フランキー・ワイルドの素晴らしき世界の紹介:2004年イギリス,カナダ映画。聴力を失ったDJの再起を描くドラマ&モキュメンタリー。イビサ島を活動拠点にしていたカリスマDJフランキーは、長年の騒音によって聴力を失ってしまった。家族や友人にも見放された彼は荒れた生活を送ったが、読唇術を教える女性ペネロペに出会ったことで再び生きる活力を取り戻していく。ポール・ヴァン・ダイクやティエストなど、有名DJが実名で出演していることでも話題を呼んだ。
監督:マイケル・ドース 出演者:ポール・ケイ(フランキー・ワイルド)、ベアトリス・バタルダ(ペネロペ)、マイク・ウィルモット(マックス)、ケイト・マゴーワン(ソーニャ)ほか
映画「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
フランキー・ワイルドの素晴らしき世界の予告編 動画
映画「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」解説
この解説記事には映画「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フランキーワイルドの素晴らしき世界のネタバレあらすじ:突然の悲劇
舞台は現代スペインのイビサ島。世界的に有名なクラブで11年もの間DJを務めるフランキー・ワイルドは、誰もが認める才能の持ち主でした。独自のスタイルを持つ彼はプロデューサーとしての才能も持ち合わせており、ファースト・シングルを出すと大ヒット。私生活ではPV撮影で知り合った女性ソーニャと結婚し、男児をもうけます。
ところが、順風満帆だったフランキーに、ある日突然悲劇が起こりました。生まれつき弱かった彼の聴力が、長年の騒音によって失われてしまったのです。フランキーは現実を見ずに無理にでもDJを続けようとしましたが、上手くいくはずもありません。
友人マックスに叱責され、専門医の診察を受けたフランキーは、右耳の聴力が完全に失われたこと、左耳も20%の聴力しか残っていないことを告げられました。医師は静かな環境で静かに生きれば、少しは長持ちするだろうとアドバイスします。絶望するフランキーは、医師から補聴器を渡されました。一時的に聞こえるようにはなるものの、耳に負担がかかるので本当に必要な時にしか使ってはならないと言い含められます。
フランキーワイルドの素晴らしき世界のネタバレあらすじ:全てを失った男
左耳の聴力だけで何とか生活にしがみつこうとするフランキー。しかし補聴器をつけた状態で機材の最大音量の爆音を聞いてしまい、その衝撃で気絶してしまいます。目を覚ました時、彼は聴力を完全に失っていました。
フランキーは荒れに荒れ、酒とドラッグに溺れる日々を過ごします。ソーニャは息子を連れて出て行ってしまい、レコード会社からは解雇され、マックスとも疎遠になりました。全てに見捨てられたフランキーは、自宅に閉じこもりドラッグの売人とだけ会う生活を始めます。
そんな荒廃した暮らしを4ヶ月も続け、廃人寸前のフランキーはついに自殺を考えるようになりました。しかしどうしても死にきれません。
フランキーワイルドの素晴らしき世界のネタバレあらすじ:読唇術との出会い
フランキーは一念発起してドラッグを全て処分し、読唇術を習ってみることにしました。読唇術の教室へ行くと、同じく聴覚障害を持つ女性ペネロペが彼の教師になります。読唇術とは唇を見て集中することだと教えるペネロペ。舌を、顎を、表情を、身振り手振りを見て感じることが重要なのだと話します。
フランキーは教わった通り地道に勉強を続け、少しずつ唇が読めるようになりました。そんなある夜、ペネロペとフラメンコを見ていたフランキーは、テーブルに置いたグラスが揺れているのに着目します。グラスに手を当て、目を瞑るフランキー。彼は振動で音を感じられるのだと気付きます。
ペネロペと共にクラブへ行き、壁に手を当て振動によって音が蘇るのを感じました。フランキーは喜び、ペネロペと抱き合ってキスをします。
フランキーワイルドの素晴らしき世界のネタバレあらすじ:復活
音楽機材を揃えたフランキーは、音を感じる訓練を始めました。彼は視覚に重点を置き、見るもの全てにリズムやある一定のパターンを見出します。彼は音楽を「見る」ことが出来るようになったのです。フランキーの音楽は復活を遂げました。
フランキーは曲を作り、CDに焼いて久しぶりにマックスに会いに行きます。CDを聞いたマックスは最高だとはしゃぎ、興奮してフランキーと抱き合いました。そこで初めてフランキーが完全に聴力を失ったことを知ります。すると彼はますます興奮し、レコード会社も同じように食いつきました。
「聴覚障害者のフランキー」の音楽は爆発的にヒットし、皆がフランキーを障害者のヒーローであるかのように扱います。事実、彼は障害すら魅力のひとつだと思わせるカリスマ性を持っていました。しかしフランキーとペネロペは、まるで見世物のようなプロデュースを始めるマックス達と気持ちのズレを感じ始めます。
フランキーワイルドの素晴らしき世界のネタバレあらすじ:伝説の夜とその後
ついにフランキーは大きなイベントでDJとして復活しました。フランキーも、客も、皆で特別な空気を共有し信じられないほど盛り上がります。フランキーは以前より良いDJになったと称されるほどでした。
イベントが終わると、楽屋に興奮したマックスが飛び込んで来ます。フランキーが賞を取ったというのです。これからどんどんフランキーの音楽は売れるだろうと有頂天になるマックス。しかしフランキーは静かな様子で、10分だけペネロペと2人きりにしてくれと言い出しました。
渋々従ったマックスが10分後戻って来ると、2人の姿はどこにもありません。フランキーはこの伝説の夜を最後に、表舞台から姿を消してしまったのです。フランキーのその後については、様々な噂が飛び交っています。
しかし、フランキーはペネロペと子どもをもうけ、穏やかに暮らしていました。彼は路上でミュージシャンをしたり、聴覚障害を持つ子ども達に音楽を教えたりしています。フランキーの穏やかな暮らしを見つめ、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」のあらすじと結末でした。
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