スキャナー 記憶のカケラをよむ男の紹介:2016年日本映画。特殊な能力を持つが人間嫌いの男と元漫才師の相方という異色な二人が失踪事件を捜査するうちに、大きな事件へ巻き込まれていくバディムービー。「ALWAYS」シリーズや「リーガル・ハイ」で知られる人気脚本家・古沢良太が野村萬斎のために当て書きしたオリジナル脚本が見所です。
監督:金子修介 出演:野村萬斎(仙石和彦)、宮迫博之(丸山竜司)、安田章大(佐々部悟)、杉咲花(秋山亜美)ほか
映画「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
スキャナー 記憶のカケラをよむ男の予告編 動画
映画「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」解説
この解説記事には映画「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スキャナー 記憶のカケラをよむ男のネタバレあらすじ1
とあるスタジオでピアノのレッスンを受けている少女=秋山亜美。しかし、その顔は暗く、弾く手を間違えた亜美は手を止めてしまいます。亜美のピアノの教師である沢村雪絵はそんな亜美に「才能は自分のためじゃない、人のためにあるのよ」と言葉をかけました。レッスンが終わり、自転車で夜道を走っていた雪絵は、道端に白いワンピースの女がうずくまっているのを発見します。雪絵が心配して駆け寄った瞬間、その女は雪絵に襲い掛かったのでした。それから幾日か経った頃、丸山竜司は所属する小さな芸能事務所で危機に直面していました。持ち前の過激な毒舌ネタでイベントの観客を怒らせ、ステージから下ろされた丸山は、ついに社長から解雇を言い渡されてしまったのです。丸山が慌てていると、事務所に亜美が訪れます。タレントは募集していないと言った社長に亜美は、「マイティーズに人探しをしてほしい」と言いました。
スキャナー 記憶のカケラをよむ男のネタバレあらすじ2
「マイティーズ」という名前に驚く丸山と社長。マイティーズとは、丸山が以前組んでいたお笑いコンビの名前で、相方である仙石和彦のある能力を使い観客の秘密を暴くというパフォーマンスが人気を呼んでいました。しかし、マイティーズは仙石が抜けることによって無期限休止の状態になっており、今やほとんど忘れられた存在になっていました。失踪した雪絵はマイティーズの大ファンだったといいます。仙石と会うことに乗り気ではない丸山でしたが、亜美からの謝礼金をもらうため、亜美を連れしぶしぶ仙石のもとへ向かいました。とあるマンションの管理人として暮らしていた仙石は、人間と会うことをひどく嫌い、外に出ずひきこもった生活をしていました。「手で触れることで、そこに宿る人の思いや記憶=思念を読み取る能力」、スキャニングという力を持った仙石は、マイティーズとして活動するなかで様々な人間の思念に触れ、その闇の深さに人間不信を起こしてしまったのです。頼みを断固として聞こうとしない仙石に亜美は腹を立て、部屋を出て行ってしまいました。一人に戻った仙石は、部屋に何かが落ちていることに気づきます。それを拾い上げた途端、仙石の頭に雪絵の思念が流れ込んできました。仙石が触れたのは、亜美が持っていた雪絵の爪ヤスリだったのです。雪絵のことが頭から離れず眠れなくなってしまった仙石は、ついに丸山とともに亜美の頼みを聞くことにしたのでした。
スキャナー 記憶のカケラをよむ男のネタバレあらすじ3
丸山、亜美とともに外へ出て手がかりを探す仙石。仙石はそのなかで「白いワンピースの女が雪絵をワゴン車に押し込む」という思念を読み取ります。その女が雪絵を連れ去った犯人であると考え、仙石は思念をもとにその似顔絵を描き、警視庁捜査一課へ手紙を送りました。その手紙を見た捜査一課の新人刑事・佐々部悟は驚いていました。その犯人像やその他の情報が、佐々部たちの捜査している連続誘拐殺人事件の手がかりと類似していたのです。佐々部とその上司である野田は仙石と丸山を取り調べますが、思念を読んで得た手がかりだと主張する彼らとは全く話が通じません。長い取り調べから解放された仙石と丸山は、佐々部たちが言っていた事件の被害者の思念から犯人を追い、レインボーブリッジの見える埠頭を訪れます。仙石のスキャニングにより、埠頭にある廃屋で被害者たちが拷問を受けていたことがわかりましたが、乗っていた車が突然何者かによって追突され、車ごと海の中に沈んでしまいます。命からがら丸山は仙石を海から引き上げ、入院することに。命に別条はなかったものの、亜美は彼らに事件の調査をやめたほうがいいのでは、と言います。後日、前日に迫ったコンクールに向けピアノの練習を続ける亜美のもとに仙石が現れます。仙石はまだ調査を続けようとしていました。仙石はひとりで埠頭をもう一度訪れ、スキャニングを行います。そこで見えたのは、「エリカ」と名乗る白いワンピースの女が雪絵を拷問する様子でした。しかし、雪絵はまだ殺されていなかったのです。そのことを丸山に告げた仙石でしたが、丸山は雪絵について調査することに乗り気ではなくなっていました。怒った丸山は仙石に一枚の名刺を差し出します。それは入院中にもらった警視庁の佐々部の連絡先でした。仙石はひとり佐々部に会いに行きます。仙石の能力を気にしている佐々部は、霞高原という場所の名前を口にします。殺された3人と雪絵は、霞高原でのピアノの合宿に参加していたという共通点があったのです。また、霞高原のサイトにはエリカという名前で合宿の参加者の情報を求める書き込みがありました。事件の発端はこの合宿にあると考える佐々部は、参加者のリストを仙石に見せます。そこには、雪絵の友人であり亜美の教師でもある忍の名前が載っていました。仙石と佐々部は忍に話を聞きに行きます。しかし忍はその合宿には参加していないと言います。手がかりを失った仙石と佐々部は、霞高原へ向かうことにしました。
