新感染半島 ファイナル・ステージの紹介:2020年韓国映画。2016年に公開された韓国発のパニックホラー映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』の4年後を描いた続編です。前作の事件時、パンデミックを逃れて香港に渡っていた韓国の元軍人がある任務のために祖国に戻りサバイバルを繰り広げる様を描きます。監督は前作に引き続きヨン・サンホが務め、第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション「カンヌレーベル」作品に選出されています。
監督:ヨン・サンホ 出演者:カン・ドンウォン(ジョンソク)、イ・ジョンヒョン(ミンジョン)、キム・ドゥユン(チョルミン)、クォン・ヘヒョ(キム)、イ・レ(ジュニ)、イ・イェオン(ユジン)、キム・ミンジェ(ファン軍曹)、ク・ギョファン(ソ大尉)ほか
映画「新感染半島 ファイナル・ステージ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「新感染半島 ファイナル・ステージ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
新感染半島 ファイナル・ステージの予告編 動画
映画「新感染半島 ファイナル・ステージ」解説
この解説記事には映画「新感染半島 ファイナル・ステージ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
新感染半島 ファイナル・ステージのネタバレあらすじ:起
2016年、韓国では謎のウィルスが蔓延し、感染した者たちが狂暴化して暴れ始めました。韓国はわずか1日にして崩壊し、朝鮮半島は完全に封鎖されました。(前作『新感染 ファイナル・エクスプレス』参照)
パンデミックが発生した日、元韓国軍大尉のジョンソク(カン・ドンウォン)は姉とその夫チョルミン(キム・ドゥユン)、甥と共に港へと車を走らせていました。感染者の屍が転がる道路を突き進んだジョンソク一行は途中で助けを求める一家に車を止められ、幼い娘を抱く母親からまだ感染していない我が子だけでも助けてほしいと言われましたが、ジョンソクは一家を無視してその場から走り去りました。
ジュンソクと姉一家は日本行きのフェリーに乗りましたが、行先は突然香港へと変更になりました。一行は大部屋で休憩を取りましたが、チョルミンは難民への配給品をもらいに行き、ジョンソクも行先の件を確認するために部屋を離れ、姉と甥は大部屋に残りました。
ところが、この大部屋には感染者が紛れ込んでおり、部屋の乗客たちに襲い掛かってきました。騒ぎを聞きつけたジョンソクが大部屋に戻った時は既に遅く、甥と姉は感染者に噛みつかれていました。ジョンソクは取り乱すチョルミンを引き留め、断腸の思いで甥と姉の入った大部屋を封鎖しました…。
新感染半島 ファイナル・ステージのネタバレあらすじ:承
4年後。ジュンソクとチョルミンは香港で貧しい生活を送っていました。二人は姉と弟を見殺しにしたことに未だに後悔を抱えており、廃人のように荒みきっていました。二人を含めて韓国からの難民は香港の人々からいわれなき差別を受けていました。
そんなある日、ジョンソクとチョルミンは裏社会の組織に呼び出され、ある仕事を持ちかけられました。それは封鎖された朝鮮半島に潜入し、ソウルに乗り捨てられている2000万ドルの札束を積んだトラックを3日以内に回収することでした。250万ドルの分け前をもらえると聞かされたチョルミンは貧しい生活から抜け出したい一心で志願し、半島行きに反対するジョンソクもチョルミンを一人で行かせる訳にはいかないと引き受けることにしました。
