潮騒の紹介:1954年日本映画。三島由紀夫の名作小説を谷口千吉が初めて映画化。その後リメイクが繰り返された。脚色には谷口とともに純文学作家の中村真一郎が当たっている。谷口作品がデビュー作だった三船敏郎が特別出演。
監督:谷口千吉 出演:久保明(新治)、青山京子(宮田初江)、沢村貞子(とみ)、上田吉二郎(宮田照吉)、加東大介(燈台長)、三戸部スエ(燈台長の奥さん)、大刀川洋一(安夫)、三船敏郎(歌島丸の船長)、ほか
映画「潮騒(1954年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「潮騒(1954年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
潮騒の予告編 動画
映画「潮騒(1954年)」解説
この解説記事には映画「潮騒(1954年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
潮騒のネタバレあらすじ:起
伊勢海にある小さな島、歌島に暮らす新治(久保明)は18歳の貧しい漁師です。ある日蛸壺漁を終えて海辺を歩いていると、見知らぬ少女と出会います。
翌日の漁で耳にしたところでは、彼女は運送会社の船主である宮田照吉(上田吉二郎)の娘・初江(青山京子)。婿取りをさせるために志摩の老崎から呼び戻されたばかりでした。
新治は初江に憧れますが、身分違いは否めません。ところが彼が観的哨に枯松葉と粗朶の束を取りに行った時、偶然初江と再会します。
彼女は行儀作法の勉強会に出席するために早くやってきたのですが、時間潰しに裏山を歩いているうちに道に迷ってしまったのです。これをきっかけに2人は親しく口をききあう仲となります。
潮騒のネタバレあらすじ:承
その後、新治が組合の事務所で旬間の支払いを受け取った時でした。彼は村の名門の生れである川本安夫(大刀川洋一)が初江の入婿になるという噂を聞きつけます。
新治はすぐに初江に問いただしますが、彼女は笑って、根も葉もない噂話だと否定します。そして今度は初江の方が、行儀作法の勉強会を主催する燈台長夫人から「東京の大学へ通っている娘の千代子が新治に好意を寄せている」という事実を聞かされ、思わず嫉妬します。
しかしこれも新治によれば、娘の方の片思いに過ぎません。
潮騒のネタバレあらすじ:転
仲直りした2人はその後も裏山で密かに会い続けます。嵐の晩などはお互いに濡れた服を乾かすために半裸となり、もう少しで関係が進むところでしたが、結婚するまでは清くいたいという初江の気持を尊重し、あくまでプラトニックな付き合いに留めます。
ところが2人の交際を安夫が知ってしまい、嫉妬の炎を燃やします。ついには初江を強姦しようとしますが、運良くハチが安夫を刺したため難を逃れます。
しかし彼が悔しがって交際のことを言いふらしたため、父親の照吉が激怒。初江は家族に監視され、自由に新治に会えなくなります。
潮騒の結末
やがて、新治は安夫とともに照吉の持船の機帆船・歌島丸に乗り込みます。村では男は皆18歳くらいで甲板見習になって船員の修業をするのですが、彼にもその番が回ってきたのです。
訓練中、海は嵐に襲われ、船は沈みかけます。命綱を浮標につなぐ必要がありましたが、それは命がけの行為でした。皆が尻込みする中、新治がその任を引き受け、疲労困憊しながらも見事にやり終えます。
この事が照吉に知れ、新治は初江の婚約者として認められます。こうして2人は人目も気にせず一緒に外出。燈台の脇で抱擁するのです。
以上、映画「潮騒」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する