サウスポーの紹介:2015年アメリカ,香港映画。かつて無敗の絶対王者として君臨しながらも、愛する妻や名声など全てを失ったボクシングの元世界チャンピオンが人生の再起を賭けて苦闘する姿を描いたスポーツ映画です。主題歌は世界的ラッパーのエミネムが手掛け、物語の内容もエミネムの半生にインスパイアされたものとなっています。
監督:アントワーン・フークア 出演者:ジェイク・ギレンホール(ビリー・ザ・グレート・ホープ)、フォレスト・ウィテカー(ティック・ウィルズ)、レイチェル・マクアダムス(モーリーン・ホープ)、ナオミ・ハリス(アンジェラ・リヴェラ)、カーティス・50セント・ジャクソン(ジョーダン・メインズ)、ウーナ・ローレンス(レイラ・ホープ)、ボー・ナップ(ジョン・ジョン)、ミゲル・ゴメス(ミゲル・マジック・エスコバル)、スカイラン・ブルックス(ホッピー)、クレア・フォーリー(アリス)、ジミー・レノン・ジュニア(本人役)、ジム・ランプリー(本人役)、ロイ・ジョーンズ・ジュニア(本人役)ほか
映画「サウスポー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「サウスポー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
サウスポーの予告編 動画
映画「サウスポー」解説
この解説記事には映画「サウスポー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
サウスポーのネタバレあらすじ:起
プロボクサーのビリー・“ザ・グレート”・ホープ(ジェイク・ギレンホール)は施設生活から這い上がり、これまでの対戦成績は43勝無敗、今やWBC・WBA・WBO・IBFの4冠を制した世界ライトヘビー級チャンピオンにまで上り詰めていました。
アメリカ・ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで開かれた4度目の防衛戦。愛する妻モーリーン(レイチェル・マクアダムス)やスタッフのジョン・ジョン(ボー・ナップ)、プロモーターのジョーダン・メインズ(カーティス・“50セント”・ジャクソン)らが見守る中、ビリーは序盤は相手の猛攻を受けながらも持ち前の捨て身のファイトスタイルで反撃に転じ、最後は第10ラウンドで相手に右ストレートを浴びせてノックアウト勝ちを収めました。
防衛に成功したビリーは試合後の記者会見で同じ階級の選手ミゲル・“マジック”・エスコバル(ミゲル・ゴメス)の挑発を受けましたが、それに乗ることなくモーリーンと共に娘レイラ(ウーナ・ローレンス)の待つ自宅へと戻りました。
モーリーンは持ち前の捨て身のファイトスタイルを改めようとしないビリーの身を心配し、このままではパンチドランカーになってしまうと危惧しましたが、ビリーは既に2年で3試合の契約を組んでいました。
サウスポーのネタバレあらすじ:承
数日後。ビリーはモーリーンを伴って養護施設を支援するチャリティパーティーに出席しました。スピーチでモーリーンを称えたビリーでしたが、帰り際に現れたエスコバルに公衆の面前でモーリーンを侮辱されました。
短気なビリーはモーリーンの制止を振り切ってエスコバルと殴り合いを始めましたが、大混乱の最中にエスコバルの弟が発砲した流れ弾がモーリーンを直撃、エスコバルは弟を逃がしました。モーリーンはビリーの懸命の励ましも虚しく息を引き取ってしまいました。
モーリーンの葬儀を終えたビリーはレイラと共に深い悲しみに落ちていました。ビリーはジョン・ジョンからエスコバルやその弟への復讐は考えるなと忠告されましたが、拳銃を手にしてエスコバルの弟のアパートに向かいました。しかし、ビリーはドラッグに溺れるエスコバルの弟の妻や子供の姿を見て復讐を断念しました。
ビリーは悲しみの癒えぬまま次の防衛戦に挑みましたが、もはやボクシングに身が入らなくなったビリーは無残に打たれ続け、TKO負けを喫してタイトルを失いました。この際、ビリーは怒りのあまりレフェリーに頭突きを食らわせてしまい、1年間の出場停止と制裁金数十万ドルの処分を科せられてしまいました。
ビリーはエスコバル側についたジョーダンやスタッフからも見放され、収入も途絶えて屋敷を手放さざるを得なくなりました。自暴自棄に陥ったビリーは屋敷の敷地内で自殺未遂を図ってしまい、レイラの保護義務を怠ったとして彼女と引き離されることになってしまいました。ビリーは法廷で暴れたことで今度は法廷侮辱罪に問われ、レイラは保護施設で保護されることとなってしまいました。
サウスポーのネタバレあらすじ:転