ジュンソクとチョルミンは他の流れ者の男女2名と共にフェリーで裏ルートを通って仁川港の沖まで行き、ゴムボートで半島に上陸しました。一行はソウルでトラックを回収して仁川港へ戻り、チョルミンか他の参加者の男に持たされた衛星電話で組織に連絡すれば迎えのフェリーが来るという手筈です。ジョンソクら4人は、感染者は夜間は目が見えず、音や光に反応するという特徴があることから、夜間のうちに行動することにしました。
仁川の街は見るも無残に荒廃しており、仁川出身である参加者の女は故郷の変わりぶりに驚きました。一行は暗視ゴーグルを付けて近くの車に乗り込み、高速道路で目的地のソウルへと向かいました。
ソウルに着いた一行は、ガラスの建物の中にうごめく感染者たちの姿を発見しました。その後、一行はお目当てのトラックを見つけ、荷台に確かに札束の入ったカバンが多数あることを確認しました。しかしその時、運転席に乗り込んでいた感染者が車のクラクションを鳴らし、音に呼ばれた感染者たちが次々と襲い掛かってきました。
ジュンソクは近くの車を撃って警報音を鳴らし、感染者たちがそれに引き付けられているうちにチョルミンと共にトラックを奪い、参加者男女の車と共に逃げ出そうとしました。
ところが、そこに突然“631部隊”の者たちが現れ、照明弾を撃ち込みました。631部隊とは半島に取り残された民兵たちで組織されており、地獄のような半島で生き延びているうちに人間性を失い狂暴化した連中でした。631部隊の照明弾に引き付けられた感染者たちがジュンソクらを襲い、チョルミンはトラックの荷台に隠れました。
ジュンソクは必死に応戦しましたが弾切れを起こしてしまい、あわや噛みつかれそうになったその時、幼い少女ジュニ(イ・レ)が妹ユジン(イ・イェオン)を助手席に乗せて車を運転し、ジュンソクを助けると巧みなドライビングテクニックで感染者たちを翻弄していきました。ユジンは光と音の出るラジコンカーで感染者たちを引き付けている間に3人はその場から逃げ出しました。
その後、現れた631部隊の者たちは参加者男女を殺害し、チョルミンが荷台に乗ったままのトラックを奪ってアジトに引き上げていきました。
新感染半島 ファイナル・ステージのネタバレあらすじ:転
ジュンソクはジュニとユジンに連れられ、とある建物に入りました。そこにはジュニとユジンの母ミンジョン(イ・ジョンヒョン)、ミンジョンの父で元軍人の老人キム(クォン・ヘヒョ)がいました。ミンジョンらは生き延びるために631部隊に入ったのですが兵士たちが狂い出したので抜け出し、今は無線で救助を求め続けていたのです。
キム老人は国連軍のジェイン少佐(ベラ・ラヒム)が助けに来てくれると話しましたが、ミンジョン一家はキム老人の話には懐疑的でした。ジュンソクは現金の入ったトラックを回収して組織の者を呼び、迎えの船で香港に脱出しようと持ちかけました。
その頃、トラックの荷台に隠れていたチョルミンは631部隊のファン軍曹(キム・ミンジェ)やキム二等兵(キム・キュペク)たちに発見されました。ファン軍曹は命乞いをするチョルミンを“かくれんぼ”に出すことにしました。631部隊の隊長であるソ大尉(ク・ギョファン)はキム二等兵からトラックの荷台に札束と衛星電話があったとの報告を受け、その電話をかけると香港の組織のリーダーが出てきました。リーダーは誰でもいいからトラックを回収した者は分け前の半分を与えて半島から脱出させてやると持ちかけました。
631部隊の“かくれんぼ”とは、生存者を捕らえて沢山の感染者たちがうごめく金網の中に閉じ込め、誰が生き残るかを賭ける残虐なデスゲームでした。チョンミンは無理やり“かくれんぼ”に参加させられ、辛うじて生き残る日々を繰り返していました。
ジュンソクとミンジョン一家は631部隊からトラックを取り戻して仁川港へ行くことにし、ソ大尉とキム二等兵もファン軍曹らを見捨てて札束と共に半島から脱出することを思いつきました。それぞれの思惑が交差するなか、ミンジョンは自分たち一家が4年前にジュンソクらに助けを求めたものの見捨てられたことを打ち明け、他にも沢山の車に助けを求めたけれども全て断られたことを明かしました。
