白と黒の紹介:1963年日本映画。橋本忍が書いたオリジナルシナリオを、『黒い画集 あるサラリーマンの証言』でコンビを組んだ堀川弘通が映画化。フィルム・ノワールを思わせる秀作となっている。なぜか松本清張が自分の原作でもないのに特別出演している。
監督:堀川弘通 出演:小林桂樹(落合克巳)、仲代達矢(浜野一郎)、井川比佐志(脇田正吉)、千田是也(宗方治正)、大空真弓(村松由紀)、淡島千景(宗方靖江)、乙羽信子(落合知子)、ほか
映画「白と黒」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「白と黒」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「白と黒」解説
この解説記事には映画「白と黒」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
白と黒のネタバレあらすじ:起
浜野一郎は城南弁護士会会長・宗方治正の事務所に務める若い弁護士でしたが、密かに宗方の妻・靖江と密通していました。ある夜、宗方邸で彼女と口論になった浜野は「あなたは私の男めかけじゃないの」と罵られ、衝動的に手近にあった腰紐で靖江を絞め殺してしまいます。
浜野は怖くなって現場から逃げ出したものの、やはり弁護士として良心の呵責に耐えられません。思い切って自首しようとしますが、意外なことに別の男が犯人として逮捕されます。
逮捕された脇田という男は前科四犯で、靖江の宝石類を所持していたこともあって宗方邸へ強盗に入ったことを自供。さらに担当となった落合検事が、殺人も認めさせようと執拗に尋問します。
白と黒のネタバレあらすじ:承
脇田は最初「盗みに入った時はすでに靖江は死んでいた」と供述していましたが、やがて「まだ生きていた」と内容を変えます。しかし肺を病んでいる彼はもう死期が近づいているのを自覚しており、取り調べ自体が面倒臭くなって「俺がやった」と嘘の自供をしてしまいます。
それを知った浜野はホッとするよりも動揺し、婚約相手である村松由紀とのデートでも心穏やかにはなれません。元々靖江と喧嘩になったのも、由紀との交際がその原因でした。
白と黒のネタバレあらすじ:転
死刑廃止論者である宗方は私怨を抑えて敢えて脇田の弁護を引き受けますが、浜野もそれを手伝うことになります。
実際に脇田に会った浜野は自供を翻すことをそれとなく促すのですが、自暴自棄になっている脇田はそんな言葉に耳もかしません。
やがてバーで偶然落合と会った浜野は、その有罪を疑ってもいない落合を責めます。この事がキッカケとなり、落合は事件のことを見直す気になり、浜野へも疑いの目を向けることになります。
白と黒の結末
落合は靖江との関係を突き止めて私的に浜野を尋問し、ついに彼から自白を引き出します。結果的に警察、検察の黒星となりましたが、あえて失態を公表したことで世間での落合の評判が高まります。
ところが事件の夜に宗方宅に電話をかけた人物がおり、それから意外な事実が判明します。実は浜野に首を絞められた靖江は実は失神しただけで、すぐに目を覚ましていました。そこへ脇田が盗みに入り、衝動的に彼女を殺したのです。
この真実によって落合への批判が高まり、彼は地方へ左遷されることに。そして殺人の容疑が晴れて仮釈放となった浜野は、かえって生きる気力がなくなり、自殺してしまうのでした。
以上、映画「白と黒」のあらすじと結末でした。
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