効までこのまま意識が戻らないでと願いました。
時効まで1日と迫った時、スンマンの意識が戻ります。警察は早速、脅迫電話と同じ言葉を言わせ、声紋検査を始めます。
そのころ、ジュニョンがダウンに「母が死にそうだから見に来い」と言ってきました。
時効まで55分、遂に声紋検査の結果がでます。スンマンと犯人の声紋は一致しませんでした。ダウンは父の運転する宅配車で警察病院を出ます。ダウンは誘拐されたチェジンが殺された河辺にやって来ました。
時刻が0時を迎え時効が成立すると、父は「今まで苦しかったけど、これからの生活は楽になる」と言って笑い始めます。誘拐殺人犯はやっぱり父親でした。その時、父が犯人だと信じて疑わないサンスが、車で宅配車に突っ込みます。ダウンは投げ出され、父とサンスは車と共に沈みました。
翌日、父とサンスは死体で発見され、ダウンは重傷を負って入院します。死期を迎えた母ミオクはジュニョンが付き添う中、最後の言葉を医師に話します。
昔愛したスンマンは、自分が流産したことから、ハンスの病院でユン・ミソンという赤ちゃんを誘拐し、自宅で足につけたネームバンドを切り取り捨てて、ダウンと名付けて我が子として育て始めました。
この様子を母のミオクと弟のジュニュンが見ていました。そしてユン・ミソンのネームバンドを拾ったのが、若いジュニョンでした。そしてダウンが学校へ行き出した頃から、ジュニョンは「ミソンの事をバラす」とスンマンを脅し、金をとっていました。スンマンはジュニョンに金を払うため、誘拐や窃盗、詐欺などを繰り返していたのでした。
しばらくして、入院しているダウンの部屋の名札が、ユン・ミソンに付け替えられました。
以上、映画「殺人の疑惑」のあらすじと結末でした。
『八月の蝉』と『64』と『罪の声』を観た監督が全てのストーリーをパクったような映画。