ジュンソクになぜ自分を助けたのか訊かれたジュニは「死んだパパが弱い者を助けろと言っていた」と答えました。ジュンソクはもう誰も決して見捨てたりしないと決意を固めました。
ソ大尉とキム二等兵はファン軍曹に気付かぬよう“かくれんぼ”を24時間行うことにしましたが、ファン軍曹は二人の様子があまりにも不自然なので怪しく思いました。一方、ジュンソクとミンジョンはキム老人、ジュニ、ユジンを車に待機させて631部隊のアジトに潜入、トラックを発見しましたが中の衛星電話は壊されていました。
ミンジョンはその場にいたキム二等兵に銃を向け、チョンミンが持っていたもう1台の衛星電話はソ大尉の手にあることを聞きつけました。そこにソ大尉が現れ、ジュンソクはチョルミンが生きていることを知ります。ミンジョンはソ大尉の銃撃を逃れてトラックを奪い、ミンジョンは“かくれんぼ”が行われている金網を襲撃してチョルミンを救い出しました。
ジョンミンは631部隊の兵士や感染者たちと戦いながら逃げようとしましたが、チョルミンはファン軍曹の銃撃からジュンソクを庇って犠牲になってしまいました。
義兄を失った哀しみに暮れるジュンソクはミンジョンに助けられ、トラックに乗ってアジトから脱出しました。ファン軍曹も兵士たちを引き連れて軍用車でジュンソクらを追い、感染者たちを跳ね飛ばしながら突き進んでいきましたが取り囲まれてしまいました。
そこにジュニが駆る車が駆け付け、ヘッドライトで感染者たちを引き付けました。2台の車は631部隊の車や感染者たちから逃れ続け、やがて大量の感染者たちが閉じ込められているガラスの建物に差し掛かりました。ジュンソクはガラスの壁を銃撃して打ち破り、追ってきたファン軍曹らは解き放たれた感染者たちの餌食になりました。
新感染半島 ファイナル・ステージの結末
追っ手を振り切ったジュンソクたちは衛星電話で組織に連絡し、港に組織が用意した船が入ってきました。その時、ソ大尉の車がジュニの車に体当たりし、ソ大尉はジュニを人質にしてジュンソクとミンジョンに銃を捨てさせました。ユジンがラジコンカーでソ大尉の気を引き、何とかジュンソク・ミンジョン・ジュニを助けましたが、ミンジョンは足を撃たれて負傷し、キム老人も撃たれて瀕死の重傷を負ってしまいました。
ソ大尉はトラックを奪い、組織の船に乗り込みましたが、組織は最初から分け前など与えるつもりも半島から脱出させるつもりもなく、ソ大尉は組織のリーダーに撃たれました。ソ大尉は死の間際にトラックをバックさせて風穴を開け、そこから大量の感染者たちがなだれ込んで組織の者たちに襲い掛かりました。キム老人は「この地獄から助けたかった」と言うと、ジュニは「家族と一緒だったので地獄でない」と答えました。この一言を聞いたキム老人は息を引き取りました。
船は感染者に乗っ取られ、後方からは感染者の群れが迫ってきていました。もはや脱出する術を失ったジュンソクらの上空に、ジェイン少佐の乗る国連軍のヘリコプターが助けにやってきました。キム老人の話は本当だったのです。
ミンジョンはジュンソクに子供たちを託し、自ら感染者たちを引き付ける役目を買って出ました。ジュンソクはジュニとユジンを連れてヘリに乗り込み、ミンジュンは必死で防戦を続けましたが、いよいよ感染者たちに追い詰められ、銃で自殺を図ろうとしました。
ジュンソクは4年前にミンジョンを見捨てた借りを返すべく、ジュニたちに必ずママを助けると言い残すと単身でヘリから降りていきました。そしてジュンソクは感染者たちを撃ちながらミンジョンの元に向かい、自殺を思い留まったミンジュンもジュンソクと共に戦いながら脱出しました。
そしてジュンソクとミンジュンはヘリに乗り込み、ヘリは地獄と化した半島を後にしました。ジェイン少佐から「あと数時間で新しい世界が待っている」と言われたジュニは「私がいた世界も悪くなかった」と答えました。
以上、映画「新感染半島 ファイナル・ステージ」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する