怪物の花嫁の紹介:1955年アメリカ映画。狂気の科学者が仕掛ける恐怖を描くSFホラー。田舎町の沼付近で、近隣住民が次々行方不明になる事件が発生していた。新聞記者ジャネットは沼のほとりに建つ屋敷が怪しいと睨み、そこに住むヴォルノフ博士について調べ始める。彼は放射線によって超人を造り出す人体実験に手を出しており、実験で得た巨大なタコを沼に住まわせていた。ジャネットはヴォルノフ博士の下僕ロボに捕まり屋敷に囚われてしまう。ジャネットもまた狂気の人体実験に使われそうになるが、そこに婚約者で警部補のディックが駆けつけ、ヴォルノフ博士の凶行を阻止しようとするのだった。ヴォルノフ博士を演じるのは、「魔人ドラキュラ(1931年)」などで知られる往年の怪奇映画スター、ベラ・ルゴシ。監督を務めるのは、「史上最低の映画監督」の異名を取るエド・ウッド。
監督:エドワード・D・ウッド・Jr. 出演者:ベラ・ルゴシ(エリック・ヴォー / ルノフ博士)、トー・ジョンソン(ロボ)、ロレッタ・キング(ジャネット・ロートン)、トニー・マッコイ(ディック・クレイグ)、ハーヴェイ・B・ダン(トム・ロビンズ)ほか
映画「怪物の花嫁」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「怪物の花嫁」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
怪物の花嫁の予告編 動画
映画「怪物の花嫁」解説
この解説記事には映画「怪物の花嫁」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
怪物の花嫁のネタバレあらすじ:起・狂気の人体実験
舞台はアメリカのとある田舎町。この地域では、3ヶ月もの間、異常な嵐が続いていました。ある夜、2人の男性が雨宿りしようと沼近くの屋敷を訪ねます。そこは15年も空き家でしたが、数年前に異国の科学者エリック・ヴォルノフが購入し、住み着いていました。
ヴォルノフ博士にすげなく追い返された男達は、沼近くを通った際巨大なタコに襲われます。1人はそのまま水中に引きずりこまれ、1人は大男に捕らえられ、ヴォルノフ博士の屋敷に運ばれました。
大男の名前はロボ。醜い顔と巨躯、そして凄まじい怪力の持ち主で、口が利けません。ロボはヴォルノフ博士の下僕として扱われていました。ヴォルノフ博士は放射線によって超人を造る人体実験を繰り返しており、これまで何度も近隣住民をさらって実験材料にしています。
沼に住む巨大なタコは、実験で得た成果のひとつでした。ヴォルノフ博士は男を実験台に拘束し、機械のスイッチを入れます。男は実験の負荷に耐えられず死亡してしまいました。ヴォルノフ博士の実験は一度も成功したことがなく、博士は肩を落とします。
怪物の花嫁のネタバレあらすじ:承・捜査
小さな田舎町の連続失踪事件は大きなニュースになり、新聞は沼に潜む怪物の仕業だと書き立てます。記事を書いた女性記者ジャネット・ロートンは、警察は何か情報を隠しているに違いないと考えていました。
警察署のトム・ロビンズ警部に会いに行った彼女は、怪物の情報を渡せと迫ります。しかしロビンズ警部は、隠している情報は何も無い、怪物はジャネットの想像に過ぎないと言うばかりです。ジャネットの婚約者で、警部補のディック・クレイグもロビンズ警部と同意見でした。
腹を立てたジャネットは、自分で沼を捜索することにします。新聞社に戻って不動産資料を調べたジャネットは、ヴォルノフ博士が怪しいと睨みました。そこで単身車で沼へ向かうことにします。ところが途中で車が動かなくなり、その上蛇に驚いた彼女は気絶してしまいました。そこに現れたロボは、ジャネットの美しさに惹かれヴォルノフ博士の屋敷へ連れ帰ります。
一方、警察署には高名な生物学者ストロウスキー教授がやって来ました。彼は数年前に調査したネス湖の怪獣と、今回囁かれている沼の怪物は類似点があると指摘します。捜査の協力を申し出たストロウスキー教授は、明日ディックと一緒に沼へ行く約束をしました。ロビンズ警部はストロウスキー教授に違和感を覚え、気をつけるようディックに忠告します。
怪物の花嫁のネタバレあらすじ:転・ヴォルノフ博士の過去
翌日。ストロウスキー教授は約束を無視し、単身ヴォルノフ博士の屋敷へ向かっていました。ディックは同僚のマーティンと共に、少し遅れて沼付近に到着します。途中、ジャネットの車を発見し急いでロビンズ警部に連絡しました。ジャネットのことはロビンズ警部に任せ、ディック達はストロウスキー教授を探すことにします。
ストロウスキー教授はヴォルノフ博士に会いに行き、再会の握手を交わしていました。2人は古い知り合いだったのです。ヴォルノフ博士は故国で天才と賞賛されていましたが、超人化実験で狂人のレッテルを貼られ、20年前に国を追放されていました。しかし故国の政府は一転ヴォルノフ博士の研究を認め、国に連れ帰るようストロウスキー教授に命令したのです。
ストロウスキー教授は怪物が出たという噂を聞いては、ヴォルノフ博士の仕業ではないかと見に行っていました。しかしヴォルノフ博士に故国へ戻る気は毛頭ありません。彼は自分の超人達が支配する世界を望んでいました。ヴォルノフ博士を銃で脅したストロウスキー教授はロボに捕まってしまい、そのまま巨大タコの餌にされてしまいます。
怪物の花嫁の結末:ロボの決断
ヴォルノフ博士はジャネットを人体実験に使うことにします。ジャネットは博士の催眠術で操られ、花嫁の衣装を着てフラフラと実験室に入って来ました。実験台に拘束され、催眠術を解かれたジャネットは必死に助けを求めます。
そこにストロウスキー教授を追っていたディックが駆けつけました。ヴォルノフ博士に銃を突きつけますが、ロボに襲われ拘束されてしまいます。ヴォルノフ博士が実験を続けようとすると、突然ロボが叛旗を翻しました。彼は恐ろしい見た目をしていますが実は純粋で心優しいため、ジャネットを死なせたくなかったのです。
ロボはヴォルノフ博士を投げ飛ばして気絶させ、ジャネットの拘束を解きました。そしてジャネットがディックを解放している間に、ヴォルノフ博士を実験台に拘束します。目を覚ました博士が必死に叫びますが、ロボはそのまま機械のスイッチを入れました。
実験台の上でぐったりしていたヴォルノフ博士は、おもむろに拘束を引きちぎりました。皮肉なことに、この時実験が初めて成功したのです。超人となったヴォルノフ博士はロボと戦い、彼を倒して外へ出ます。
ディックは急いで追いかけ、情報を掴んでやって来たロビンズ警部達と合流しました。警官隊の一斉射撃を受けても、超人となったヴォルノフ博士にダメージはありません。ディックは大岩を転がしてヴォルノフ博士を沼に突き落としました。そこに巨大なタコが現れ、ヴォルノフ博士は水中に引きずり込まれていきます。機材の故障と落雷によって屋敷が爆発し、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「怪物の花嫁」のあらすじと結末でした。
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