奇跡の教室 受け継ぐ者たちへの紹介:2014年フランス映画。貧困層が数多く住むフランス・パリ郊外の学校を舞台に、ひとりのベテラン女性教師がナチスに関する授業を通じて問題児ばかりのクラスを変えていく姿を、実話を基に描いたヒューマンドラマです。
監督:マリー・カスティーユ・マンシオン・シャール 出演者:アリアンヌ・アスカリッド(アンヌ・ゲゲン)、アハメッド・ドゥラメ(マリック)、ノエミー・メルラン(メラニー)、ジュヌヴィエーヴ・ムニッフ(イヴェット)、ステファヌ・バク(マックス)ほか
映画「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
奇跡の教室 受け継ぐ者たちへの予告編 動画
映画「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」解説
この解説記事には映画「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
奇跡の教室 受け継ぐ者たちへのネタバレあらすじ:起
貧困層や様々な人種が数多く暮らすフランス・パリ郊外のレオン・ブルム高校。この学校の中でもとりわけ落ちこぼれや問題児の多い1年生のクラス、教師歴20年になるベテランの歴史教師アンヌ・ゲゲン(アリアンヌ・アスカリッド)が担任として赴任しました。
厳格で情熱的なアンヌはとにかく教えることが好きで、自己紹介の際に退屈な授業はしないと宣言しました。しかし、生徒たちは聞く耳を持たずに問題ばかり起こし、そこでアンヌは国主催の全国歴史コンクールに「アウシュビッツ」という題材で参加しようと提案しました。
しかし、ここでも生徒たちは休暇が近いことや、あまりにも悲惨で重い題材に怖気づいてやる気を失くし、落ちこぼれの自分たちにできるわけがないと諦めモードに陥りました。
奇跡の教室 受け継ぐ者たちへのネタバレあらすじ:承
アンヌは放課後に生徒たちを集めて討論の場を設け、最初は消極的だった生徒たちも次第に集まってきました。ユダヤ人絶滅を目指したナチス・ドイツはフランスにも強制収容所を作り、弱者から処刑していったことを話し合ったうえで、アンヌはナチスが人々の士気を高めて煽り立て、特定の集団を全滅させようとしたのが虐殺であり、絶滅だと語りました。
しかし、生徒たちは討論の内容を巡ってケンカを起こし、生徒の中にはアウシュビッツの犠牲者をからかうような発言をする者まで出てくる始末。更には授業が遅れがちになったことから校長もアンヌのやり方に疑問を呈してきました。
それでもアンヌは、人種や生まれた環境の違う者たちがグループを組んで課題に取り組むことが重要であり、何より大切なのは自分なりの考えを持つことだと教えていきました。
奇跡の教室 受け継ぐ者たちへのネタバレあらすじ:転
ある日、アンヌはアウシュビッツの数少ない生存者であるレオン・ズィゲル(本人)を特別に授業へ招きました。
当時15歳だったレオン氏は当時ナチスの占領下にあったフランス当局に家族と共に捕らえられ、強制的に列車に乗せられて収容所へ送られました。レオン氏は父や兄と共にゾンダーコマンド(収容所内の囚人によって組織された労務部隊で、主に死体処理などに従事させられた)として働かされ、母や姉はそのまま収容所の奥へと連れて行かれてしまい、それ以来二度と会うことはありませんでした。
やがて元々身体の弱かった父は“診療所”へ行かされることになり、そんな場所などないことは分かっていながらも互いに元気になったら会おうと約束して別れ、これが父との最期の別れとなりました…。
生徒たちはレオン氏の貴重な証言に深く聴き入り、中には涙を流す者もいました。
奇跡の教室 受け継ぐ者たちへの結末
生徒の一人から、どうやって生きる希望を失わないでいられたかを問われたレオン氏は「いつかパリに戻ったら、友人全員に武勇伝を聞かせたいと思っていた。女の子にも自慢できるし」と答え、神を信じますかとの問いには「私は無神論者だ。しかし、皆さんのような人間は信じている」と語りました。
そしてレオン氏は、命と尊厳を守って戦うこと、人種差別と戦うこと、そして自由と平和の世の中を創っていくことを呼びかけました。レオン氏の特別講義をきっかけに、それまでバラバラで非協力的だった生徒たちも変わりはじめ、議論を重ねながらようやくコンクールに提出する作品を完成させ、アンヌは生徒たちを誇りに思うと讃えました。
そして、全国から5万人が参加するコンクールで、アンヌのクラスは見事に優勝を勝ち取り、生徒たちはアウシュビッツの犠牲者の名を書いた紙を風船に括り付け、追悼の意を込めて大空高く放ちました。
以上、映画「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」のあらすじと結末でした。
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