ハリエットの紹介:2019年アメリカ映画。アメリカにおいて白人が黒人を商品として売買する奴隷制度。この恐ろしい制度は南北戦争(1861-1865年)まで続きました。そんな奴隷制度に反対し、モーゼ(ユダヤ人をエジプトから解放した古代イスラエルの指導者)と呼ばれた勇敢な黒人女性がいました。『ハリエット』は、ハリエット・タブマン(1820年または1821年 – 1913年3月10日没)のキリスト教精神に基づき奴隷解放に捧げた生涯を描く映画です。本作は批評家から高く評価され、主演のシンシア・エリヴォはアカデミー賞主演女優賞にノミネートされています。ハリエット・タブマンはその功績を称えられ、アメリカの20ドル紙幣に2024年からその肖像が使われる予定です。
監督:ケイシー・レモンズ 出演:シンシア・エリヴォ(ハリエット・タブマン/ミンティ)、レスリー・オドム・Jr(ウィリアム・スティル)、ジョー・アルウィン(ギデオン・ブローダス)、ジャネール・モネイ(マリー・ブキャナン)、クラーク・ピータース(ベン・ロス)、ヴァネッサ・ベル・キャロウェイ(リット・ロス)、ヴォンディ・カーティス=ホール(グリーン牧師)、ほか
映画「ハリエット」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ハリエット」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ハリエットの予告編 動画
映画「ハリエット」解説
この解説記事には映画「ハリエット」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ハリエットのネタバレあらすじ:起・自由を求めて逃走するハリエット
1840年代のメリーランド州のブローダス農場、黒人奴隷のミンティ(シンシア・エリヴォ)は、自由黒人(奴隷から解放された黒人)のジョン・タブマン(ザカリー・モモー)と結婚します。ジョンとミンティは、農場のオーナーで奴隷の所有者エドワード・ブローダスに、ミンティは自由黒人になれるという約束をした手紙を見せます。しかし、エドワードは「お前は永遠に奴隷」だと言って手紙を破ります。
ミンティの母リット(ヴァネッサ・ベル・キャロウェイ)や、周囲の黒人奴隷は怒りを見せます。ブローダス家のギデオン(ジョー・アルヴィン)はミンティを殴り、ミンティを他の黒人奴隷所有者に売りに出します。ミンティはブローダス農園からの逃走を決意します。ミンティはジョンと再会を決意して別れ、父ベン(クラーク・ピーターズ)を訪ねます。
父はミンティに教会を訪れることを勧めます。ミンティは教会を訪れ、牧師から逃走のアドバイスを受けます。翌朝、ギデオン達はミンティがいなくなったのに気づき捜索します。ギデオンは森をさまようミンティを橋の上で見つけます。ミンティは橋の上から飛び降り、逃走します。ミンティは川岸にたどり着き、馬車に隠れて乗り込んで逃走を続けます。ミンティは逃亡奴隷を助ける白人たちに助けられながら、フィラデルフィアの黒人奴隷解放組織を目指します。
ハリエットのネタバレあらすじ:承・フィラデルフィアでのハリエットの活動
フィラデルフィアでミンティは黒人奴隷解放組織を探し、親切な黒人から場所を聞きます。組織に着いたミンティは、リーダーのウィリアム・スティル(レスリー・オドム.Jr.)に会います。名前や経歴を聞かれ、少女時代に白人から暴行され脳に障害が残っていることを話します。
ウィリアムは、100マイル(約161.6キロ)の逃走を奇跡的だと驚きます。彼はミンティに新しい名前をつけることを勧め、ミンティは母の名前から「ハリエット・タブマン」と名乗ります。(ミンティは以下ハリエット)
