THE PROMISE/君への誓いの紹介:2016年スペイン,アメリカ映画。20世紀初頭に起きた、オスマン帝国(現・トルコ)によるアルメニア人虐殺。150万人もの犠牲者を出したこの事件をアルメニア人学生、アルメニア人女性家庭教師、アメリカ人ジャーナリストの3人の視点から描いた歴史ドラマです。『ホテル・ルワンダ』やアカデミー賞短編映画賞を受賞した『海岸』などのテリー・ジョージが監督・脚本を務め、『スター・ウォーズ』シリーズなどのオスカー・アイザックが主演を務めています。
監督:テリー・ジョージ 出演者:オスカー・アイザック(ミカエル・ボゴシアン)、シャルロット・ルボン(アナ・ケサリアン)、クリスチャン・ベール(クリストファー・“クリス”・マイヤーズ)、アンジェラ・サラフィアン(マラル)、ダニエル・ヒメネス・カチョ(神父)、ショーレ・アグダシュルー(マルタ・ボゴシアン)、ラデ・シェルベッジア(スティーヴン)、マーワン・ケンザリ(エムレ・オーガン)、イガル・ノール(メスロブ)、ジャン・レノ(フルネ提督)、ジェームズ・クロムウェル(ヘンリー・モーゲンソー)ほか
映画「THE PROMISE/君への誓い」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「THE PROMISE/君への誓い」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
THE PROMISE/君への誓いの予告編 動画
映画「THE PROMISE/君への誓い」解説
この解説記事には映画「THE PROMISE/君への誓い」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
THE PROMISE/君への誓いのネタバレあらすじ:起
1914年、オスマン帝国(現・トルコ)。少数民族アルメニア人と多数派を占めるトルコ人が共存していた時代。首都コンスタンチノープル(現・イスタンブール)に南東部の小さな田舎村からひとりのアルメニア人青年ミカエル・ボゴシアン(オスカー・アイザック)がやって来ました。
医師志望のミカエルは、婚約者で裕福な家庭出身のマラル(アンジェラ・サラフィアン)の実家から資金援助を受けて帝国医学大学に進学し、いち早く医師となって故郷に戻り、マラルと幸せな所帯を築こうと考えていました。
親戚のメスロブ(イガル・ノール)の家に居候を始めたミカエルは、そこでアルメニア人の女性家庭教師アナ・ケサリアン(シャルロット・ルボン)と運命的な出逢いをしました。
ミカエルはフランス帰りで洗練された魅力を持つアナに惹かれていきましたが、ミカエルにはマラルがおり、アナはアメリカ人ジャーナリストのクリス・マイヤーズ(クリスチャン・ベール)と交際していることから、ミカエルはアナへの想いを内に秘め、友人として振る舞うことに努めていました。
やがて第一次世界大戦が勃発、国内の若者たちは次々と徴兵されて戦場に向かわされました。ミカエルは友人で政府高官の息子エムレ・オーガン(マーワン・ケンザリ)のはからいで何とか徴兵を免れましたが、この頃からアルメニア人に対するトルコ人の差別や迫害は悪化の一途を辿っていました。
THE PROMISE/君への誓いのネタバレあらすじ:承
1915年4月24日、ミカエルとアナも騒乱に巻き込まれ、アルメニア人たちの隠れるホテルに身を寄せました。そこでアナはミカエルへの想いに気付き、自身もまた仕事に没頭するクリスとの生活に疲れ果てていたことから、ミカエルはアナは互いに一気に惹かれ合っていきました。
翌日、ミカエルとアナは多数のアルメニア人が反逆罪の疑いを着せられて逮捕されたことを知りました。逮捕者の中にはメスロブも含まれており、ミカエルはエムレに掛け合ってメスロブを助けようとしましたが、エムレの父は我が子がアルメニア人と親しくしていることに腹を立て、ミカエルを捕らえて警察に引き渡してしまいました。そしてエムレも軍隊に入れられることとなりました。
半年後、ミカエルは数多くのアルメニア人とともに鉱山で過酷な強制労働を強いられていました。ミカエルは死と隣り合わせの日々でも決して希望を捨てずにいたある日、労働者の一人がトルコ人に報復すべく鉱山で大規模な爆発事故を引き起こしました。
ミカエルは混乱に乗じて鉱山から逃走、命からがら故郷の村へと辿り着きました。故郷へと向かう間、ミカエルは大勢のアルメニア人が列車に乗せられて移送されていく様を目撃しました。
