日本脱出の紹介:1964年日本映画。アメリカに渡りジャズ歌手を夢見る竜夫が、アニキと慕うタカシから金庫破りを手伝わされ、一緒にいた郷田が追って来た警官を殺してしまいます。このことから仲間割れするようになり、竜夫は郷田を殺して、共犯者でタカシの女ヤスエと逃げ出します。警察は金庫破りと警官殺しは竜夫とヤスエの犯行だとして二人を追います。すべてが悪い方へ向かう二人の運命は…という内容のアウトロー映画です。
監督:吉田喜重 出演者:鈴木やすし(竜夫)、待田京介(浅川タカシ)、内田良平(郷田)、坂本スミ子(光子)、垂水悟郎(花田)、中野誠也(李)、桑野みゆき(ヤスエ)、ほか
映画「日本脱出」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「日本脱出」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
日本脱出の予告編 動画
映画「日本脱出」解説
この解説記事には映画「日本脱出」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
日本脱出のネタバレあらすじ:起
ジャズ歌手を夢見る竜夫は、クラブで出演バンドの手伝いをしています。ある日、アニキと慕うタカシがやってきます。タカシはドラムが上手く「オレが歌手にしてやる」と言う言葉を信じた竜夫は、タカシの言う事なら何でも聞いていました。
この日は、「女が来るから部屋を貸せ」と言われ、竜夫はその間、隣のフジ子の部屋で待っています。「タカシが連れてきた女はトルコ風呂の女だ」と聞いた竜夫は、女・ヤスエに「うまく化けたな!」と言って追い出します。
ある日、タカシは竜夫をプールに呼び郷田に会わせます。タカシと郷田はトルコ風呂の金庫破りの話を持ちかけ、竜夫に「運転手として手伝え」と言うのです。実行当日、竜夫はトルコ風呂でヤスエを指名します。
ヤスエの手引きでタカシと郷田が館内に隠れ、深夜に金庫を破る計画でした。深夜、バーナーで金庫を破るタカシに麻薬の禁断症状が出ます。そのことで手間取り警報が鳴ってしまいます。住み込みの従業員たちが騒ぎはじめ、警察がかけつけます。車に乗りこみ逃亡する3人は、車で警官を撥ね、更に郷田が警官を撃ってしまいます。
日本脱出のネタバレあらすじ:承
3人が逃げ込んだ場所は、競輪場の選手の控室でした。元競輪選手の郷田は、競輪のない日は誰も来ない事を知っていました。禁断症状が出ていたタカシは麻薬を打ち、正常に戻ります。
タカシは警官を撃った事を責めますが、郷田は「撥ねたのは竜夫だ、皆共犯だ」と強がります。タカシに郷田が「ヤスエは大丈夫なのか?」と疑いを持ちます。タカシは「そんなに心配なら好きなようにすればいい」と言っていると、ヤスエがやって来て「あの警官死んだわよ。どうするの?」と言います。
郷田はヤスエを連れ込みレイプしようとしますが抵抗し、今度は首を絞めて殺そうとします。見かねた竜夫がタカシに「やめさせてくれ」と言うと、タカシは「そこのチャカで殺せよ」と言います。
拳銃を持ったタカシが郷田を止めようとすると、ヤスエをレイプしています。郷田ともみ合いになり気持ちの高ぶった竜夫は、郷田を射殺してしまいます。それを見たタカシは金を持って逃げて行ったのです。
二人はタカシの部屋を訪ねます。タカシは布団に隠れていました。竜夫が拳銃を構えると「妻が妊娠しているんだ」と言い命乞いしたのを見て、竜夫は一部の金を放り投げてヤスエと車で逃げ出しました。
日本脱出のネタバレあらすじ:転
横浜に流れ着いた竜夫は、ヤスエに「ジャズ歌手が夢なんだ、アメリカへ修行に行きたい」と語ります。それを聞いたヤスエは、ポン引きをやっていた男に米兵を紹介してもらう事で話がまとまりますが、ポン引きの男はヤクザの花田に連れられてやって来ます。
花田は「ここではオレを通すんだ」と凄み、ヤスエの体を奪います。そこへ竜夫が入ってきたことから、花田は「お前たちがトルコ風呂の金庫破りをやったんだな」と分かってしまいます。すると竜夫は拳銃を構え、睡眠薬を花田に飲ませて風呂で溺死させたのでした。
ヤスエは米軍基地で娼婦をやっている友人の光子を訪ね、竜夫をアメリカに行かせたい事を話します。光子は「まかしなさい」と言うものの、日本は東京オリンピックの開催を控え、アメリカ行きの船は無く、全て韓国行きでした。
そこでヤスエと光子は「韓国へ渡ってからアメリカへ行けばいい」と竜夫を説得し、韓国行きのコンテナの中に竜夫を潜り込ませます。しかしコンテナの中には、朝鮮人の李が乗っていて「一緒に北朝鮮へ行こう」と誘います。
コンテナが北朝鮮へ行くと知った竜夫は、コンテナから逃げ出します。その時、米兵に見つかり李は捕まり、竜夫はどうにか逃げ切りました。
日本脱出の結末
光子の部屋に帰ってきた竜夫でしたが、自分の世話を台無しにされたことで怒った光子は、一緒にいた米兵たちに「こいつは人殺しだ」と教えます。竜夫とヤスエは部屋を飛び出し、山を走って逃げ出します。途中でヤスエが「お金を落とした」と言います。
近くの家に逃げ込んだ二人。竜夫がいない間にヤスエは近くの市民らの通報により、警察に逮捕されてしまいます。町では聖火ランナーが走るとあって、大勢の人が道路に出ています。ヤスエが逮捕されたことを知った竜夫は、ラジオの中継カーに乗りこみ、関係者を拳銃で脅します。しかし中継をする技術者が、中継を警察に流していたのです。
ヤスエはこの中継を取調室で聞いていました。アナウンサーは竜夫に、今までの事件の事を聞きだします。中継されているとは知らない竜夫はすべてをしゃべります。更に「一緒にいた女性は?」と聞かれた竜夫は「警察を呼んだ酷い女だ」と言ってしまったのです。
ヤスエは取調室で泣き出します。途中で中継されていると知った竜夫は、中継カーから飛び降り、輸出の荷物を積み込む船に向います。クレーンで吊るされる荷物の中に乗りこんだ竜夫が下を見ると、警察が包囲していました。
以上、映画「日本脱出」のあらすじと結末でした。
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