風雲児信長(別題:織田信長)の紹介:1940年日本映画。1940年に『織田信長』として公開され、戦後の1954年に『風雲児信長』と改題されて公開された90分バージョンの映画。戦国時代の武将・織田信秀の嫡男・信長は、手の付けられない暴れん坊として城下に知れ渡っています。隣国の主・斉藤道三は、その信長とわが子・濃姫との政略結婚を企てます。天下人を目指す信長はいかに。片岡千恵蔵演じる信長がスクリーンいっぱいに暴れまわる痛快時代劇です。
監督:マキノ雅弘 出演者:片岡千恵蔵(織田信長)、志村喬(平手政秀)、高木永二(斉藤道山)、宮城千賀子(濃姫)、宗 春太郎(松平竹千代)
映画「風雲児信長(織田信長)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「風雲児信長(織田信長)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
風雲児信長の予告編 動画
映画「風雲児信長(織田信長)」解説
この解説記事には映画「風雲児信長(織田信長)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
風雲児信長のネタバレあらすじ:起
足利幕府の末期。天文年間。世は戦国時代です。織田信秀の嫡男・信長は、城下では「大うつけ(大馬鹿者)」と呼ばれ、常識にしばられない無鉄砲ぶりが評判の若殿です。今日も着流し1枚で馬を馳せ、山河を駆け巡っています。養育係の爺こと平手政秀が口を極めて注意しますが、「年寄りの冷や水だ」と言って聞く耳を持ちません。
その信長に縁談の話が持ち上がります。織田家との和睦を進めた隣国の武将・斉藤道山の娘・濃姫です。姫は、父・道山から織田家を斉藤家の配下にするための政略結婚だと聞かされています。
信長の傍若無人ぶりもあいまって、輿入れ後も織田家に親しむことができません。
風雲児信長のネタバレあらすじ:承
領内には、信長の話し相手がいます。三河の国から人質として尾張の織田家へ囚われている竹千代です。竹千代は、のちの徳川家康ですが、自分よりも年少で、やはり嫡男の竹千代とは心が通じ合っています。信長は言います。「濁流に呑まれるな。濁流をせき止める男になれ」と。竹千代は頷き、深く肝に銘じます。
さらに、信長は「大うつけ」と呼ばれる一方で快男児の誉れ高い若者です。竹千代からの尊敬を得ると共に養育係の政秀もその将来に大きく期待しています。父の信秀もそうでした。
しかし、その父親の葬儀の最中に常人では考えられない無作法を働いて支援者である政秀を悲しませます。強い信念を持って養育に携わって政秀は、自らの死をもって信長に素行を改めさせようと自害してしまいます。
風雲児信長のネタバレあらすじ:転
信長を心から愛して止まなかった政秀は、信長の出世を夢見ていました。信長もいつか政秀に恩を返そうと心に誓っていたのです。まさか、自分の振る舞いをはかなむとは。信長は、しかし動じません。少なくとも、政秀の死を心に刻みつけたことは確かなようでした。
縁組した信長の動向は斉藤道山の下にも逐一伝わっています。しかし、婿入りの挨拶さえ来ない信長に、内心おもしろくない思いを抱いています。そこで道山は、領内へ信長を招き入れることにしました。町人に扮して、まずは信長一行を下調べしました。
道山は驚きます。「うつけ者」と噂されていた信長の馬上の雄姿に。さらにその堂々たる威光に。はじめて見た婿のはつらつとした振る舞いに感動さえ覚えてしまったのです。政略結婚などはどこ吹く風、信長にひれ伏す立場へと変貌してしまいました。
風雲児信長の結末
父子の対面に心を騒がせていたのが濃姫です。実父の悪逆非道ぶりを知っています。その父のそそのかしに触れて、何をしでかすか分からないのが信長です。濃姫はすでに信長の身を案じるまでに夫を慕う身になっていました。
家来たちもふたりの対面が気がかりです。しかし信長は、周りの心配をよそに、道山に貫禄勝ちして帰ってきます。喜んだのは濃姫です。信長に寄り添って、さっそく嬉しさを打ち明けます。妻として、愛する夫にやっと身を捧げる覚悟ができました。
夫としての心得を身につけた信長は有力武将としてその名を馳せていきます。竹千代との別れがやってきます。しかし信長は知っています。お互い戦国の武将として、いずれどこかで再開することを。そして政秀が、いついかなる時も見守ってくれていることを。
以上、映画「風雲児信長」のあらすじと結末でした。
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