全てを失ったビリーは、人生再起のわずかな望みをかけてかつて自分を苦しめた対戦相手のトレーナーをしていた「ウィルズ・ジム」オーナーのティック・ウィルズ(フォレスト・ウィテカー)の元を訪れました。ビリーはティックに自らを鍛え直してほしいと懇願しますが、ティックはまず子供を立派に育て上げるのが先だと断りました。
アパートを借りたビリーは養護施設に向かい、担当者のアンジェラ・リヴェラ(ナオミ・ハリス)を通じてようやくレイラと対面しましたが拒絶されてしまいました。再びティックの門を叩いたビリーは掃除係として雇ってほしいと頭を下げ、ジムで働きながらトレーニングを始めました。
やがてビリーはこのジムに通う少年ホッピー(スカイラン・ブルックス)と親しくなっていきました。時を同じくして、エスコバルはビリーを破った相手に勝利して新王者になったとのニュースが舞い込んでいました。
ビリーは再び養護施設を訪れましたが、アンジェラからレイラが会いたがっていないと告げられてショックを受けました。その後、ティックのいるバーに向かったビリーは、トレーニングをする目的がボクサーとして再起してレイラを取り戻すためだと伝えました。ティックはまだ幼いレイラが心を閉ざすのも無理はないと諭し、これはレイラ自身が乗り越える問題だと語りました。
改めて自分自身、そしてボクシングと向き合う決意を新たにしたビリーはより一層トレーニングに打ち込んでいきましたが、レイラは未だに心を閉ざしたままでした。やがて保護期間の30日間が過ぎ、ビリーは裁判所から保護期間を更に30日間延長することを告げられました。
ビリーはティックから、傷病軍人基金のチャリティマッチへの出場を提案されました。未だ出場停止中のビリーでしたがこのチャリティマッチはライセンスも不要であることから出場することを決めました。ビリーはホッピーの両親が不仲であることを聞き、レイラにチャリティマッチのことを伝えましたが、未だにビリーを拒絶するレイラはモーリーンの代わりにビリーが死ねばよかったと痛烈な言葉を吐きました。
ショックを受けたビリーでしたが、久々の実戦となったチャリティマッチでは順調な仕上がりを見せて快勝しました。この試合を見ていたジョーダンはビリーにエスコバルへの挑戦を提案され、ライセンスを取り戻したうえで6週間後にラスベガスでタイトル戦を開くことを持ちかけられました。ティックはジョーダンが八百長も平気でやる拝金主義者だとして難色を示しましたが、ビリーはレイラを取り戻すためにも出場する決意を固めていました。
そんな矢先、ビリーはホッピーが両親の喧嘩に巻き込まれて殺害されたことを知り、ホッピーの死を悼んだティックは何があっても自分とレイラを守れと伝えられました。やがてビリーはレイラとの同居を許され、ティックの指導のもと徹底的に身体を鍛え上げていきました。
サウスポーの結末
そして遂に試合当日がやってきました。レイラはアンジェラと共に控室で父の試合を見守ることにしました。派手に登場した王者のエスコバルとは対照的に、挑戦者のビリーは入場曲なしでリングに上がりました。
試合の序盤はエスコバルの優勢に進み、流血したビリーは劣勢を強いられたまま第5ラウンドまで進みました。そして第6ラウンド、ビリーはこれまでのファイティングスタイルとは打って変わって守りを重視しながらも攻勢に転じ、ストレートをエスコバルの顔面にヒットさせました。
これを機にビリーはエスコバルの猛攻に耐えながらも着実にポイントを稼いでいきましたが、第11ラウンドに入ったところでエスコバルからモーリーンのことを言われて動揺してしまいました。それでもセコンドにつくティックから“王者の魂”を見せろ、レイラと共にモーリーンも見ていると激励され、今こそサウスポーを使えと指示されました。
そして最終の12ラウンド。ビリーとエスコバルはほぼ互角の打ち合いを繰り広げ、試合終了間際にサウスポーにスイッチしたビリーは左アッパーをエスコバルにくらわしてダウンを奪いました。そのまま試合は終了、結果は判定に持ち越されました。
その結果、ビリーは2対1で判定勝ちを収めて王者に返り咲きました。ビリーはコーナーに跪くとモーリーンに勝利を報告、チャンピオンベルトをジムに飾ってほしいとティックに渡しました。レイラはアンジェラと共に興奮し、ビリーはレイラを抱きしめるとよく頑張ったと労いの言葉をかけました。ビリーはティックに感謝の言葉を伝え、これでモーリーンも褒めてくれるとレイラに伝えました。
以上、映画「サウスポー」のあらすじと結末でした。
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