スキャナー 記憶のカケラをよむ男のネタバレあらすじ4
霞高原に到着した仙石と佐々部は、地元の警察官に案内されて古い家を訪れます。今は誰も住んでいないというその家にはかつて城戸恵里佳=エリカという人物がいたと記録に残っていたのです。家の中は埃が舞っており、仙石は思わず佐々部のハンカチを借りて足を踏み入れます。スキャニングしていくと、エリカのある記憶を見ることができました。家の中にいたエリカは、窓の外でボール遊びをしている4人の子供達を眺めていました。そして、その中のひとりが女の子に「亜美」と声をかけたのです。高原の合宿にいた最後の1人は亜美だったことを知った仙石は、亜美を保護するように佐々部に言います。そして、今まで様々なものをスキャニングし続けた仙石はついに倒れてしまいました。会場ではすでにコンクールが始まっており、亜美はひとり出番を待っていました。そして、その近くには忍がいたのです。一足先にコンクール会場にいた佐々部の上司たちが間一髪で忍を確保しました。警視庁もまた、霞高原のサイトへの書き込みが忍のパソコンから行われていると突き止めていたのでした。目を覚ました後、その知らせを聞いた仙石は安堵します。しかし、スキャニングによってまた別の、山奥に入っていく何者かの思念を読み取ります。佐々部は忍の聴取のために先に高原を後にしていました。仙石は丸山を呼び、その思念を頼りに同じ場所を目指して走ります。たどり着いた場所には、大きな袋に入れられた雪絵の遺体が放置されていました。事実を受け入れられない仙石が雪絵の遺体から読み取った思念には、雪絵が犯人の家へ拉致され、山へ放置されるまでの様子が残っていました。雪絵を運ぶワンピースの女が、おもむろにハンカチを手に汗を拭う場面を仙石は目にします。そして、そのハンカチが佐々部のものであることに気づいてしまうのでした。犯人は忍ではなく佐々部だったのです。亜美が危ないと、仙石と丸山は急いで高原を後にします。雪絵が最後に仙石へ見せた思念をたよりに、佐々部の自宅へ向かいます。警視庁では、亜美が行方不明になっていることや、忍が書き込んだと思われていたデータに改ざんの可能性があるという問題が浮上していました。そして、佐々部の行方もわからなくなっていました。
スキャナー 記憶のカケラをよむ男の結末
亜美が目をさますと、ワンピースの女が立っていました。しかしその人物は女ではなく、女装した佐々部だったのです。高原にいた4人全員を見つけて殺そうとしていた佐々部は、最後の一人である亜美に襲いかかろうとしていました。間一髪助けに入った丸山は佐々部ともみ合い、取り押さえます。仙石は、佐々部がなぜ事件を起こしたのかを、佐々部の前で話して見せます。佐々部は実はエリカの兄・城戸悟でした。病弱なエリカの世話をしていた悟でしたが、目を離していた間に、エリカが庭にやってきた見知らぬ4人の子供達に誘われて外へ遊びに行ってしまったことを知ります。エリカは外に出ることを禁じられていました。悟はエリカを叱りましたが、次の日もエリカは雨の中ボールを返すために4人を探しに行ってしまったのでした。悟がエリカを見つけた時には、すでにエリカは虫の息でした。そのまま息を引き取ったエリカに、悟は4人への復讐を誓いました。エリカを失った両親は悟を責めました。エリカの代わりになろうとワンピースを着て髪を伸ばすようになると、両親から虐待を受けたのだと悟は言いました。その後警察の家庭に引き取られた悟は警察官・佐々部悟となり、復讐の時を待っていたのでした。しかし、仙石はその記憶はまちがっているのだと言います。エリカは自らの死期が近いことを悟っており、最後に悟と外で遊びたかったというのです。ボールは子供達からもらったのではなく、子供達が放置したものをたまたま手に入れてしまっただけで、遊んだことなど一度もなかったといいます。エリカのボールの思念を読みながら話す仙石に悟は涙を流します。そして、駆け付けた警察隊たちの前で、拳銃を手に自殺してしまったのでした。犯人の自殺という幕切れで事件が解決して数日後、仙石と丸山はコンサートホールで亜美の演奏を聴いていました。忍も共に、雪絵のために会場を貸し切って演奏会を行っていたのです。演奏会が終わり、仙石と丸山は別れることになります。お笑いに復帰することは考えていない様子の仙石でしたが、ふたりの間には確かに友情が生まれていました。家に戻った仙石は、雪絵の爪ヤスリを手にします。思念として浮かび上がる雪絵に触れようとしますが、すぐに雪絵は消えてしまうのでした。仙石は雪絵に感謝を告げ、「人間は美しいね」とつぶやいたのでした。
以上、映画スキャナー記憶のカケラをよむ男のあらすじと結末でした。
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