パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たちの紹介:2016年フランス映画。クラシックからコンテンポラリーまで幅広い演目をたゆまず上演しているパリ・オペラ座。パリ・オペラ座のバレエ団の舞台裏を追ったドキュメンタリー。現役トップダンサーたちの創作過程や練習風景に、ルドルフ・ヌレエフから教えを受けたアニエス・ルテステュによる後進の指導などを映しだす。
監督:マレーネ・イヨネスコ 出演:マチュー・ガニオ、アニエス・ルテステュ、ウリヤーナ・ロパートキナ、オニール八菜、バンジャマン・ペッシュ、ウィリアム・フォーサイス、ほか
映画「パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たちの予告編 動画
映画「パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たち」解説
この解説記事には映画「パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たちのネタバレあらすじ:起・国境を越え活躍するダンサー
オペラ座で初演されたクラッシックバレエ「ジゼル」、今では各国で上演されている。エトワールのマチュー・ガニオは、ロシアのマリインスキー劇場の公演に客演として呼ばれた。フランスとロシアでは文化が違い、同じ演目でも動きに違いが出てくる。ダンサーはこの違いを国境を越えて理解することが重要となる。
マリインスキー劇場バレエのダンサー、ウリヤーナ・ロパートキナは、舞台上での音楽の速さの調節まで綿密に行う。オペラ座でも新作は振りの一つから振付家とゼロから作り上げられる。ダンサーには踊りという枠の中で、無数の表現ができる。
パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たちのネタバレあらすじ:承・コンテンポラリー作品への挑戦
ウィリアム・フォーサイスの作品「Pas.Parts」の舞台稽古の行われているオペラ座。常に時代の最先端のフォーサイスの作品は、創作にダンサーを巻き込むのが上手く、各ダンサーの個性や意見を取り入れるが、振付そのものをさせることはない。
新鮮味の感じられる作品を追求するフォーサイスは、どんなにその振りが美しく躍動的だろうと、以前にやったものや斬新でないものは容赦なく切り捨てる。
その一方で、イリ・キリアンの「かぐや姫」では、日本の雅楽を使い、日本の伝統舞踊や能の動きをバレエに取り入れることもある。
パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たちのネタバレあらすじ:転・ヌレエフの教え
ヌレエフの練習は、欠点・問題点を少ない言葉で助言し、学んだ事は若いダンサーへ伝えられていく。「ヌレエフの子供たち」とも呼ばれる、シルヴィ・ギエムなどのバレエのスター達は、ヌレエフへのとして作品を上演し続け、若い世代にヌレエフのバレエと言葉を伝えていく。
かつて、オペラ座のエトワールで現在は講師をしているアニエス・ルテステュは、ダンサーへ練習を付けることはバレエを継承する大切な使命だと考えており、自分の経験や指摘された事だけではなく、一つの役を多角的分析し、ダンサーに相応しい解釈を提案する。
パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たちの結末:新しい世代へ
「ラ・バヤデール」の舞台稽古が、新しい芸術監督ミルピエのもと行われる。二人のヒロインのうちの一人のフローレンスに、自覚をもって自分にとって自然な踊り方を見つけ出すように指導するアニエス。
子供達の群舞のあるこの作品では、オペラ座バレエ学校の生徒たちがこぞって参加する。バレエ学校の生徒たちは実際の舞台でダンサーや講師たちから指導を受ける機会にもなっている。
講師のアニエスは、恩師のギレーヌをダンサーとしても講師としても育ててくれたと慕っている。全てをギレーヌから受け継いだ。稽古は技術だけでも役柄を語るだけでもない演じる役に痕跡を刻む事、これが奥義で若手に伝えていきたいと話す。
公演の準備は今日も続けられている。
以上、映画「パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たち」のあらすじと結末でした。
パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たちのレビュー・考察:世界へ、次の世代へ
冒頭の「ジゼル」はオペラ座に始まり、多くの国外の劇場へ広まっていった。また、コンテンポラリー作品は初演されるものも多く、新しい物を常に生み出している場所でもある。温故知新と言ってしまうのは簡単だが、実践するのは難しい。作中では、わずかな間だが芸術監督としてオペラ座を改革しようとしたミルピエ監督の姿も見える。
上演されない演目は、忘れられ、廃れて行ってしまう。シーズンごとに複数の過去作品と新作の公演をしているパリ・オペラ座はバレエの伝統を次の世代へ伝授し、また、バレエの世界を新しく切り開いていく場所にもなっている。
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