故郷の村はトルコ軍によって荒らされていましたが、辛うじて生き延びていた両親はミカエルを喜んで出迎え、マラルと一緒に暮らせる隠れ家を手配してくれました。ミカエルはアナへの想いを胸に秘めながらマラルとの新婚生活を送ることとなりました。
やがてマラルはミカエルとの子を身籠り、ミカエルはマラルを伴って実家に戻ることにしました。そこには首都から逃れてきたメスロブの妻子がおり、あのアナとクリスが密かにアルメニア人の生き残りたちを国外に脱出させる準備を行っていることが明らかになりました。
THE PROMISE/君への誓いのネタバレあらすじ:転
ミカエルはすぐさまアナたちが滞在している赤十字の野営地へと向かい、アナと再会を果たすと、家族の国外脱出に協力してほしいと頼みました。アナはミカエルが結婚していたことに深い悲しみを覚えながらもその頼みを引き受け、ミカエルはクリスと共に家族の元へ向かいました。
ところが、マラル、ミカエルの父、メスロブの妻たちはトルコ軍によって虐殺されており、生き残ったのはミカエルの母マルタ(ショーレ・アグダシュルー)とメスロブの娘イェヴァ(ミレーネ・メイヤー)だけでした。ミカエルはマラルや家族の死を悲しむ間もなく、すぐさまトルコ軍の兵士数名が現れました。クリスは自ら囮となってミカエルたちを逃がし、トルコ軍に捕らえられてしまいました。
ミカエルたちは自分たちと同じようにトルコ人からの迫害から逃れて来たアルメニア人たちと合流しました。アルメニア人たちはもはや希望を見失いつつありましたが、せめてもの抵抗をしようと山に籠って戦う決断をしました。ミカエルたちも戦う決意を固め、アルメニア人たちはわずかばかりの武器を手に遂にトルコ軍と武力衝突に臨みました。ミカエルは医学の知識を生かして怪我人の治療を行い、アナも怪我人や子供たちの面倒を見ていました。
その頃、トルコ軍に捕らえられたクリスはスパイ罪で処刑されようとしていましたが、エムレが極秘裏にアメリカ政府にクリスの件を知らせたことによりアメリカ国務省が動き、アメリカ大使ヘンリー・モーゲンソー(ジェームズ・クロムウェル)の取りなしによってクリスは何とか釈放されましたが、アメリカへの密告が発覚したエムレは処刑されてしまいました。クリスはアメリカ国務省にアルメニア人の国外退去の状況の確認を依頼すると、フランス海軍が駐留しているマルタ島に救援を要請に向かいました。
一方、アルメニア人が立て籠る山では、ミカエルの母マルタが命を落としていました。トルコ人への憎しみを募らせるミカエルを、アナは「生き残ることが復讐よ」と励ましました。
THE PROMISE/君への誓いの結末
トルコ軍の猛攻は激しさを増していき、ミカエルらアルメニア人たちは山を出て向こう側の海岸へと逃れました。海岸にはクリスの要請を受けたフランス海軍の軍艦がアルメニア人救出のため待ち構えていました。ミカエルとアナはクリスと再会を果たし、アルメニア人はトルコ軍の攻撃から身を守りながら次々とボートで軍艦へと乗り込んでいきました。
そして怪我人や子供を含む全員が軍艦に乗り込み、夜になってミカエルとアナ、イェヴァもボートで軍艦へ向かおうとしていたその時でした。トルコ軍の放った砲弾がアナの乗ったボートのすぐ近くを直撃、イェヴァはすぐに助け出されるもアナは海に溺れてしまいました。ミカエルはすぐさま海に潜ってアナを助けようとしましたが、アナはそのまま海の底へと沈んでいき、二度と浮かび上がることはありませんでした。
フランス軍に助けられたミカエルはクリスと共にアナの死を悼みました。その後、ミカエルはイェヴァと共にアメリカに逃れ、イェヴァを養子にして平穏な暮らしを送りました。クリスはその後も精力的にジャーナリストとして活動していましたが、スペイン内戦の取材中に命を落としました。
あの悲劇から歳月が流れた時1942年、アメリカ・マサチューセッツ州では成長したイェヴァが結婚式を挙げていました。ミカエルはアルメニア人の生き残りたちを前に挨拶に立ち、あの悲劇を振り返りながら「我が民族を消滅させようとしても、私たちはここに生きている」と力強く語りかけました。
以上、映画「THE PROMISE/君への誓い」のあらすじと結末でした。
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