モヒカン族の最後の紹介:1920年アメリカ映画。ジェイムズ・フェニモア・クーパーの同名小説を初めて映画化。植民地戦争が激化するアメリカで、部族の存亡と愛を賭けた戦いに挑む人々を描いた無声映画の傑作。1757年、イギリスとフランスによる大規模な植民地戦争で、インディアンは存亡を迫られていた。フランス軍に加担するヒューロン族に狙われたモヒカン族は、イギリスと手を組むことにする。モヒカン族酋長の息子アンカスは、森で迷っていたイギリス軍連隊長の娘コーラ一行に出会った。共に過ごす内に、アンカスとコーラの間には人種を超えた愛が深まっていく。しかし彼らの行く先には残忍なヒューロン族が待ち構えていたのだった。
監督:モーリス・トゥールヌール 出演者:ウォーレス・ビアリー(マグア)、バーバラ・ヘッドフォード(コーラ)、ヘンリー・ウッドワード(ヘイワード少佐)、ボリス・カーロフ(インディアン)、リリアン・ホール(アリス)、ほか
映画「モヒカン族の最後」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「モヒカン族の最後」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
モヒカン族の最後の予告編 動画
映画「モヒカン族の最後」解説
この解説記事には映画「モヒカン族の最後」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
モヒカン族の最後のネタバレあらすじ:植民地戦争
舞台は1757年のアメリカ。イギリスとフランスによる植民地戦争が激化し、インディアンも存亡が迫られています。ハドソン川が流れる渓谷を見下ろす丘の上に、モヒカン族の酋長グレート・サーペントとその息子アンカスがいました。
サーペントはイギリス軍のエドワード砦に危険が迫っていることを知り、アンカスに警告へ行くよう命令します。残忍なヒューロン族がフランスと手を組み、攻撃の手を強めようとしているのです。
エドワード砦には、連隊長マンローの娘コーラとアリスが身を置いていました。コーラはアリスの母親がわりで、大尉のランドルフから好意を寄せられています。アリスは明るく移り気な性格で、少佐のヘイワードから好かれていました。
アンカスはエドワード砦に到着すると、すぐに軍に危険を知らせます。コーラは凛々しいアンカスに一目で惹かれてしまいました。
モヒカン族の最後のネタバレあらすじ:マグアの狙い
エドワード砦の近くにあるウィリアム砦では、フランスの司令官モンカルム率いる軍の攻撃にマンローが防戦を繰り広げています。マンローはインディアンの伝令マグアに手紙を持たせ、エドワード砦へ向かわせました。フランスとインディアンの連合軍がウィリアム砦に迫っているので、兵員補充を頼むという旨の手紙です。
兵がウィリアム砦に派遣されることになり、コーラとアリスはマンローと再会するため同行することにしました。ランドルフ大尉やヘイワード少佐を護衛につけた姉妹は、森を抜ける近道を知っているというマグアに道案内をして貰います。
翌日。マグアの案内で森に入ったコーラ一行は、大雨に襲われ立ち往生してしまいます。ちょうど近くでアンカスとサーペント、斥候のホークアイが雨宿りしていました。コーラ達に道を聞かれたアンカスは、インディアンが道に迷うなど有り得ないと訝しみます。するとマグアの姿が消えていました。実は、マグアはヒューロン族でコーラ達を陥れようとしていたのです。
危険を察知したアンカスは、全員を連れて洞窟に身を潜めることにしました。危険を共有することになったコーラとアンカスは急速に惹かれ合います。すると洞窟近くにヒューロン族が現れました。指揮を執っているのはマグアです。アンカスとサーペント、ホークアイが囮になってヒューロン族を洞窟から引き離そうとしますが、作戦は失敗しコーラ達は連れ去られてしまいました。
モヒカン族の最後のネタバレあらすじ:ランドルフの裏切り
放棄されたトーチカの残骸に連れて行かれたコーラは、マグアからアリスを助けたければ自分の妻になれと脅迫されます。そこにアンカス達が駆けつけ、無事にコーラ達を救出しました。ウィリアム砦に無事到着したコーラとアンカスはますます強く惹かれ合います。それが面白くないランドルフは苛立っていましたが、戦況がかなり悪いと知り恐怖心が芽生えてきました。
そこでランドルフは保身のためモンカルムを訪ね、イギリス側の情報を渡してしまいます。それを受けて、モンカルムはマンローに会談を申し入れました。ランドルフが裏切ったと知ったマンローは、女子どもに危害を加えないことを条件に降伏することにします。
その夜、白人はヒューロン族に酒を売り、酩酊したインディアン達はお祭り騒ぎを繰り広げました。
モヒカン族の最後のネタバレあらすじ:大虐殺
翌朝。ウィリアム砦から兵士以外の人間が続々と脱出します。しかしマグアは約束を破ってヒューロン族の戦士を扇動し、砦から逃げる人々に襲い掛かりました。逃げ惑う人々は砦に逃げ戻りますが、殺戮を楽しむヒューロン族は止まりません。
そしてヒューロン族による大虐殺が始まりました。泣き、絶叫し、抵抗する人々を容赦無く殺していくヒューロン族。火薬庫に隠れたランドルフは、火を投げ込まれて爆発によって死亡しました。マグアはコーラとアリスを連れ去ります。彼らが向かったのはインディアンの正義、デラウェア族の集落でした。
デラウェア族には古くから、3人の賢者が話し合い公明に統治するという掟があります。姉妹を助けに来たアンカスやホークアイも同席し、賢者による話し合いが行われました。そしてコーラはアンカスのもの、アリスはマグアのものであるという決定が下されます。
コーラは悲嘆し、自分がアリスの身代わりにマグアと共に行くことにしました。聖地の掟として、決定は日没まで守られなければなりません。歯噛みするアンカスは、日没と共にコーラ救出に駆け出しました。
モヒカン族の最後の結末:最後の戦い
マグアに連れられたコーラは、彼の目を盗んで切り立つ崖に駆け上ります。追いかけて来たマグアに、近付けば飛び降りると宣言するコーラ。2人が睨み合ったまま夜の時間が過ぎていきます。
並外れた耐久力を持つマグアはコーラが睡魔に負けるのをじっと待ち続けました。ついに眠ってしまったコーラの手をマグアが掴みます。驚いたコーラは、マグアを道連れに崖から飛び降りようとしました。そこにアンカスが駆けつけますが、コーラはマグアに手をナイフで刺され、断崖絶壁から落下して死亡します。
怒り狂ったアンカスがマグアに掴みかかり、2人は斜面を転がりながら死闘を繰り広げました。コーラの遺体のそばまで転がって来た彼らの勝者は、マグアでした。彼はアンカスを刺殺して逃げ出します。そこに駆けつけたホークアイがアンカスを射殺しました。アンカスは最後の力を振り絞ってコーラの手を握り、息絶えてしまいます。
その後、美しい谷でコーラが、岩山の上でアンカスが丁重に葬られました。嘆き悲しむ人々の声と共に、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「モヒカン族の最後」のあらすじと結末でした。
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