パパは奮闘中!の紹介:2018年ベルギー,フランス映画。フランスを舞台に、突然妻に家を出て行かれた男が仕事と育児に悪戦苦闘しながらも子供たちと向き合う姿を描いたヒューマンドラマです。本作はトリノ映画祭で2冠を達成するなど世界各地の映画賞で高い評価を得ました。
監督:ギヨーム・セネズ 出演者:ロマン・デュルス(オリヴィエ)、ロール・カラミー(クレール)、レティシア・ドッシュ(ベティ)、ルーシー・ドゥベイ(ローラ)、バジル・グルンベルガー(エリオット)、リナ・ジラード・ボス(ローズ)、ドミニク・ヴァラディエ(ジョエル)、サラ・ル・ピカール(アガト)、セドリック・ヴィエイラ(ポール)ほか
映画「パパは奮闘中!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「パパは奮闘中!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
パパは奮闘中!の予告編 動画
映画「パパは奮闘中!」解説
この解説記事には映画「パパは奮闘中!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
パパは奮闘中!のネタバレあらすじ:起
フランスのオンライン販売会社の倉庫で部門リーダーとして働くオリヴィエ(ロマン・デュルス)は、衣料品店で働く妻のローラ(ルーシー・ドゥベイ)との間にまだ幼いエリオット(バジル・グルンベルガー)とローズ(リナ・ジラード・ボス)という二人の子供がいます。
オリヴィエは連日残業続きの劣悪な労働環境の中でも一生懸命に働き、エリオットとローズの育児や家事はほとんどローラに任せきりの日々が続いていました。
ある日、オリヴィエは人事担当のアガト(サラ・ル・ピカール)から従業員をリストラすることを通達されました。オリヴィエはリストラに反対しますが決定は覆せず、どうしてもリストラを通告することのできないオリヴィエに代わってアガトが通告することになりました。
リストラされた従業員はその後自殺してしまい、オリヴィエはせめて自分から通告していれば状況は変わっていたのかと後悔しました。オリヴィエの同僚で労働組合に属するクレール(ロール・カラミー)は意を決して会社側の真意を質そうとしましたが、会社側は聞く耳すら持ちませんでした。
ある日、ローラは勤め先の衣料品店で、金がなく支払いができなかった客に同情して涙し、突然その場に倒れてしまいました。その夜、帰宅したローラはローズに「物語はいつもハッピーエンドよ」と呟いて寝かしつけ、その後ひとりでひっそりと泣いていました。
翌朝、オリヴィエはいつものように出勤していきました。その日の午後、オリヴィエは勤務中にローラが子供たちを学校に迎えに来ていないとの連絡を受け、すぐさま学校に駆け付けました。子供たちを迎えたオリヴィエはローラの職場に行ってみると、ローラが昨日突然倒れたこと、そして今日は無断欠勤していることを知らされました。
更にはローラの荷物がごっそりと無くなっており、そこで初めてローラが失踪したことを知ったオリヴィエは友人で警官のポール(セドリック・ヴィエイラ)に彼女の捜索を依頼するも、家出とみなされて断られてしまいました。
パパは奮闘中!のネタバレあらすじ:承
翌朝、オリヴィエは早速子供たちの面倒を見ようとしましたが、今までローラに任せっきりだったこともあって悪戦苦闘しました。オリヴィエは料理も苦手で、子供たちにはシリアルを出すしかありませんでした。それでも何とか子供たちを学校に送り出したオリヴィエは再びローラの職場を訪れましたが、この日もローラが姿を見せることはありませんでした。オリヴィエはローラのロッカーから、彼女が精神科でもらった薬を見つけました。
オリヴィエから相談を受けたポールは、まず総合的に考える必要があるとアドバイスしました。オリヴィエはかつて自分が勤務中にローラが鍋の吹きこぼしでエリオットに火傷を負わせてしまったことを思い出しました。あの時、自宅にいなかったオリヴィエは大変取り乱して「ローラはいつもきちんと…」と発言していました。
オリヴィエは不安がるローズを中々寝かしつけることができず、見かねたエリオットは自ら進んで家事やローズの子守りを担うことにしました。エリオットは家を訪れたオリヴィエの母に泣きつき、オリヴィエの母は仕事人間であるオリヴィエに家事は難しいとの認識を示しました。
