くちづけの紹介:1957年日本映画。増村保造監督のデビュー作。当時としては新鮮なタッチの演出が注目を集めた。川口浩の母を演じているのは実の母の三益愛子、そして恋人になる章子も当時実際に川口の恋人だった野添ひとみが演じている。
監督:増村保造 出演:川口浩(宮本欽一)、野添ひとみ(白川章子)、吉井莞象(大沢繁太郎)、小沢栄太郎(宮本大吉)、三益愛子(宇野良子)、村瀬幸子(白川清子)、村田扶実子(売店のおばさん)、ほか
映画「くちづけ(1957年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「くちづけ(1957年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「くちづけ(1957年)」解説
この解説記事には映画「くちづけ(1957年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
くちづけのネタバレあらすじ:起
東亜大学の学生宮本欽一は、今日も小菅の拘置所へやってきました。父親の大吉が選挙違反を犯して逮捕されたため、面会に来ているのです。選挙違反はこれで3度目でした。
息子を前にして最初父親は虚勢を張っていましたが、さすがに別れ間際には「何とかしてくれ」と弱音を吐きます。ちょうど拘置所を訪れていた担当弁護士に聞くと、保釈金は10万円でした。
金策について考えながら購買所を通りかかると、若い女の子が差し入れ品のお金が足りなくて困っていました。欽一はその金を出してやると、そのまま拘置所を出ます。彼からすると発作的な行為でしたが、後から女の子が追いかけてきます。
くちづけのネタバレあらすじ:承
白川章子という名前のその女の子は、父親が役人でした。父親は母親の結核の費用が足りずに公金を使い込み、裁判を待っているのです。
義理堅い彼女は欽一に借りた金を返すつもりで住所と名前を聞き出そうとしますが、欽一は意地になって応じません。しかし章子がしつこいため「ギャンブルで儲かったら名前を教える。負けたらそのまま別れる」と決め、競輪場で券を買います。
結果は大当たりでした。仕方なく欽一は名前を名乗り、その日の午後を一緒に章子と遊ぶことにします。
くちづけのネタバレあらすじ:転
友達からオートバイを借りた欽一は章子と一緒に江ノ島へ。海水浴に興じた後、ローラースケートをしますが、脇の路上の車から年配の女性が出てくるのを見た欽一は彼女の後をつけてあるビルに入ります。
その女性は欽一の母良子でした。彼女は政治狂いになった父親に愛想を尽かして3年前に家を飛び出し、自分でコネを頼って宝石の商売をやっているのです。欽一は母親に十万円を借りようとしますが断られます。
その後、章子と飲み屋に出かけた欽一は彼女の知り合いだという大沢繁太郎と喧嘩をします。大沢の父は有名な画家で、章子はそのヌードモデルをやっていました。
くちづけの結末
章子と別れた翌日、母親の住所を調べて自宅マンションを訪ねた欽一は今回はうまく10万円を借り受けます。ところが弁護士によると保釈はもっと先になるようでした。
こうなったら章子の父の保釈金にしようと考えた欽一は雨の降る中、彼女のアパートへ行きます。折しも金策に困った章子は大沢に身を任せようとしているところでした。事情を知った欽一は大沢に一方的に殴られたものの、なんとか彼を追い出し、章子に小切手を手渡します。
章子は部屋を出た欽一に追いつき、「頂く理由がない」といって小切手を返そうとするのですが、欽一はそんな彼女にくちづけします。そして「君が好きだよ」と告白するのでした。
以上、映画「くちづけ」のあらすじと結末でした。
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