ブローダス農園では、ハリエットに逃げられたギデオンと母エリザ(ジェニファー・ネトルズ)が借金の件を話し、他の奴隷を売ることを計画します。ハリエットはウィリアムから裕福な自由黒人マリー・ブキャナン(ジャネール・モネイ)を紹介されます。マリーはハリエットに「臭いから体を洗って」と求めます。清潔になったハリエットはマリーの家に住み込みます。
1年後、ハリエットは家族に会いに行き、彼らを解放することを決意します。ウィリアムは無謀と言いますが、ハリエットは出発します。マリーはハリエットに護身用の銃を渡します。鉄道の駅では、白人に怪しまれながらも、なんとかごまかし鉄道に乗りこみます。
ブローダス農園に着いたハリエットはジョンと再会します。驚くジョンですが、彼はすでに結婚していました。ハリエットはジョンの結婚に怒りをあらわにします。
ハリエットのネタバレあらすじ:転・奴隷を解放するハリエット
深夜、ハリエットは父ベンに会います。ハリエットはブローダス農場の5人の奴隷をフィラデルフィアに連れて行こうとします。ハリエットはベンにも逃亡を勧めますが、ベンは妻と残ることにします。
翌朝、ギデオンとエリザは5人の逃亡にパニックになります。ギデオンは女性奴隷であるハリエットの姉妹レイチェルに暴行します。ギデオンは、「ハリエットは生きている」と言うレイチェルを信じません。ギデオンは自由黒人のウォルター(ヘンリー・ハンター・ホール)から情報を聞き出し、奴隷ハンターのビガー(オマー・J・ドージー)らとハリエットら逃亡奴隷の追跡を始めます。
ハリエットたちは、途中で橋のない川につきます。泳げないと言う他の奴隷たちの前で、ハリエットは神に祈りながら川を渡ります。ギデオンはハリエットたちを見つけられずに、ウォルターに当たり散らします。そしてハリエットたちはフィラデルフィアのウィリアムの事務所に着きます。ウィリアムは驚き、ハリエットを賞賛します。
ウィリアムはハリエットを奴隷を助ける組織「地下鉄道」に紹介します。ハリエットは地下鉄道の活動家として多くの奴隷を助け、その名は「モーゼ」として知られるようになります。
ハリエットはブローダス農園のレイチェル救出を計画しますが、ウィリアムはハリエットに「これ以上の奴隷救出は危険」だと警告します。ハリエットはブローダス農場でレイチェルに会いますが、レイチェルは「子供がいるから逃げられない」と言います。
ハリエットの結末:家族との愛、南北戦争での活躍、その後の人生
ギデオンは逃亡奴隷の逮捕を厳しくするための法律制定の政治集会に参加します。ギデオンはビガーから、モーゼはハリエット、フィラデルフィアに隠れているという情報を聞きます。ギデオンはフィラデルフィアに向かい、ハリエットを隠しているとして、マリーを暴行します。
ハリエットはニューヨーク州の地下鉄道の集会で、カナダを経由して奴隷を救出するルートの議論に参加します。ルートは長く困難とする参加者に、ハリエットは奴隷の苦境を語り、カナダ経由での奴隷の解放を実行に移します。
1858年、ハリエットはウオルターの助けを得て、ブローデス農場に向かい、父と母を助けます。ハリエットは父と母を馬車に乗せ、ウォルターは彼らを船に乗せます。ハリエットは追いかけるギデオンと対決します。ハリエットは銃で彼の右手を撃ちます。ギデオンは倒れ「俺はお前の所有者」と言いますが、ハリエットは「奴隷制は神が許さない」と言い残し、彼から去ります。
南北戦争中の1863年、ノースカロライナ州。ハリエットは黒人兵士を前に、奴隷解放を鼓舞する演説を行います。ハリエットは南北戦争中に多くの奴隷を解放しました。そして家族と再会するハリエット。南北戦争でのハリエットの功績と、90歳を過ぎるまで生きたその後の人生が紹介され、映画は幕を閉じます。
以上、映画「ハリエット」のあらすじと結末でした。
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