そんなある日、ローラから「ママの命より愛してる」とのメッセージが描かれた絵葉書が届きました。オリヴィエはローラの身勝手さに腹を立てて絵葉書を破り捨ててしまいますが、エリオットは絵葉書の紙切れを集めてテープで張り合わせ、消印からローラは生まれ故郷のフランス北部カレー地方のヴィッサンという町にいるのではないかと考えました。
パパは奮闘中!のネタバレあらすじ:転
オリヴィエの妹で劇団に所属するベティ(レティシア・ドッシュ)が家の手伝いにやってきました。ベティはしばらくオリヴィエの家に滞在することになり、子供たちは大喜びしました。オリヴィエは子供を不安がらせないためにも家では一切ローラのことについて触れないことを決め込んでいましたが、ベティはローラはきっと寂しかったのではないかと察し、ヴィッサンに出向いてローラの行方を探すようオリヴィエに勧めました。
一方、オリヴィエの職場では、女性従業員のひとりが妊娠を理由に解雇されるという事態が発生していました。オリヴィエは職場の担当医が上司に告げたためだとして医師を責めますが、逆にローラに出て行かれたことを突っ込まれてしまいました。
オリヴィエは意を決してヴィッサンに向かい、各所を探して回りましたがローラを見つけることはできませんでした。がっかりしたオリヴィエはクレールの部屋に行き、つい彼女と関係を持ってしまいました。深夜に帰宅したオリヴィエはそのことをベティに咎められ、自らの過ちを後悔しました。
子供たちは陽気な性格のベティに慣れ親しんでいましたが、ベティの劇団の公演も近づいてきたことから彼女はオリヴィエの家を離れなければならなくなりました。オリヴィエはベティがまだ正式な劇団員ではなく無給であることを突っ込んでベティを引き留めようとしましたが口論となってしまい、結局ベティはオリヴィエの家を離れることとなりました。子供たちはすっかり元気をなくしてしまい、ローズに至っては一言も言葉を発しなくなってしまいました。
パパは奮闘中!の結末
オリヴィエはかかりつけの病院の医師に相談、「真実を語る機会はありましたか?」と問われましたが、オリヴィエにとってはそのような機会すら設けたことがありませんでした。同じ頃、オリヴィエはクレールたちから組合の専属職員になるよう勧められていました。
生活に困窮していたオリヴィエにとって給料の上がる専属職員はもってこいの役職でしたが、勤務地はここから離れたトゥールーズという町だということを聞いたオリヴィエは深く悩みました。この話を聞いたエリオットは「転居をすればママには会えなくなる」と不安を募らせますが、ローズはそんなエリオットの火傷の跡にローラの代わりに自ら進んで軟膏を塗ってあげました。
翌日、エリオットとローズが忽然と家から姿を消しました。警察に捜索願を出し、今回ばかりは受理されたオリヴィエは、心配して駆け付けてくれた母に「俺は親失格だ」と嘆きました。その翌日、エリオットとローズは無事保護されました。ローズは久しぶりにオリヴィエの前で言葉を発しました。
エリオットとローズはローラが出て行ったのは自分たちの責任ではないかと感じ取っており、ローラを探しに家を抜け出していたのです。この日を境に、これまで仕事一筋だったオリヴィエもようやく家族の存在の大切さを痛感して真摯に向き合うようになっていきました。
オリヴィエの職場でがアガトがリストラされ、オリヴィエはアガトの後任として人事ポストへの異動を打診されました。人事課では組合専属職員と同様に昇給があり、勤務地も移動せずに済むものの、これまでとは違って誰かをリストラする立場に回ることになります。悩んだオリヴィエは子供たちと多数決で勤務先を決めることにし、その結果はオリヴィエとローズが票を投じたトゥールーズでの組合専属職員就任となりました。
オリヴィエ一家は住み慣れたこの町を離れることとなり、子供たちは家の壁にペンキで「ママ待ってるよ」というメッセージと新住所を記しました。こうしてオリヴィエ・エリオット・ローズはいつかローラと再会することを夢見ながらトゥールーズへ向けて旅立っていきました。
以上、映画「パパは奮闘中!」のあらすじと結末でした。
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