にっぽん実話時代の紹介:1963年日本映画。じり貧で印刷代も払えない経済誌を発行する会社に、社長が伊達という編集長を連れてきます。社長は、今日から実話時代に変えると言って、実話誌の雑誌発行を伊達と共に進め始めます。発行部数が増え、上昇気流に乗った頃、大銀行の頭取と巨大企業の癒着のスキャンダルを掴みます。取材を進め、記事を書いていくうち、実話時代社に圧力がかかりはじめ…という内容の高島忠夫主演の社会派ドラマです。
監督:福田純 出演者:高島忠夫(伊達康介)、藤木悠(岩淵正順)、田中邦衛(片桐鶴夫)、ミッキー・カーチス(柏谷秀彦)、池内淳子(須永雪枝)、浜美枝(二宮英子)、中真千子 (衣笠礼子)、安川実(野田豊)、平田昭彦(黒岩善造)、田崎潤(伊吹彦八)ほか
映画「にっぽん実話時代」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「にっぽん実話時代」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「にっぽん実話時代」解説
この解説記事には映画「にっぽん実話時代」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
にっぽん実話時代のネタバレあらすじ:起
返本の山となった経済マガジン社では、印刷業の秋山に支払いも出来ないほど経営不振に陥っていました。
編集長の二宮が黒岩社長に呼ばれ「もう経済の雑誌なんか出していてもダメだ。明日からは実話雑誌に切り替えろ」と命令します。すると編集長は断りました。黒岩は「新しい編集長も決めてある、君には別の仕事をやってもらう。これは社長命令だ!」と言って会社を出ます。
二宮から事情を聞いた岩淵ら編集員は「編集長が代わるならやめる」と言い出します。しかし片桐が待ったをかけ「少し様子を見よう」と説得します。翌日、黒岩社長が全員を集め「今日から伊達君に編集長をやってもらい、実話時代社に変更する。文句のある奴は辞めてもらっていい」と言います。
すると二宮が辞表を出しました。黒岩は辞表を受け取り「ほかにはいないか?」と聞くと、岩淵が手をあげようとしますが片桐が止めました。黒岩に紹介された伊達が「スキャンダル、芸能、ヌード、風俗何でもいい、でっち上げでもいい。とにかく取材して読者が見たい記事を書け」と言って、各自に役割分担をして、費用の100万円を机に放り投げ取材に行かせます。
にっぽん実話時代のネタバレあらすじ:承
取材初日は、経済記者の癖が抜けず、ダメ出しをくらいます。その夜、伊達は部員たちをクラブで連れて行って豪遊します。そして「目標部数売れたら給与を3割増しにしてやる!」とハッパをかけました。翌日からヌード撮影、トルコ嬢を買収してトルコ風呂の客とのやり取りや、女装して連れ込み宿に行き、中の様子を録音します。
録音テープを聞いた伊達は、その音声をレコードにし付録につけます。調子づいた粕谷は、女優衣笠礼子の妊娠堕胎をでっち上げ記事にします。黒岩にクラブに連れて行かれた伊達は、ママの雪枝を紹介されました。二人は元々恋人同士で再会を果たしました。
そのころ会社を辞めた二宮は、職が決まらず娘の英子に食わせてもらっていました。その英子が、着飾った女性に400万円以上の外車を売り込む姿を見た野田が話しかけますが、英子は「お父さんを見捨てて低俗雑誌に走ったあなたは人間のクズだ」と言われます。
そして、会社には衣笠礼子が押しかけてきて「根も葉もない記事を書かないで、訴える!」と怒鳴りました。驚く部員たちの前で、伊達は「堕胎したとは書いていない、堕胎した噂と書いただけだ!訴えるならどうぞ」と言って追い返します。
にっぽん実話時代のネタバレあらすじ:転
片桐は、買収していたトルコ嬢の千恵に会います。千恵は「録音がばれてクビになって、今はクラブにいる」と言って片桐を連れて行きます。そこは高級クラブ『レダー』で美人のママの倉本あきが経営していました。そこへ見たことのある男性が入って来ます。開運銀行の頭取の伊吹でした。
一方、会社にはネタを売りこむ連中が次々やって来ていました。伊達はネタを叩き買いし「雑誌が売れれば売れるほど、ネタは勝手に飛び込んでくる」と部員たちに言います。片桐は倉本あきのスポンサーが伊吹だという事を掴みます。あきに取材を申し込むと、自宅には到底買えないような品がたくさんありました。
野田は、英子が車を売った相手が倉本あきだったことを知ります。そしてこれを記事にして、出版しようとした時、伊達が「今週の出版は見送りだ」といって札束を見せます。伊吹側が、出版部数全部買い占めたのでした。
クラブで開運銀行の貸付課長の杉本がヤケ酒を飲んでいました。伊達が出くわし事情を聴くと「伊吹はワシに責任を全部なすりつけて、クビにしやがった。絶対復讐してやる」と言います。そこで伊達は杉本に金を渡し、話を聞きました。すると杉本は「海野コンツェルンに無担保で多額の融資をしている」と暴露します。
にっぽん実話時代の結末
会社に帰ると、伊達は部員たちに「もっと大きい相手を記事にする」と伊吹と海野の関係を話します。そこへ黒岩がやって来ました。「海野はウチに資金提供してくれているいわば親だ。親を殺すのはヤメろ」と怒鳴ります。伊達は「オレは一人でもやる」と言うと、黒岩は「ヤメないのなら全員クビだ」と言って出て行きます。
伊達は部員たちを集め、過去の記者時代に、大きな相手のスキャンダルと追っているうち、圧力がかかり責任を取らされクビになったことを話します。そして「お前たちは帰れ、一人でやる」と言うと、部員たちは「一緒にやる」と言います。全員クビになり、雪枝のクラブを事務所代わりにして記事を書きました。
しかし全ての印刷屋に圧力がかかり、断ったところにはヤクザが送り込まれ、出版できない状態でした。一方、銀行や金融にも圧力がかかり金も借りれなくなりました。雪枝が「私の貯金と、店を担保にして」と言うも、ヤクザが大勢押しかけてきて伊達と部員たちは暴行を受けます。
巨大な力に屈した伊達は、雪枝と二人でこれからの事を考えます。再就職の決まらない部員たちは「もう一度実話をやろうか?」と話し合っていました。
以上、映画「にっぽん実話時代」のあらすじと結末でした。
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